新しい世界
「あぁ…死んだのか」
静寂とした中、自分の死を実感した。
次があるのだろうか?生まれ変われるなら、次は絶対恋人を…いや、そんなんじゃない。もっと大量にだ!大量に愛人を作るぞ!絶対…絶対だ!毎日代わる代わる自分に支えさせるのだ!
自分が動いているのか、止まっているのかすらわからない。ひたすらに静寂を感じさせられる中、俺はムラムラしていた。
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俺は…私になっていた。
この世界に来てすぐ、自分にお○ん○んがない事に気がついた。何という事だ…
そしてもう一つ大事なことがある。いや、人によってはこちらの方が重大と思うだろうが、
自分の出生がわからないのだ。
今は薄暗い洞窟に居るのだが、両親らしいものはいない、というより、自分の体つきは4〜5歳くらいだ。おっと、幼女の体はこんなふうになってるのか…ロリコンではないが自分の体で興奮してしまう。
だが今じゃない、一通り自分の体を触った後、とりあえず近くにあった布で体を覆った。
布があるということは人がいるのか?この洞窟は人がいた形跡がある。危ないかもしれないが出口を探すとするか…。
「た…助けて…」
出口を探し始めてすぐ、人間を見つけた。
年齢は小学生くらいだろうか、長く青い髪に透き通った青い瞳、前世ではみたこともない可愛らしい女の子が、触手のような蔓に絡まっていた。
ほどき方もわからないので、とりあえず引っ張ろうと蔓のひとつに触ると、蔓は勝手にスルスルと地面へ消えていった。
自分が最初いた場所に戻って彼女に話を聞く事にした。
おどおどしてはいるが、聞くと彼女は何でも答えてくれた。
彼女は名を華咲 詩織というらしい。8才だ。最近に両親を殺され、自分は誘拐されたそうなのだが、途中に抜け出し、追手から逃げるように洞窟の奥へ行くうちに蔓に捕まったそうだ。
この世界は治安が悪いのか?
日本語も通じるし、日本人の名前なのでここは日本かとも思ったが違うようだ。あんな植物見たことないしな。
詩織は泣き疲れているのか、淡々と両親の不幸を話した。
さて、どうしたものか。
異世界にこれたっぽくてテンションが上がっていたが、思っていた以上に治安が悪そうだ。何より、状況が全く理解できない。とにかく洞窟の外を確認しなければ。
「外に出たいんだけど、出口がどっちかわかる?」
「わかる…けど。まだ外は…」
こんな状況にも関わらず涙ぐみながらうずくまる詩織は可愛らしいものだと思ってしまった。
大丈夫、と頭を撫でてやると自分よりひと回り小さい私に抱きついてきた。不思議な絵面だ。
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洞窟の出口へとたどり着いた。と言っても周りはまだ木々で覆われていて、これといって異世界という感じはしない。
「詩織はこれからどうするの?」
「…わかんない」
8才ならそんなもんか、異世界に来たばかりで私も助けを乞いたいところだが…。
「一緒に来る?」
「…うん」
声は小さかったが詩織は大きく頷いた。可愛い。よし、この子はこの世界での俺の愛人へと育てるぞ!俺に邪悪な心が芽生えた。
「あなたのなまえは…?」
あ、自分の名前か、失念していた。でも前世の本名はいやだな、男だったし。
「葵って呼んでくれたらいいよ」
「あおい…うん」
適当に作ってみた。女の子の名前がパッと浮かばなかったのでお気に入りのギャルゲヒロインの名前にした。もし苗字を聞かれることがあったらまたその時考えよう。
さて、この世界に来て早速幼女が仲間になったわけだが、自分も幼女になってるし、周りは洞窟に森、この場合どうやって生き抜けばいいんだ?
近くに村…いや、行ってどうにかなるのか?幼女だぞ?か弱い幼女が二人だぞ?話を聞いた限りでは誘拐されるのがオチでは?じゃあここでサバイバル…?だとすれば獰猛な動物に襲われるのがオチだろうか。人に襲われるよりかはマシか?わからん。しかし、こんな可愛い幼女二人が人に襲われればきっとエッチな目に合うに違いない。エッチなことは好きだが、詩織にエッチなことをしていいのは自分だけだ。さっきそうきめた。
「よし、この森で生活で来るように衣食住を整えよう!」
「…(コクコク)」
手分けして…は無理か、さっきから詩織が小さい私の腕にしがみ付いてて離れない。可愛い。
だが流石に邪魔なので振り解くのだが、詩織は必ず私の何処かに触れている。邪魔にならない程度に好きにさせておいてあげよう。
サバイバル動画は前世でまぁまぁ見ていた。と…とりあえず水と食料を準備すればいいんだろ?たぶん。
あー、だめだ。○グらないとだめだ。ネットがないと不便だ。前世でもっとサバイバル知識でもみにつけておくんだったな。
葵 5才?
装備:ボロボロな布切れ
華咲 詩織 8才
装備:青いタータンチェックな服