側近女騎士と側近メイドのケンカ
「まさかこんな事になるとはな…」
「だな」
「だな、じゃないわ!よりにもよって私の部屋に忍び込もうとはいい度胸ね!」
夜遅くに私の部屋に盗賊が入ってきたのだ!
だがしかし、孤児院時代のクロウの夜襲、アイシアでの思春期キッズの来襲により、私の夜の防備は完璧だった。
あっけなく捕まった男二人組。
「あなた達の目的は何?ここには金銭の類はないわよ」
「そりゃ人攫いをしに来たのさ」
「葵様を…?この人達気持ち悪いです葵様〜」
「私も同感よシエラ」
だがどうしたものか、そんな簡単に殺すわけにも行かないし。
かと言ってここに居座らせるつもりもない。
「そうね、いい事を思いついたわ」
思い切り魔力を解き放った。
「!!!!!あああーーーーーーーれぇーーーーーーぇ…………」
キラーン。
超全力で吹き飛ばした。
もしかしたら地図の端から端まで行くかもな。
殺しはしないって思ってたけどどのみち死ぬ…?
見ていた子達は愕然としていた。
だが、人攫いか。
今回は私のところに来たからまだ良かったものの、子供達はさらわれ放題だ。
…と思ったが、事は思わぬ結果をもたらした。
アイネスとなるこが喧嘩をしはじめた、
「貴女の元騎士団長は飾り?ご主人様の部屋に賊が入るなんて…」
「私のせいだと言いたいのか?
それなら戸締りをしてなかったお前の方が悪いんじゃないか?」
「はぁ?戸締りはいつも忘れてないわ。それこそ言い掛かりよ」
「どうだか」
「…主守隊とか言って全く役に立ってないじゃない。やっぱりお遊びね」
「主守隊は関係ないでしょ…」
二人の剣幕がすごいので入っていけなかった。
どう見ても言いがかりをつけてるのはなるこだが。
今回の件は誰も悪くない。
だが、起こってしまった事件に、この二人は過剰に反応してしまった。それが問題なのだ。
喧嘩は楽しい食事時にも…。
「はぁ…。アイネス、サラダにピーマン入れたわね?」
「ピーマンの何が悪いのよ」
「はぁ…。ご主人様の好みも把握してないなら、厨房手伝ってくれなくていいわ。」
「私はなること違って真に葵様を想っているの。短絡的な貴女と違って、私は葵様の身体の健康を願って料理を作ってるわ」
「短絡的?葵様に苦い思いをさせずに栄養バランスを保つことも出来ないのかしら」
「…自分が食べたくないから葵様を言い訳に使ってるだけだろ」
「なんですって…?」
「あああ!!もう!!2人ともうるさい!
楽しい食事が台無しでしょ!」
「葵様!申し訳ありません」
「私は別に…なるこがいつも突っかかるんです…」
「もういい!ちょっと2人とも来なさい」
自室に2人を連れ込んだ。
どう説教したものか。
「あのね、2人とも仲良かったじゃない。どうしてそこまで喧嘩するの?」
「もともと仲良くありません」
「そんな事ないでしょ。どっちが私に処女をくれるかで競いあってた仲でしょ」
「それは…仲がいいからというわけでは」
「私とスキンシップする時もいつも二人一緒だったし」
「抜け駆けが許せないからです」
うーん。仲良いエピソードにならんな。
アイネスとは長い付き合いで、私が初めておっぱいを揉んだ女性だ。
元王都騎士団長で、野営の知識などもあり、今まで何度も頼ってきた仲間だ。
なるこは新しく仲間になったばかりだが、既に給仕に置いて右に出るものはいない。
何より「察する」能力が凄い。
私が何を思っているのかを全て把握しているかのようだ。彼女の給仕力や、果てはアイネスへの嫌がらせさえ、この能力ゆえのものだろう。
二人とも大事なポストで、私のお気に入りおにゃのこなんだ。
仲良くしてくれるに越した事はないんだが…。
「葵様!葵様にとってどちらの方が大切なのですか?」
「そうです、この際、どちらがより好ましいのか明確にしてくだされば、正しい上下関係が生まれますわご主人様」
「え!?私の好みで君らの上下関係つられてたの!?」
いやいや!どちらかとかじゃないじゃん!
二人とも全く良さが違うんだって!
でもそのまま伝えても納得されなさそうだしどうすれば…。
ここは…逆ギレ?
「はぁ…そんな事で小競り合いとは…主守隊の程度が知れるわね」
「!!…葵様」
「さぁこちらにお尻を向けなさい!お仕置きをしてあげるわ」
「はひゅ!? 承知しましたご主人様。どうぞ…\\\」
ん!いやまて!なるこが期待した目で見てるぞ!このままでは、お尻ぺんぺんがご褒美になってしまう。
ここは我慢しないと…くそ!やっちゃいけないと思うと無性に叩きたい…。今何色のパンツ履いてんだろ。
「…だが、私はタタカナイ…」
「そんな、お仕置きは」
煽情的に尻を振るなるこ。
だが、私は、タタカナイ。
くっそ〜。コイツ私の性癖を既に熟知してやがるッ!
このお尻めっちゃ揉みしだきたい。
だが、私は、サワラナイ。
なるこが尻を振る度に短いスカートが揺れてパンツ見えそ…。
だが、ここは、コラエル。
「二人が仲良くしてくれないっていうなら、私は別のお付きをつけるわ。そんなにお尻フリフリしても無駄よ」
「そ、そんな…!でも一体誰が…」
丁度よく入室してくる二人。
しっかりメイド服に着替えている。
「お待たせしました、あお…ご主人様」
「お待たせ致しました。」
「シエラ!それにメア!」
「そう、二人に既に頼んであるわ」
まぁ、主にメアだが。
メアは人間味がなくて、いつもシエラのペットのような立ち位置の女性。元は神獣ゼオヒムだが…。
身体を女に作り替えたのだ。
亡くなった恋人にずっと縛られてたからな。
しかし、ゼオヒムの頃が残酷だったとはいえ、今のメアを見ると可哀想な気持ちになってしまう。
マ、今は関係ないカ!
——-そうして、なることアイネスは葵へのお触りが禁じられた——-
「ぐ…こんな事になったのも、アイネスのせいよ!私はご主人様のご寵愛が欲しいのに…!」
「まだ言ってるのかなるこ。もうフリでもいいから仲良くしてくれ。葵様を触れないなんて耐えられん」
「いやよ!何であなたの言う事を私が聞かないといけない訳?私はご主人様だけのメイドなの!」
「そのご主人様専属メイドがご主人様に接近禁止令を出されている訳だが。」
「ぐ…」
「完璧であるメイドなら、私と仲良くして欲しいという主人の意向に従うべきじゃないのか?」
「それは…。どうすればいいの…」
……
———
ふ〜む。
おっぱいをいくら触ってもメアの表情変わらん…。
おっぱいの弾力は最高だが、反応がないとあんまり…。
「メア〜。私が胸を揉む度に声出してくれない?」
「承知しました
あ…あ…あ…ああ…あ…」
「もっと感情的に!あんっ!て」
「あんあんあん」
笑いそう。
エロい事してる気分になれない。
私にとってエロは、前世の感情を思い出す大切な儀式だというのに…!
「葵様!…私達2人は仲直り致しました!」
アイネスとなるこがドタドタと入ってきた。
手を繋いでいる。
まさかその程度で認可すると?ほう?
「お手々繋いだくらいじゃ信じられないわ。
んー。二人でキスしてみて」
「キ…キス!?」
「やるわよ、なるこ」
「ぐ…ぐぅ…」
お、この反応は。
なるこが抵抗するかと思ったが、嫌々了承した。
二人は可愛いバードキッスを始めた。
「ほほーん?大人のキスってそんなのだったかしら?もっと舌がさ〜」
「!?」
「そんな…え、ちょっとアイネス…やめっ…お!おぅ…おぅぇ…えぅ…うご…ごがが…」
「あれ?なるこはまだアイネスの事嫌いなの?」
「ぐ…ちゅ…ぇろ…お、おぅぇ…ぇろれろ…」
「ふふ、はい!分かりました!本当に仲直りしたみたいで良かったわ!接近禁止令解除って事で!」
「解除って…それだけですか?」
え、何怖い。
二人の様子が変だ。
「ご褒美…ご褒美が欲しいですご主人様…」
「エ?何ご褒美って…え?え、ええ!んむむむーーっむごごごご!!!」
急に二人から抱きつかれて同時に私の口に二人が舌をねじ込んできた。
「ごぇ…ごれ…ぉ…むごぉ…ぇぉ…ぢょ…ぢょまっで!…おぉぅ…ぐぉ…!!!」
その後、私は二人から激しいディープキスをされ続けたのであった…。
人数が増えてきたので少しおさらい
⭐︎アイシア村メンバー⭐︎
・蒼井 葵
主人公。童貞のまま転生してきた為、ハーレムを作る事を決意したが、女体に生まれてしまった。
最近は心も女寄りになっている自分に危機感を感じている。
・アイネス・クロフォード
元王都騎士団長で、死刑執行前に葵に助けて貰った。
家事力はそこそこに、その豊富な知識で野宿や狩に貢献してきた。
・クロウ
葵と同じ孤児院にいた子で、孤児院から唯一葵について来た。
剣の腕が立つ。しょうらいはりっぱなけんしさんになるよ!
・リア
葵と同じ神獣。
エッチが大好きで、外見はギャル。
性病だけで街ひとつ滅したとか。
衣服を作るのが得意。
・シエラ
魔界と呼ばれる土地出身。
当時のゼオヒムに虐げられており、アイシアに逃げて来た。
・メア
元ゼオヒム。
全能感に溢れた葵に負けた後、全身魔改造、女にされてしまった。
名前の由来は彼の恋人メアリから
・なるこ
お隣の国、ロッカスから頂いたメイドさん。
嫌悪感丸出しだったが、病を治してもらって以降葵にだけ懐いた。
家事全般が優秀。
葵の心を察する能力も抜群。
葵の事は必ず「ご主人様」とよぶ。




