異世界へ行ったけど、思ったよりも現実だった件
光が1秒間に地球を7回り半するだとか、科学的根拠に基づき壮大に広がる宇宙だとか、そんな世界は目で見る事はできない。僕らが見る世界は常に耳で聞き、目で感じ、口で感想を言う。仮にもしも5感を駆使しても得られない感覚がとこかにあるのならば、僕はその感覚の中で支配者になるだろう。
車窓から見える景色はいつも通りで、窓から顔を出す
僕に対して母と父は気遣い、どうでも良い観光名所の説明をし始める。
言葉の世界で概念を語れる僕たちだが、何一つ触れはしない。夢を語り、ありもしない空想が僕の脳ミソを支配する。しかし、実態はない
父の指先は忙しく、人差し指をひたすら色んな建物に
指差す。しかし、僕の視線に纏まりはなく、ただひたすらに空の視線をし続ける。
口は嘘を、鼻は臭匂を、目は錯覚を。
脳が感じ、僕たちの自我を常に刺激する。都合がよく
生まれてきた場所だけに振り回され、老けて終わっていく、、。
父と母の気づかいはぼくには届かず。あまりにも余計な労力を使い果たした二人は同時に振り向き、僕を見た。後部座先にいる僕をみた。首を後ろに巻き僕を見た。前方に巨大なトラックが迫ってきている事に気がつかず、、、、、僕を見た。
世界はどうみたって、ちっぽけだ、、。そんな結論が出たと同時に、僕の体は鈍い音とともにバラバラになっていった。