メリー、バッドエンド
若干ホラーが入ってるかも。
その電話は、突如としてやってきた。
「もしもし、私メリーさん。今、ゴミ捨て場に居るの」
俺はメリーと名付けた人形を、捨てちゃあいないが? いかにも、だと、逆にいたずらっぽいよなー。
「いたずらですか? メリーさん。マジなら人違いですよ。で、ゴミ捨て場ってどこですか?www」
とはいえ俺はオカルト好き。この前幼女の霊が出るらしい廃墟にも行ったしwwwこんな現象に遭遇したなら信じておいてメリーさんと会話したいww
普通に生きてて人形と会話なんてめったにないからな!
ああ! 切れたあ……ww
ま、まあよし。復習しよう!ww
女の子が、引っ越しでやむなくメリーと名付けた人形を捨ててしまうことになった。あまりに泣くので、両親が新しい人形を買ってやったという。そうしてメリーについて記憶が薄れたころ、女の子に電話がかかってくる。あ、その日の夜って説もある。私メリーさん。今、ゴミ捨て場に居るの、と。怖くなったそんなの子は電話を切るが、どんどん電話がかかり、そのたび目的地に近付いていく。とうとう、私メリーさん。今、あなたの家の前に居るの。とかかってきた。女の子は思い切って玄関ドアを開ける。だれもいない。ほっと胸をなでおろした時、またもや電話が。
――私メリーさん。今、貴方の後ろにいるの。
と。ここでポイントが、最後あえて何も言わず、想像させる余地を残す。
「もしもし、私メリーさん。今、○○郵便局に居るの」
おお、来た来たwwあそこか。まあ、近付いてるのか。
「なあなあもっとお話ししようぜwwwwなんで切ったんだよお」
あ、また切れた。
悲し。ああ悲し。俺嫌われてんじゃん草。
しばらく放置していたら、また電話かかってきた。よしよし。今度こそ話すんだ。
「もしもし、私メリーさ――」
「俺は普通のオカルト好き! メリーさんメリーさん一緒に話そうぜ!www」
「ん。今、貴方の家の前のスーパーにいるの」
切れたあー! くそう。どうしたらいい。どうすりゃいいんだ。あともう少しで俺の背後! 嫌だあ。ぼくもっとめりーさんとおはなしする!
ああ、またかwww
「もしもし私メリーさん。今、貴方の喉を彩る凶器を探しているの」
「メリーさん無視しないで。俺の豆腐メンタルがやられるwww」
切れた。まあ、やっぱりかと言う感じ。で、なんか流れおかしくない?www
なんか、具体的に凶器を探してるってwwあれ、また来た。
「もしもし私メリーさん。貴女の住所は貴方の中」
は? 何言ってんだ?wwwwwって、また? スパンがだんだん短くなっているような。
「もしもし私メリーさん。今、貴女の中に居るの」
マジで何言ってんだ。メリーさんじゃねーじゃん。単なる頭おかしいやつじゃんwwww
また。
「もしもしメリーさん。今、ポケットの中に護符を持っているの」
はあ? お前それ、お前が退治される側じゃね? ワロタwww
「もしもし私メリーー-------------。さsssswwdさdsagfds」
なんつった? 機械と化してて草wwwww
「もしもし私メリーさん。助けて」
「もしもし私メリーさん。たs」
「わたわttttssssstttssskkkkっ」
「もしもし。もしもし。もしもしもしもしもしもしもしもし」
「私メリーメリーメリーメリー」
うはwwうるせえwwもう寝よww
朝。起きたら棚に飾ってあった人形壊れててワロタwww。パリンって真っ二つに割れてやんのww
私メリー。棚に飾られているお人形。持ち主にはそこそこ良くしてもらったの。
持ち主は霊にたくさん憑かれてる。良いやつにも、悪いやつにも。
私、ねっとで見たの。メリーさんの電話。そうすれば持ち主と会話できる。持ち主はおかるとが好きだから、きっと信じてくれると思ったの。電話の方法調べて、準備万端だと思ったの。
気づいたの。持ち主に、悪霊がついてたの。女の子。持ち主の中に、漂ってたの。
私達下級の霊は、特定の方法でしか互いに干渉できないの。私は、都市伝説としての印象が定着されてしまっているから、メリーさんの電話の通りにしか動けない。でも、一つだけ。護符? 霊札? ってやつ、持ってるの。使ったら、私まで消えちゃうから、これは最終手段。
ドキドキしながら、お人形の体から出て、電話、かけたの。
「もしもし、私メリーさん。今、ゴミ捨て場に居るの」
「いたずらですか? メリーさん。マジなら人違いですよ。で、ゴミ捨て場ってどこですか?www」
話そうと思ったら、切れたの。あれれ? うーん? 首をひねって考えても、分からないの。
しばらく考えて、やっぱり分からなかったから、もう一度電話したの。
「もしもし、私メリーさん。今、○○郵便局に居るの」
「なあなあもっとお話ししようぜwwwwなんで切ったんだよお」
うーん。また切れちゃったの。もしかして、悪霊? 話しかけるには、持ち主に電話しなきゃいけないの。
「もしもし、私メリーさ――」
「俺は普通のオカルト好き! メリーさんメリーさん一緒に話そうぜ!www」
「ん。今、貴方の家の前のスーパーにいるの」
どうしよう。切れちゃって、話せない。持ち主は、完全に楽しんじゃってる。命に危険がないなら、放っておいてもいいけど、そうじゃないの。危険なの。
……物理的な凶器、使ってみるの。電話で、凶器について話すの。
「もしもし私メリーさん。今、貴方の喉を彩る凶器を探しているの」
「メリーさん無視しないで。俺の豆腐メンタルがやられるwww」
切れちゃったの。でも、これで小ぶりなナイフ、げっとなの。
「ええー?www見てよあれ。包丁浮いてんだけどwwwwww」
「うわまじじゃんwwちょ、動画取ろうぜ動画ww」
あ、やっちゃったの。
『どうぞ。こちらへ。メリーさん』
声が聞こえると、いつの間にか古めかしい家の一室にいたの。
「貴女は、だあれ?」
目の前にいたのは、小さな女の子。悪霊。
「わたくしは、ここの屋敷の一人娘でありました。幸せに暮らしていた時、火事に会って亡くなりました。放火魔でした。その未練や恨みゆえに現世におります。ですから、わたくしは貴方の持ち主を害する意図はないのです。ご安心を。どうか、わたくしが居ることのできる場さえ用意していただけたら、すぐにでも持ち主から出ていきます」
嘘。嘘を、ついてる。この子。
「貴方は美しいですね。金髪慧眼の。是非とも、ご友人になりたいものです」
急に、部屋が凍えそうなほど冷たくなった。……怖い。
「ああ、怖がらせる意図はないのです。……もうそろそろ時間ですね。さようなら」
次の瞬間には、元に場所に戻ってたの。――小さなナイフを、奪われて。
あの子は、悪霊で、敵。確信。
持ち主に、伝えなきゃ。
「もしもし私メリーさん。貴女の住所は貴方の中」
これじゃ、伝わらない! でも、これ以上やると私が消えちゃう。も、もっと。
「もしもし私メリーさん。今、貴女の中に居るの」
あの子の、空間に押し入る。ナイフに宿らせておいた私の霊力を辿って。
空気が、変わった。また、部屋に来れた。
でも、あの子はいない。持ち主へ、電話……出来そう。護符は、あの子も怖いはず。
「もしもしメリーさん。今、ポケットの中に護符を持っているの」
襖が、開いた。私を見下ろす、女の子。
「メリーさん。考えてみて下さい。持ち主が、貴方に何をしてくれたというのですか。いわくつきだと聞き、喜んで買い取って、放置です。おかしいでしょう。わたくしは貴方を美しいと感じるのです。傍におります。あんな奴の手より、私の手を」
私と目線を合わせて座った。女の子の着物には、私の霊力が宿ったナイフがあったの。
「んーん。持ち主がいい」
「何故です。わたくしが悪霊だからですか。わたくしが悪霊だからなのですか。貴方だって、そうです。わたくしは貴方を放置することも、手ひどく扱うことも致しません。お望みなら、できるだけ叶えます。何故わたくしを拒むのですか。何がご不満ですか」
さっきみたいに、嘘を言ってない。本当のこと、言ってくれた。私には、分かるの。
「不満じゃないの。でも、私は持ち主と一緒がいい」
「そう、ですか。では、持ち主を、呪い殺せばいいのですね。そうすれば、貴方はわたくしの手を取ってくださるのですね」
寒くて、凍えそう。まるで、世界の中、私だけになったみたいな、孤独感。
そうじゃないと知るために、持ち主に電話。
「もしもし私メリーー-------------。さsssswwdさdsagfds」
うまく、喉が動かない。私に、物理的なものは、お人形の体しか効かない。お人形に声帯はないから、霊力を使ってる。だから、喉が動かないはずないのに
女の子? あの子がやったの?
「もしもし私メリーさん。助けて」
「もしもし私メリーさん。たs」
「わたわttttssssstttssskkkkっ」
「もしもし。もしもし。もしもしもしもしもしもしもしもし」
「私メリーメリーメリーメリー」
誰か、誰か助けて。
「私メリー」
「私メリーさん。ttttttssssskkkkkkkkkkkkkk」
助けて。苦しい。寒い。手が凍って電話できない。……あ、そ、だ。護符。護符、使えば。
「どうして、そこまで持ち主に執着されるのですか」
女の子?
「もう、捨てられたくない。売られたくない。持ち主は、どちらも、してない、から」
話しやすくなった。女の子がやってたの?
「わたくしは――わたくしだって……」
「いわくつきだって、捨てられるのは、もう嫌だ」
持ち主は、私のこと、もう十年間くらい捨ててない。
私は、女の子。戦時中の女の子に送られたお人形。大切に使われて、女の子が立派な女性になった頃。引っ越しの時、売られた。すぐに買われて、そこから、霊力が使えるようになった。ほんの少し、いたずらのつもりで、電話のかける先を変えたりしたの。あと、子供に霊力を宿らせて位置が分かるようにして、時々少し、その方へ体を動かしたり。
今度は、捨てられた。ゴミ捨て場に。雨が降ってて、お洋服と髪の毛に染み込んで。冷たくて、寒くて、怖かった。そしたら拾われて、ふりま? で売られた。
買われた先が、今の持ち主だった。いたずらしたら笑ってくれて、引っ越しの時、捨てなかった。捨てなと言われても傍においてくれた。だから、私も、持ち主を捨てない。女の子を、助けるの。
「貴女は、この苦しさを、味わったんだよね」
ま、た。苦しくて、寒い。護符、使う。
「私も、一緒。でも、今度は、貴女と共にいる。怖くないおにんぎょさんなの」
「わたくし。独りは嫌!寒いのも、置いて行かれるのも、嫌! もう、わたくしを、わたくしを独りにしないでえ!」
「私メリーさん。今、貴女の隣にいるの」
わたくしは天音と申します。いわゆる、悪霊と呼ばれるものでございます。わたくし、美しいものが好きで、生前はよく、お花を愛でておりました。はらりと明るいお空へ舞い散るお姿もそうでございますが、やはり満開に咲いた時が一番奇麗に感じます。
話を戻しましょう。母と父、使用人。時に叱られ、時にからかわれることはあれ、そのことをうっとうしいと感じることなく、わたくしはのびのびと成長することができていました。使用人とも仲良くし、夫婦仲も良好。とても幸せに過ごしておりました。あの女が、来るまでは。
あの女は、わたくしにねっとりと絡まるような視線でおりました。気味が悪く、近付かないようにしておりました。あの女は、まず使用人を全解雇させました。広いお屋敷は、すぐに汚れていきました。次に、母と父の離婚でございます。父はいつの間にか母以外の女と仲良く恋仲になっているではありませんか! これにお怒りになられた母は、慰謝料をたっぷりとり、離婚しました。あの女は、常に豪華な衣装に身を包み、見せつけるように宝石で飾り付けておりました。あの女は、今になって思えば、父と浮気をしていたのでしょう。父の視線が、甘く優しい、愛しい相手に対するものでありました。
母に引き取られたわたくしは、放置されるようになりました。しまいには、わたくしに暴力を振るうようになりました。幸せは、わたくしの手をするりと、まるで幽霊のように通り抜けて行くのです。
すっ。と、わたくしの心は冷えてゆきました。そうしたある日。
あの日は、確かそう、寒い雪の降り注ぐ日でした。暗い空から、天の白い花が地に落ちる風景は、自分の環境と重なり、なんとも言えない気持ちになったものです。
母から、家を追い出されました。服は重くなり、呼吸はしずらく、息は絶え絶えです。手は凍り付いたかのようで、世界にぽつんと、一人取り残された錯覚を覚えました。誰か助けてほしい。そう思っても、声はかすれて出ませんでした。ついには誰にも知られぬまま、独り息絶えました。
悪霊となり、かつてのお屋敷にてとどまっておりましたわたくしは、ある男の中に漂うことに成功しました。これで、この男を使って、あの女に復讐を、と思った時、棚にある人形が目に留まりました。とても美しいと感じました。
メリー。そういう名前であることは、持ち主、の言葉で分かりました。
メリーさんの電話が始まりました。
困っていたようなのでお助け致しました。
「貴女は、だあれ?」
毅然とした態度で、こちらをじっと見つめます。警戒、されていますか。
「わたくしは、ここの屋敷の一人娘でありました。幸せに暮らしていた時、火事に会って亡くなりました。放火魔でした。その未練や恨みゆえに現世におります。ですから、わたくしは貴方の持ち主を害する意図はないのです。ご安心を。どうか、わたくしが居ることのできる場さえ用意していただけたら、すぐにでも持ち主から出ていきます」
半分本当です。ここは、わたくしの心の中で、当時のお屋敷そのままなのですから。あら。疑われてしまいましたか。目にありありと描かれております。
「貴方は美しいですね。金髪慧眼の。是非とも、ご友人になりたいものです」
本心です。あの女など、もはやどうでもいいのです。独りを知っているこの、メリーさんならば。ずっと、お傍に居て下さると思っております。わたくしは貴方の虜になっています。
ああ、わたくしの心が、冷えてゆきます。メリーさんの顔が青くなってしまわれました。
「ああ、怖がらせる意図はないのです。……もうそろそろ時間ですね。さようなら」
心が、他人、いえ、他人形を招き、疲弊してしまったようです。メリーさんが、わたくしを持ち主ごと刺そうとすることも、念のため考えておきましょう。霊力が宿っていれば、わたくしも消滅致しますから。このナイフ、ずいぶんと錆びております。
わたくしの能力で、記憶をのぞかせていただきます。悪霊故、でしょうか。記憶を覗き、悪夢として再演させることができるのです。毎日。
……なるほど。これは……メリーさん自身の記憶も混ざっております。詳しくは分かりませんでしたが、人形に付属していた包丁ですね。メリーさんにやたら関節部が多く、可動域も広かった理由は、お料理用の人形だったからですかね。科学の発展は素晴らしいものです。
……あら? メリーさんがなぜこちらに?
「もしもしメリーさん。今、ポケットの中に護符を持っているの」
ここですね。襖を開けます。
「メリーさん。考えてみて下さい。持ち主が、貴方に何をしてくれたというのですか。いわくつきだと聞き、喜んで買い取って、放置です。おかしいでしょう。わたくしは貴方を美しいと感じるのです。傍におります。あんな奴の手より、私の手を」
本音をメリーさんに伝えます。目線を合わせて畳の上に座らせていただきます。ああ、やはりこの方は美しい。きっと、わたくしの手を取ってくれるに違いありません。先ほど見えた記憶では、放置されていたも同然だったのですから。
「んーん。持ち主がいい」
なぜ。なぜ? また、わたくしが好いた人が、別の人を選ぶのですか。使用人はさり。父はあの女を、母は父を選んだ。わたくしのことは、誰も選んでくださらないのですか。孤独でいろということですか。
「何故です。わたくしが悪霊だからですか。わたくしが悪霊だからなのですか。貴方だって、そうです。わたくしは貴方を放置することも、手ひどく扱うことも致しません。お望みなら、できるだけ叶えます。何故わたくしを拒むのですか。何がご不満ですか」
「不満じゃないの。でも、私は持ち主と一緒がいい」
何故を挟んでも無駄。そんな目をメリーさんはしておりました。口は簡単に言いました。
「そう、ですか。では、持ち主を、呪い殺せばいいのですね。そうすれば、貴方はわたくしの手を取ってくださるのですね」
分かっております。そうしたところで、メリーさんは、わたくしを選んではくださらない。それでも、言わずにはいられませんでした。
メリーさんは、顔色が悪くても、必死に電話をかけております。
「もしもし私メリーー-------------。さsssswwdさdsagfds」
……うまく、声すら出ないでしょう? わたくしの霊力が、わたくしの悪夢を再演、しております。
なのに、選ばれるわけがないのに、電話をかけるのですか。
「もしもし私メリーさん。助けて」
「もしもし私メリーさん。たs」
「わたわttttssssstttssskkkkっ」
「もしもし。もしもし。もしもしもしもしもしもしもしもし」
「私メリーメリーメリーメリー」
「私メリー」
「私メリーさん。ttttttssssskkkkkkkkkkkkkk」
何度かけても、持ち主は、無視して寝ています。うるせえwwと笑っています。
なのに、どうして希望を持てるのですか。
やめようとしても、霊力が暴走してやめられません。もう、メリーさんは手が凍って電話の一つ、出来ません。わたくしは、こんなことをしたいのではありません。ですが、わたくしの心は正直に、誰か、この苦しみを知ってと、メリーさんを苦しめます。
「どうして、そこまで持ち主に執着されるのですか」
父も母も、理由は教えてくれませんでした。
「もう、捨てられたくない。売られたくない。持ち主は、どちらも、してない、から」
少し、寒くなくなりました。わたくしは、わたくしの本当の気持ちが分かりません。
「わたくしは――わたくしだって……」
「いわくつきだって、捨てられるのは、もう嫌だ」
ああ、彼女も、わたくしと同じなのです。独りが、嫌なのです。彼女は、もう見つけていたのです。一生を捧げる相手が。わたくしは、見つけた相手に対し選んでほしいと言っていただけです。それは、選ばれないに決まっております。
「貴女は、この苦しさを、味わったんだよね」
はい。寒く、誰にも選ばれなかった孤独な死に目を味わいました。
「私も、一緒。でも、今度は、貴女と共にいる。怖くないおにんぎょさんなの」
暖かいメリーさんの声で、わたくしの心は、なにかが崩れました。
「わたくし。独りは嫌!寒いのも、置いて行かれるのも、嫌! もう、わたくしを、わたくしを独りにしないでえ!」
泣きました。死ぬ時も、孤独が嫌で涙を流しました。ただ一つ、死に目と違うのは。
「私メリーさん。今、貴女の隣にいるの」
メリーさんが、隣にいたことです。普通の人形にしてはでかく、わたくしよりもよほど小さい体で、寄り添ってくれておりました。
わたくしも、そろそろ、成仏です。護符の効果ですね。
「メリーさん。ありがとう」