04 引きこもり達はチャットがしたい
香織が昼間の間ずっと寝ていたため、俺は夜まで自分の部屋でいつも通り過ごしていた。
まあ、香織の部屋にいるときの"いつも"ではないが...
夜の10時ごろ、ふと香織の部屋を見てみると電気がついていた。
(起きたのか。)
それから一時間ほどたった後、急に香織からチャットが来た。
ーー
[ねぇ、今から一緒にゲームしようよ。]
[良い子はとっくに寝る時間だぞ。]
[良い子じゃないし~。それに、昼間ぐっすり寝たおかげで全然眠くないんだよ。]
[...俺は寝る予定なのだが。]
[え~いいじゃん~、一緒に昼夜逆転しようよ~]
[やだよ。ほら、子守歌でも打ってやるから。]
[それを見たところで、全然眠くはならないと思うんだけれど?]
[わがままな奴め!それじゃあ、鉄板の羊でも数えるか?]
[羊が1匹、羊が2匹、羊が3匹、羊が4匹、羊が5匹、羊が6匹、羊が7匹、羊が8匹、羊が9匹...あれ、1匹足りない...]
[それ、最後怪談になってんじゃん!あと、10匹くらいじゃ、全然眠くなんてならないよ~]
[えー]
[ねぇねぇ~遊ぼうよ~]
[なんで、そんなにも誘ってくるんだよ。一人でもゲームはできるだろ~]
[...だって、今日は全然しゃべってないじゃん...]
[...分かった。いいぞ。]
[やったー!]
[ちょっと待ってろ。]
[了解!]
ーー
...あんなこと言われちゃぁ、行くしかねぇじゃねぇか!
しょうがないな。
香織とのチャットを終えた俺は、まっすぐには香織の部屋に向かかわず冷蔵庫に向かっていた。
そして、父さんが飲んでいるエナジードリンクを一気に飲み干す。
プファー
香織の奴、昼夜逆転しちまったからなー
なんとか戻してやらないと。
これ一本で明日の夜までもてばいいが...
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。