我が家のノラが可愛い件について
我が家のノラの可愛さが少しでも皆様に伝わると嬉しいです。
我が家の可愛い家族ノラを紹介します。
「ノラの話を書くよー。出演料は(液状の)おやつでいい?」
と聞くと、
「にゃあ〜(鰹節も追加で手を打とう)」
とすりすりしてくる可愛い奴です。
出会いは2019年初夏。我が家に(その当時は作者は嫁に行き実家には住んでおませんでした。)痩せ細って声もガラガラな1匹の猫がやってきました。食べのが欲しいのか声もガラガラなのにずっと鳴いて父に訴えかけていたそうです。最初は、どこからきたのかもわからないし、食べ物を与えて家に住み着かれても困ると父は可哀想ではありますが、追い返していました。
母と祖母は動物が苦手な方なので、飼うことが難しかったのも1つの理由でした。
それでも、日に日にやつれていく猫をみて父は我慢できなくなり食べ物を与えたようでした。はじめて会う人から、への字口なので、厳しそう冷たいクールなどの印象を持たれる父ですがとても優しい人なのです。
野良猫にしては人を怖がらなく寧ろ人懐っこい猫。私はどこかで飼われていた猫なのではないかと思いました。
我が家はど田舎なので、隣の家とも距離があります。我が家から少し離れたところに以前車の修理をしていた工場(ちょっとした作業場)がありました。その持ち主の方の知り合いの人と偶然私が話をすることがあり、どうやら工場の持ち主の方が猫を拾い工場で飼っていたようでした。どうやらその人が病気になって入院してしまい猫が放置されていたようです。もしかしたら、ご家族は猫を飼っていると知らなかったのかも知れません。
その話を父にしたら、家の中には入れないけど工場の人が戻ってくるまで、このまま食べ物を与えて面倒をみるということに決まりました。
少しずつ元気を取り戻していき我が家にもなれてきた頃。なんと、子猫を1匹つれてやってきたのです。目は開いていましたが、まだまだ小さい子猫。母親と同じ柄の子猫でした。子供がいたから、あんなに必死になって食べ物をせがんでいたのかと、心が痛くなりました。きっと猫の出産は何匹か産まれるだろうから命が助かったのが1匹だけだったのでしょう。
それからは、2匹で我が家に遊びにくるようになりました。子猫は警戒心が強く人がいると隠れる。私たちに母乳を与える姿、木登りを教える姿、(登ったはいいが、降りれなくなり父が救助しました。)獲物のとり方を教える姿など、様々な姿をみせてくれました。きちんと子育てして偉いなぁと感心したものです。
しかし、暫くたつと子猫は姿をみせなくなりました。親離れしたのかも知れないし、悲しいけれど何かその身に何か起きたのかも知れません。
季節は巡り冬になりました。相変わらずやってくる猫。工場の方はまだ、入院されていて病状も良くないとのこと。ここは豪雪地帯。本格的に雪が降ったらこの猫は生きていられないのではないか…しかし、私は家に住んでいないので、家に入れる決断する決定権がなかったし、責任がとれない事も言えなかったのです。少しでも暖がとれるように、囲い(家が雪に潰されないように家を囲む事)の中にダンボールを用意してその中に毛布に包んだ湯たんぽを入れてあげる事が私にできる精一杯でした。
そこで、これまであまり登場してこなかった我が家の母の出番です。我が家の天然な女王様。我が家の決定権は女王様が持っているといっても過言ではありません。わがままで、何でも思い通りにしないと気が済まないタイプの女王ではなくて、真っ直ぐで気高くついていきたくなる様な統率力のあるタイプの女王様ですよ。その母が、
「家に入れよう。」
と、言ったのです。
あまり、猫とは関わっていなかった母でしたが、悪戯もしない自分達に迷惑をかけない猫、子育てをきちんとしている猫の姿をみて実は誰よりも情がわいていたようです。
祖母はみんなが決めたならそれでいいよと言ってくれました。小さくてほんわかしている可愛い自慢の祖母です。
そうと決めたら早いもので、家の中に入れることになりました。猫用のトイレも購入して準備は万端。1度教えただけできちんとトイレで用をたせる頭の良い子です。はじめは、本当にここにいてもいいのかなぁと不安そうな猫でしたが、家族の顔をみていてもいいんだと理解するとみんなにすりすりしてまわる可愛い子でした。汚れていた毛を洗わなければならないと、暴れるのを覚悟して猫用のシャンプーを手にお風呂に入れたのですが、情けない声は出しましたが、暴れる事もなくシャンプーさせてくれました。
それから今もですが、誰かしらの膝の上に乗りたがるくっつきたがる甘えたがりの可愛子ちゃんです。
女王様が1番偉いと猫も感じているのか、母の言う事をきちんと聞きます。おやつを与えるのが母の役目なのですが、最初におやつをあげた時、食べる前に何度も伸びをしたんですよ。それから毎回伸びをしないと母はおやつを与えないので、いつも母に従って伸びをする猫なのでした。
2020年春、長い冬が終わりを告げた頃、工場の方の訃報が届きました。悲しい事ですが、猫が帰る場所が無くなってしまったのです。家に入れてから家族の様に過ごしてきましたが、元の飼い主が戻ってきたら返すという選択が残っていたので、猫を病院にもつれて行ってなかったんですよね。
我が家を猫の帰る場所にしようと決めて、病院にもつれて行きました。そこで、決めなければならなかったのが、名前。今までは、別れがあるかも知れないので、呼んであげれなかったけど、本当の家族になるのだから名前が必要です。
安易ですが野良猫からノラにしようと決めました。注射も検査もきちんとして、可哀想ではありますが避妊手術もしました。
ノラもここにいて良いんだと感じた様で、前にもまして家族に甘える様になりました。各部屋に行き1週間ほど一緒に夜寝るのです。分け隔てなく愛想を振り向いて偉い子。愛され力見習は無ければ。
訳あって実家に出戻りました私にも、それはそれは優しくしてくれて、お腹や背中にのってふみふみしたりゴロゴロと喉を鳴らしたりして癒してくれています。外に出ても、私が呼べばトコトコと帰ってくる所がとても愛しいです。
それからも、稲を植える前の水が溜まった田んぼに落ちてドロドロになって、帰ってきた事。母に貢ぎ物を誇らしげに持ってきた事など、まだまだ、語り尽くせません。
これからの人生(猫生)色々なことがあると思うけど、可愛いノラと楽しく幸せに暮らしていきたいと思います。
最後まで、目を通して下さりありがとうございます。
余談ではありますが、我が家から2キロ先のお家にノラとそっくりなお猫様が飼われていました。2019年の夏に道路で鳴いているのを見かけて拾ったとの事。あの時の子猫だったら幸せに暮らしている様で嬉しく思うのです。