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おでかけ



 私は日中からせっせせっせと木を使って、魔力を込めたカードを作っていた。


 そこまで威力はないかもしれないが、護身用には十分だろう。

 シエラに武器として持たせるのだ。

 高火力のカードを数枚持たせるだけでいいかとも思ったが、何かと彼女はカードを無駄遣いするので、雑魚カードをいっぱい持たせる事にした。

 ちなみに前、水魔法を込めたカードをそこらの雑草の水やりに使ってた。

 まぁまだ子供だし、質より量でしょ。



 それもこうも、私はリアと一緒に遠出する事になったのだ。


 氷魔術のお陰で簡易的な冷蔵庫ができ、食料は数日くらい大丈夫。

 アイシア村にはアイネスとメアおいとけばとりあえず大丈夫、カード持たせたシェラもいるし。

 元ゼオヒムいるけど…まぁ大丈夫やろ。



 「メア!私達出かけるけど、まさかゼオヒムの時みたいに帰ってきたら皆殺しにされてましたとかしないでよね!」


 「もうそのような事はございません」


 「ほんとに?もしそれで悪魔との契約成立して恋人生き返ったとしてもその恋人ごと私が殺すからな?」


 「承知しております」



 心配になるわぁ。



 「だいじょうぶです葵様!メア、お手!」


 「はい」


 

 メイド服きた大人の女性が、中学くらいの女子にお手してる…。



 「大丈夫そうね…。食料もあるし、戸締りはなるこがしてくれるし…。じゃあ行ってきます!」


 「いってらっしゃいませ!」



 みんなが一斉にお見送りの声をかけてくれた。




——なるこたち視点———




 「はぁ…葵様…葵様がいない〜」


 「なるこ、さっきからそればっかり言ってるぞ」


 「だって、はぁ…。アイネスもついて行きたかったでしょ?」


 「まぁ、しょうがないんじゃないか?」


 「ついて行きさえすれば…ご主人様はきっと、街を歩きながらこっそりと…周囲にバレぬように私のお尻を触られていたに違いないわ!」


 「…痴漢プレイをされたかっただけか、街でそんな事、葵様がするとは思えんが」


 「そう?私前も、食器洗い中にずっとご主人様にお尻触られてたけど。はぁ、いないって事はそれすらないという事なのね…。」


 「え!葵様って痴漢プレイとかするのか…」


 「アイネスはがっつき過ぎなのよ。ご主人様はせめられるよりせめる方がお好きよ。」


 「んぐ…たしかに、前に葵様の胸を揉もうとしたら避けられたな…。最近は触らせてもらえない。」


 「…何してるのよアイネス」


 「葵様の成長を、この手で確かめたいのだ」


 

———主人公———-



 「うぉ!…今なんかゾワっとした」


 「んー?大丈夫かい葵チャン。まあ風邪とかはひかないだろうけどさ」


 「なに?私の事を馬鹿って言いたい訳?」


 「あっは笑バカは風邪ひかないって?日本のことわざじゃん!なっつ笑」



 私とリアはピオラという街。緑園国ロッカスの街の一つに訪れていた。



 「目的は、食糧の保存の仕方を調べるのと…生活水と…部屋の明かりね。とにかく、街の仕組みを理解なきゃ。

 あ!!私達お金ないじゃん…」


 「あるよ?」


 

 リアがどっさりとお金の入った袋を私に見せてくれた。



 「エ。何でこんなお金あるん?」


 「私ちょくちょく出かけてたじゃん?葵チャン程じゃないけど遠出出来る様になってさ〜。風○いってパコってたんだよね〜」


 「パコ…そんなお金使っていいの?」


 「いいよ余ってるしさぁ。葵チャンとこ住んでるおかげで基本生活費かかんないし、パコってるついでに貰ってる感じだし」



 つっこみたいけど、ここは素直に頂いとこう。



 「てか折角街まで来たし、葵チャンもパコってく?」


 「するわけないでしょ!」


 「えー?経験しとくべきだと思うけどなー」



 あんまり強めにつっこむのはやめとこう…。お金貰ってるし。



 「んで?何買いたいのよ」


 「魔石ってヤツね。私は召喚魔術で何でも出せちゃったりするけど、前世と違うこの世界特有の物は作れなかったりするの。

 少なくとも、召喚魔術ではね。

 でも、この世界ってなんでもかんでもこの魔石を使って生活を便利にさせてるから、私達の村にも欲しいでしょ?」


 「なーるー。物によるけど、葵チャンの欲しそうなもの高そー。これで足りるかなぁ」




 リアの言う通りだった。



 氷魔石(冷蔵庫用) 一個 1G

 光魔石(明かり用) 一個 15S

 炎魔石(調理用)一個1G



 他はともかく、冷蔵庫用の魔石が欲しいのだ。それも結構な量。


 なんせ子供たちが多いからな。翌日分の食料貯蔵でさえ結構な量になる。

 それを保存するとなるとそれはもう…。


 明かりは既に電球と発電は出来るんだが電池が作れていないので蓄電が出来ない…。

 手早く光魔石で済ませたいところ…。


 

 「やっぱお金たんないね葵チャン。

 バーニラッバニラバーニラッバーニラッバニラ高収入…」


 「やめろぉ!」


 

 とりあえず氷魔石と光魔石を何個か買った。アイシア全体に設置するとなると全く足りないが、そもそも魔石がそこまで設置されているのは王宮くらいだ。

 大切に使おう。



 私達は何かと噂される神獣二人組なんだが、私は外見が成長してるし、リアは変装が得意なためか、騒ぎになる様子はない。

 

 だが、声をかけられた。



 「hey そこのネーちゃん 今暇かyou

よければ 俺らとdate しnghit?」


 「いや、暇じゃないですけど」


 

 なんだコイツ、やたら韻を踏んでくる。



 「断られるなんてファッキン!

 だけどめげない mental! メ〜ン?

 俺は粘るぜ thinking! 君はきっと俺にdiving!」


 

 なんだコイツ、勢いに任せたラップ刻みやがって、けど…嫌いじゃないtoday…。



 「おっと、ゴメンね。この子は僕と先約があるのさ。待たせてゴメンね」


 「先約!?そりゃないぜsit!」



 急にとってつけたようなイケメンが私の肩を抱いてきた。

 私にウィンクをした。

 その自信に満ちた表情を歪ませたい。


 

 「ちょちょちょ!ちょっとまちなよ!いい、いやがぅてるだろ!」


 「なんだいキミ、僕たちの邪魔をしないでくれるか?」



 今度はインキャな男の子が絡んできた。

 なんだなんだこの状況。



 「葵チャンばっかりー。ちょっとー。私もいるんですけどー?」


 「そうじゃないでしょリア!逃げるわよ!」


 「え!待ってくれよハニー!!」




 人気(ひとけ)のないところへ逃げ込んだ。



 「何アレ…急に囲まれ出したんだけど」


 「何って、ナンパっしょ?葵チャン未経験なんだからどいつか選んでパコれば良かったじゃ〜ん」


 「するわけないでしょ!!


 前世でナンパなんてやりもしなかったし見たこともないのに、初めて食らったからびびっちゃたわ」


 「んま、葵チャン美少女だからねー。街に出れば声くらいかけられるって〜。


 男とヤル時は私も呼んでっ!葵チャンのヤり顔見たいからさ〜っ!」



 安心しろ。そんな日は来ない。



 だが…そうかそうか、フフフ。

 女の子ばかり求めていて、自分が美形に生まれ変わってる事を最近すっかり忘れていた。

 女の子に散々エロい事をしておいて許されるのは、この美貌あってこそみたいな所あるからな。前世の外観のままだったら現行犯逮捕だ。


 美少女に成れているのに、美少女moveしないのは勿体無いよなぁ?


 リアは美人に生まれ変わって、男と寝まくってるみたいだが、そこまではせずとも美少女ライフを楽しむには…。



 「○癒…?」


 「え…?」



 ゲフンゲフン。今のは忘れてくれ。



 「私も大概にはヤリ○ンな女だけど、葵チャンは別ベクトルで性癖ヤバいよね〜」


 「な、何のことだかサッパリ…」


 「自分に慕ってる女の子のおっぱい必ず揉むじゃん?そりゃ女同士でふざけあって揉む事もあるけどさー。葵チャン、揉み始めたら長いよね…」


 「……」


 

 自分がやってることを言葉にされると恥ずかしい。



 「でも凄いよネー、女同士なのにアイネスチャンとなるこチャン オトしてんじゃん?あの二人完全に葵チャンを色目で見てるしさぁ。

 異性口説くより難易度高いと思うけど、すげーわ〜」



 そんなとこ感心されても。

 女に生まれ変わっても私は男を好きになるとかはなかった。

 やっぱり女の子にエロいことしたいんだ!


 それは前世から引き継いだ悲願だからな。



 「んま、ずっとおっぱい揉んでんのが童貞らしいというか葵チャンらしいというか…笑」


 「なんだとォ!!!!

 オイ!!!ライン越えたな!!!」


 「だって、ずっとおっぱいおっぱいじゃん笑もうそこまでいくと童貞というか赤ちゃんだよね笑。つか、そう考えるとあの2人が葵チャンを色目で見てるのもチートみたいな顔面偏差値のせいか…?」


 「いやいや、○ン○ンないんだぞ!?エッチな事って、おっぱい触るしかないじゃん!」


 「はーっはははは笑」


 「え、何。あ、あそこも触ればいいって事…?」


 「はーこれだから童貞は」


 「やめろ!!!!」


 「ずっとアイネスちゃんのおっぱいにデレデレしながら揉んでんでしょ?よく嫌われないよねー。」


 「ぐ…たしかに…」


 「たまにはさ…そうだ!ついでだしプレゼントでも買ってあげたら?」



 と、なり。


 いろいろ話して、アイネスには「どさんこいぶりがっご」というご当地お土産を…

 と思ったが、「悪ノリでそういうの買おうとすんな」とリアに全力で拒否られ、綺麗な指輪を贈ることとなった。

 結局リアのお金なんだよな。

 今度リアにも何かしてあげないとな。





————そして帰宅。




 「あおいさまぁ!お帰りなさいませ!」



 いの一番に出迎えに来たのはなるこだった。

 やっべ、なるこの分は用意してないんだよな。



 「…こっそり渡しな」



 リアが耳打ちして来る。わかってるって。


 だが、帰ってからずっとお風呂なり着替えなりずっとなるこが側にいるのでなかなかアイネスと2人になれない…。


 仕方ないので食事時になるこがお皿を洗っているタイミングでこっそり。



 「アイネス、これ、お土産!みんなの分は買えそうになかったから。アイネスだけになっちゃったけど、大切にしてね」


 「葵様…!これは…」


 「アイネスって大人って感じだから、こういうアクセが似合うと思って」



 バリーン。



 後ろで皿が割れる音がした。


 なるこの目からは逃れられなかったのだ。



 「葵様…それは…それは…婚約指輪」


 「いやちがぁぁう!!!!」






———-



 とりあえず買ってきた魔石は設置できた。


 食料も日持ちできそうだし。主要な部屋は一気に近代的な明かりが灯った。


 

 …あれから、なるこはぐずっていたが、アイネスは本当に嬉しそうだった。



 「ありがとうリア。エロ云々はともかく、アイネスのああいう表情は新鮮だわ。

 お礼に肩揉みしてあげる!!」


 「え!何!ちょ!ふっ///いやいいって!私の好感度上げに来てどうすんの!ホモ!?前世男同士の新しいBLの形!?いいってぇーーー!!」

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