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決戦?神獣ゼオヒム


 

 アイネス視点————-


 シコシッコ君の件もあり、私は夜になると葵様の様子が気になって眠れない。


 どうせ眠れないので葵様の部屋近くに椅子を構えて見張ることにした。


 しばらくすると、部屋から葵様本人が出て来た。

 過保護だ、と一喝されるかと思ったが何も言われない。寝ぼけているご様子。


 「葵様、どうされました?」


 「…といれ」


 「ではご一緒します」


 そう言って手を差し出すと、葵様は自然に手を乗せて下さった。許されたぞ。

 葵様をトイレまでエスコートするのだ。


 トイレ前まで来ると、眠たそうに大きなあくびを一つついて入られた。流石に中までついていく事は出来なかったか。

 だがしかし、扉越しに葵様のお小水の溢れる音が聞こえる…。なんと美しい音色だろうか。

 一通り奏で終えた葵様は、すっかりいつもの表情に戻られて出てこられた。


 「…なにやってるのアイネス」



——-主人公視点———



 最近性欲が減ってきたと思う。


 この世界に来る前は童貞で、異世界ハーレムを実現させると意気込んでいたのに。

 女体化したせいか、女慣れしたのか分からないが気持ちが薄れてきた。


 忘れるな。あの頃の思いを…!


 もっともっと女を集めるのだ!貪欲になれ!


 だが最近、アイネスは私にべっとりだ。

 これは望んでいたはずの展開だ。


 おっぱいをもとめれば生乳が触れる。

 キスし放題、お風呂も一緒に入れる。

 それだけではない、給仕も献身的にしてくれるのだ。


 だが何故だろうか、私は彼女が怖い。

 

 この前なんて気付いたら私がトイレしてる時に扉に立ってた。なんか、私よりアイネスの方が、性的な目をしている気がする。


 近々襲われるんじゃないだろうか…。


 何にせよ、今のところ大人の女性はアイネスだけだ。理想のハーレムには程遠い。


 たとえこの身が女にされど、私はこの世界でハーレムを作るのだ!!




 そんな目的を掲げていなければ、泣き崩れそうになる。実際、仲間達が居なければ確実にそうなっただろう。


 この世界に来て、もう4年は経つだろうか、最初は楽しい夢を見ているような感覚だったが、時間が経つにつれ、もうあの世界には戻れないのだと実感した。

 これだけチート能力があっても、前世は恋しくなるものだな。案外、あの頃の生活は満たされていたのかもしれない。


 

 感傷に浸っていると、侵入者感知システム(簡易)君が反応した。リアとの魔術特訓中に拠点周りに設置したのだ。

 これは、私やリアのような体内魔力がバケモノ級の奴にしか反応しない。

 つまり、アイツが来た。


 さっきの前世回想は不味かったな。まるで死亡フラグだ。


 リアも気づいた様子、こんな昼間から来るとは、夜襲なんてするまでもないと?


 私はクロウとシエラに指揮をとらせ、反応のあった方向と真逆に退避するよう命じた。


 クロウは何か言いたげだったが、目で説き伏せた。


 アイネスは昼は食料の調達でいない。子供達を先導できる大人がいないが、クロウ達なら大丈夫だろう。


 私とリアは反応のあった場所、ゼオヒムがいるであろう方角へ向かった。



 

 ゼオヒムはそこに居た。

 感情の読めない表情をしている。



 そして、彼の前に血に塗れたアイネスが倒れていた。




 横でリアが叫んでいる。


 声は聞こえるが、頭に入ってこない。


 私は真っ直ぐ、ゼオヒムに向かって歩き出した。彼の口が動いている。何かを話しているが、もはや聞き取れない。


 彼の魔術が、私の体を切りつけた。


 だが、痛みを感じない。


 私は、歩みを止めない。


 こいつを、殺してやりたい。



 十分な近さまで寄ると、彼の首目がけて飛びついて、両手で思い切り締め上げた。


 初めて、彼の表情に感情が篭った。苦痛に顔をしかめている。

 口元が動いている。声は届いているが、今の私には言葉を理解できない。

 締め上げる。締め上げる。



 「あおい…さま…」


 後ろからアイネスの声が聞こえた。


 私は持っていた彼の首を地面に叩きつけ、アイネスに駆け寄った。

 そうだ、私が触れればいいんだ。


 「アイネス!アイネス!」


 「だいじょうぶ…生きてますよ…あおいさま…」


 「アイネス…アイネス…」


 「あおいちゃん!だめ!!!」


 リアの断末魔とともに、私の右腕が吹き飛んだ。


 ゼオヒムが立ち上がり、刀を構えていた。


 だが、私の体から血は吹き出さなかった。


 もはや痛みは感じない。

 むしろ、私には全能感があった。魔力を身で感じる。


 『触れずとも触れる』


 ゼオヒムの両腕を捻り曲げた。

 彼はその苦痛に叫び声をあげた。

 両足もまた捻り上げた。

 また叫んだ。


 「お前を殺す」


 そう吐き捨てると、彼は苦痛に涙しながらも、にこりと笑った。


 それがキモくてたまらなかった。


 殺すと言って笑うなら。殺さん。


 死なないように苦痛を味あわせる。終わらない拷問のような事を半日やり続けた。


 


———————



 そしてやっと私の冷静さは戻ってきた。

 ちなみに腕は即再生した。


 風魔術が発達したのか、離れているものに強力な力を加えれるようになった。

 変わり果てたゼオヒムが私の前に宙を浮いている。死んでいない。


 「なんで大量虐殺をしたの?」


 私は会話する事にした。今なら答えるだろうか。


 「契約…した…」


 「誰と?何の?」


 「悪魔と…メアリを生き返らせる代わりに、人を100万人殺せと」


 「そんなバカな話信じたの?」


 つい魔術に力が入る。


 「うぐっ…し、信じた…。俺にとっては、彼女が全てだったから…何人も、何人も殺して、町を一つ滅ぼした。それでも数万程度…。人を殺すたび、自分でも、人としての心がなくなっていくのが分かった。だが、もはや引く事は出来ない。俺はもう、お前に殺されたい。」


 「殺してもらえると思うな!!」


 「うぐぁっ!!」


 「あなた、魔界にいたのは何故?」


 「魔界の住民を占拠して…数を調整しながら子を殺していた。」


 つくづく最低な奴だ。

 だが、いい事を思いついたぞ。


 「そんな悪事をしてまで、蘇らせたい女がいるなんて、そんなにそいつとヤったのが忘れられないわけ?」


 「ふ、お前、見かけの割に結構な言葉を使うんだな」


 返答の代わりに締め上げた。


 「そうねぇ。ふふ、じゃあお前、『女になれ』」


 「!!!何をっ!うぐっ!ああぁあ!!!」


 今の全能感なら、何でも出来そうだ。シエラの家族を奪ったこいつを、アイネスを痛めつけたこいつを、ぐちゃぐちゃにして、女なんて抱けない身体にしてやる!


 

 そうしてさらに半日、ゼオヒムは叫び続けた。


 


————-



 ゼオヒムだったものが、倒れ込んでいる。すっかり女体化した。ついでに私の魔力を練り込んでいる。絶対服従させる。


 「あなたはこれからはメアよ。私の下僕以下の存在。」


 「…承知しました葵様」


 「名前を呼ぶな!それすら貴女には許さない。ご主人様とでも呼んでなさい」


 「承知しましたご主人様」


 「よく言えたわね」


 そう言って彼女の頭を踏みつけた。


 調教?完了した。


 私の魔力が練り込まれたこいつは、もはやゼオヒムとしての心が残っているかもわからない。私の傀儡と化した。


 アイネスは無事だが部屋で安静にさせている。

 そして、リアが退避していた子供達を連れて帰ってきた。



 「シエラ、もう大丈夫よ。ゼオヒムはこの通り無力化したわ。」


 よく理解できていない様子だったが、事を話すと急に怯え出した。


 「もう大丈夫よ。メア、シエラに今までの事を謝罪しなさい。」


 「申し訳ありません」


 メアは淡白に頭を下げた。こんなんで許されるわけもないが。


 「で、でも…」


 「ふむ、メア。シエラの脇を舐めろ」


 「えぇ!葵様なんで!?」


 「承知しました」


 「ひいぃっ!やめてぁ…あっ///」


 「メア、これからはシエラの言う事にも従いなさい」


 「承知しました」


 

 脇を舐めさせる事でなんやかんやで誤魔化した。

 とりあえず安心。


 したらぶっ倒れた。




————————




 気付いたら見慣れた部屋にいた。それも20年生きた方の。


 勉強机の上には、ゴツいPCが置かれていた。


 これは夢だ。

 そう気付いたが目覚めなかった。

 よく出来た夢。


 まぁ、目が覚めないんだったら久しぶりにPCでもつけるか、と思ったが。電源をいれてもファンが回り出す音がするだけで画面には何も映らない。


 リビングに来ても誰もいなかった。

 

 暇だなー。外に出ようかとも思ったが、何かと怠い。夢で暇なんて初めてだ。


 ベッドで横になった。


 しばらくすると、何かにホールドされる様な感覚になった。動けない。

 びっくりして声を出そうとしたが口が動かなかった。



 

 そこで目が覚めた。


 覚めるとアイネスが私に抱きついていた。寝ぼけているのか、私はアイネスと添い寝させられてるんだが。

 とりあえず、「あっち」が夢で良かった。


 ていうか身体重ぉ…。


 流石に魔力を使いすぎたのかも知れない。


 とりあえず、アイネスに布団をかけ直してやるか、どんな寝相してるんだコイツは。



 あれ?アイネス、ちっさくね?

 ん?んん?


 なんか下がやけにスースーするんだけど。

 見ると私は下を履いてなくて、下着丸見えだった。

 いや、倒れる前はワンピ着ていた様な。

 誰だよ脱がした奴!

 と、思って上を触ると、ぱっつんぱっつんになったワンピがあった。着てたわ。

 と、と、いうか、おっぱい。



 「ぎゃーーーーーー!!」


 

 

———



ドタドタと家を走る音とともにリアやらクロウやらみんなが駆けつけてきた。


 「目が覚めたん葵チャン…え?誰ェ!?」


 「あ、葵様!?そのお姿は、おっ///」


 「でぇ…出てけぇ!!クロウ!!男どもは出て行けぇ!!!」


 男は即刻締め出した。


 「葵チャンどうなってんのそれさぁ。急におっぱいじゃん。あ、いや、急に成長したじゃん。」


 「分かんないよ、目が覚めたらこんなんなってて。」


 「あー、ていうか服持ってくるわ。ん?ここならアイネスの着替えがあるか…ん〜。これ着てみな」


 「これ…ブラ…」


 「そりゃつけるっしょ」


 下着を持つと、ぼよん、と広がった。アイネスのおっぱいでかくね?舐めてたわ。


 「つけてみたけど、やっぱり大きいよコレ」


 「どれ…ああ〜これだとちょっとガバいね〜」


 「んんん…何してるんですかお二人、え、葵様…?」


 「ア!アイ!…っは!違うのこれは!別に貴女の下着で遊んでたとかそういうのじゃ…」


 「私の…私の…」


 「私の…?」


 「私の可愛い葵様がッ!こんなにおぉ大きくうう”ぁ!!!」


 そういいながらアイネスは私の胸に飛びかかってきた!


 「や、やめてアイネスぅ!」


 「いいじゃないですか、葵様は私の胸をあんなによくまさぐられていたではないですかぁ」


 「うぐっ、それは…」


 「はいはい、二人ともいちゃつくのはいいけど、アイネスちゃんちょっとどいてね〜。葵チャンのサイズ測るよ〜」


 そういうと、リアは手際良く採寸した。


 「んま、ブラはサイズピッタリの奴作ってあげるから待ってな。私、ブラ造りに情熱かけてるんで」


 

 数分経って彼女が作ったブラを持ってきた。マジで仕事速いな。数分で込める情熱って何?


 「ってぇ!このブラ乳首隠れてないやん!!生地もスッケスケだし!!」


 「あ…葵様、そんなに大声で乳首だなんて…せめて『トップ』と…」


 リアは爆笑している…。


 「まぁ、でもいいわ。折角作ってくれたんだもの。大切にする。」


 「えぇ!いや、まぁ…。分かったわよ!すぐに普通の作ってあげるから!」



 そうしてその後、リアは至ってシンプルな下着を作ってくれた。私の好みが把握されてるみたいで怖い。


 この娼婦な下着はどうしたものか…。




———


 私は一晩寝込んでいたそうな。

 アイネスは2〜3日。


 他の衣服はまだ作るのに時間がかかるそうなので、アイネスの服(学校シリーズ、教師ver)(リアの趣味、未使用)を借りて出た。


 そうだよ、メアはどうなった?

 まさかここで暴れたりしてないだろうな。


 探し回っていると、外でシエラの声が聞こえてきた。


 「メア、お座り、お手!」


 「はい」


 ペットか!

 これで罪滅ぼしにもならんとは思うけど、まぁ楽しそうで良かった。


 「シ〜エラ!何してるの?」


 「はい、葵様。いまメアがちゃんと…え!葵様!?」


 またメアにも説明することとなった。


 「何というか…元々綺麗だったのに、すっごい、大人の人!って感じで、シコシッコ君とかが何しでかすか怖いです」


 「あ〜、そうね…。」


 ナルシスト入ってるかも知れないが、結構美人だからな。ここの男の子全員私で精通しましたとかあり得そうだな。面白いとは思うけど、女性陣には大顰蹙ものだな…。


 「大人っていっても、まだ高校生くらいの外見だとは思うけど」


 「こうこうせい?」


 あー。ここじゃそういう言葉では言わないのか。


 そういえばリアは学校ものの衣服を作ってたよな。

 ゼオヒムっていう当面の危機は回避されたんだ。そこら辺も今後は力を入れていけると良いな。






 そして、女性陣からの提案により、わたしの部屋にだけ内鍵がつけられることとなった。

書き殴り〜りりり〜

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