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魔界の住民と居候


 はぁ〜アイネスぅ。


 常にアイネスに触れながら生きたい。

 移動する時は抱っこして欲しい。

 抱っこされてたら自然に胸触れるし。

 大きくなったら抱っこしてもらえないし。


 みたいな事を膝枕してもらいながら考えてたらクロウが傷だらけの女の子を拾ってきた。




 「葵様、この子を助けてはいただけないでしょうか」



 森の散策中に見つけたんだと。あのクロウが人助けとは…成長したねぇ。


 見たところ、肌はグレーで耳とんがってる。髪は小麦色で長い。

 エルフか?知識がないから分からん。



 「離せ…お前たちの助けなど…いらない…」



 う〜ん。


 クロウと同じくらいの歳に見える。

 青春だねえ。すぐ治してやろうと思ったがアイネスが口を挟んだ。



 「だそうだ、そいつを捨ててこい」


 アイネス冷徹!!


 「お前には聞いてない!葵様に聞いてるんだ!」


 「葵様、私は反対です。この者は魔界の人間。良からぬことに巻き込まれるかと」


 「アイネス、貴女は私が魔界の者に遅れをとるとでも思っているのかしら」


 「!!! 失礼致しました。」


 「葵様…ありがとうございます!」



 なんてね。魔界とか初めて聞いたわ。あーこわ。

 でもこのままにしておくわけにもいくまい?



 「私は…助けて欲しくなんて…」


 「嫌なら治ったあとに勝手に出ていきなさい」



 魔界の子の身体をさする。


 治りはするが、範囲が広いので抱きついた。


 「うぎゃ!」


 「我慢しな!」


 「や、やめ、ううぅ…」



 照れくさそう。




 治ってすぐにフンっとそっぽを向いて森へ帰っていった。




 が、しばらくして近くに帰ってきた。

 家からの絶妙な距離感にいる彼女に、クロウは果敢に話しかけていった。

 



 「良かったのですか葵様、面倒ごとに巻き込まれますよ?」


 「いいよ、慣れてるし」


 「お人好しですね、そういうとこ、好きですけど」


 「なに〜?告白〜?」



 ほっぺたをつねられた。

 まぁまぁ力が入っていた。


 


 まぁ魔界とか分からんし、知らんのに関わるのは危険だとは思うけど、しょうがないじゃあないか。可愛いもの。



 そういえばこの世界で自分のハーレムを作るんだった。

 アイネスが優秀過ぎて失念していた。

 拠点がもうちょっと落ち着いてきたらハーレム計画、着手しようじゃあないか。




 結局、彼女の名前すらわからない。


 あれから何日か経ったが、相変わらずクロウは彼女にアプローチしている。優しいのか下心か。


 アイネスはあの子が気に入らないらしい。クロウとも仲悪そうだしな。

 小姑みたいで心配だ。




  



 最近はめっきり、居住の改良に勤しんでいる。


 飯はアイネスがなんとかしてくれるし。

 とりあえずトイレを水洗にしたいのだ。


 ぼっとんでも、私が使えば取り替えなくていい程浄化されるが、私が使わなければならないのだ。


 私だけなら排泄物がもはや排泄物でない。

 垂れ流してもいいくらいなのにだ。

 垂れ流さないけど。


 既に設置できた蛇口を元に色々試行錯誤する。それっぽいものはできるし、水はとりあえず流れるんだが、うんちが流れるかは分からない。

 私はうんちしないからな。




 「と、言うことでアイネス。うんちしてみてくれない?」


 「何が、と言うことでですか!」


 「でも、ぶっつけ本番でつまらされてもだし」


 「というか私催してませんっ!」



 ほー、ここまで嫌がるものなのか。最近は何でもいう事を聞くアイネスだったから、新鮮。

 まぁ出ないものは仕方ない。



 「クロウー?いるー?」


 「は…はい すぐ向かいます」



 大声で呼ぶと外から声が聞こえた。



 「何でしょうか」


 「うんちして」


 「はぁ!? …一体何を」


 「ちゃんと流れるか試したいのよ」


 「そんな…急に言われても…」



 まぁ嫌か。ちゃんと流れるだろうけど、実用してみて欲しかったな。

 魔術を使ったとはいえ、自分で作ったものが用途通りに機能する瞬間を見たかったんだが。

 

 っていうのは建前で、本当は嫌がってる所見たかっただけ。


 最近なんでも言う事聞く彼等から私は「NO」を引き出したかったのだ。

 

 世は満足じゃ。


 クロウの後をつけていたのか、治癒してやった魔界の子が冷たい目で私を見ていた。




 


 のどかな昼下り、部屋で一人、蛇口の作りをいじっていると、ドアをノックする音が聞こえた。

 別に個室じゃないんだから開けて入ればいいのに。

 と、思っていたが来ていたのは見知らぬ人物だった。




 「ちゃっすー」


 「…こんにちは」



 見た目チャラいjkみたいな奴が来た。ノリもチャラい。



 「君が葵チャンでしょ?私わかるよウン」


 「あの、あなたは?」


 「私は りあ って名乗ってんの。」


 「はぁ…」


 「葵チャン神獣なんでしょ?会いに来たのね。ウチら仲間やん?みたいな?」



 そういうと図々しく部屋の椅子に座った。



 「葵チャン、転生した系?」



 急な言葉に、息をのんだ。

 分かるのか?彼女は私が。


 言葉を詰まらせていると彼女は続けた。


 「私は転生した系なんだよね〜。…ここだけの話。前世じゃ男だった。」



 転生者なのか!しかも私と全く同じ境遇じゃないか。



 「いや〜マジ興奮したよね。女の体って最高。○。○○するとチョー気持ち良くてさぁ。いろんな場所でヤリまくってたら「神獣」とか言われて嫌われてんだよね〜」



 「なんていう…ちょっとまって!あなた神獣なの!?」


 「へ?そうだけど?」



 転生者で神獣。このギャルに親近感しか湧かなくなった。


 私は自分が転生者、神獣である事と今までの経緯を話した。




 話終わった頃にアイネス達が帰ってきた。


 「き、貴様は神獣リア!数多の街を病で満たした女!!」


 「何よキミ、ちょっと性病もらっちゃっただけジャン。しょうがなくない?」


 こいつ性病だけで神獣扱いされてるのか?相当だな。

 まぁ私も測定されただけだしけっこうがばいのかも。


 性病か…。



 「アイネス達は席を外してくれない?リアと話があるわ」


 そう言ってリアだけ残した。


 「リア、私あなたの性病治せるかも」


 「まじ?葵って治癒術つかえんの?凄いじゃん」


 「治癒術は使えないわ」



 そう言ってリアのスカートをめくり上げた。



 「え?どゆこと?ちょ! 葵チャンそんな急に大胆…んあっ/// 何して…あぁっ///凄いそれ…きもちぃ…あっあっあっ…イクーーーーッ!」


 「イクな。治療してるだけよ」



 治癒術は使えないが私の体に治癒力はある。触れてれば治るのだ。


 という事で私は指を突っ込んだ。治癒の反応があったので案の定性病は治っただろう。


 「すっごい…。葵チャンの手○○しゅわしゅわでチョー気持ち良かったんですけど」


 「手○○言うな」



 「…ところでさ、性病も治ったって事で、クロウ君抱かせてくんない?」


 「はぁ!?」


 「ねぇいいじゃん〜。ああいうツンケンしてる童○大好きなんですけど〜」



 何という腐れ○ッチ!

 これは性病治してやった意味ないかも、どうせまたどっかで貰ってくるだろ。


 

 「だめだめ、クロウは今絶賛アオハル中なんだから」


 「アオハルって…

 でもいいな〜葵ちゃん、自分の部下みたいなんいるじゃん?

 私ってばヤリモクの○フレしかいないんだよね〜。 あぁ、でもそいつらも性病でどうなってるかも分からんかも」



 なんか神獣の印象が悪くなってるのこいつのせいな気がしてきた…。



 少しの沈黙の後、リアの表情は急に真面目になった。



 「この世界の 神獣 と呼ばれている類は恐らく転生者よ。

 私はこんな感じだけど、転生者の中には非人道的な事を繰り返してる奴もいる。」


 「り…りあ?」


 「んで、今一番ヤバいのが 魔界の神獣ゼオヒム」


 「魔界…!」


 「昔からいる私達の先輩神獣なんだけど、最近になって魔界の住民の大量虐殺を行っているわ」


 「なんでそんな事を」


 「知らないわよ、でも神獣なんて無条件で絶大な魔力を宿した人間、その力で好き勝手やるやつが多いのよ」



 現に目の前にいるしな。性病を蔓延させた元凶が。



 「葵ちゃんは神獣で強いかもだけど。魔界のあいつには手を出さない方がいいわ」


 「手なんて出すわけないじゃん(笑」


 「出すわけないって…ここ魔界の入り口近くよ?こんな所に拠点置いて、攻め込むようにしか見えないんだけど」


 「え"」


 「まぁ明確な入り口がある訳ではないんだけどさ」


 「ちょちょっちょっちょっちょっちょっちょちょとまって!…ここってどこ?」


 「何処って…『最果ての森』でしょ?

というか今のネタ、前世の8.7秒キャノン砲じゃん笑 うける笑」



 ここマジで最果ての森なのか…どんだけ飛んだんだわたし…。



 「葵ちゃん程じゃないけど私も風魔術で飛べるんだよ〜ん。近くの村でパコってたら話聞いたから会いに来たって訳。

 てか王都からここまで半日で着くとかヤバすぎ笑笑」



 こいつはまた下品な話を…私が聞きたい情報文の短い合間に的確に下ネタぶちこむのやめろ。



 「で、マジな話さぁ。私と手ぇ組んで欲しいってワケ」


 「えぇ?何でそうなるの?」


 「神獣は力ヤバイしこの世界で好き勝手出来るのは本当だけど、神獣同士は話が別よ。他の神獣ともしやりあったらただじゃ済まない。

 んで、その前にお仲間づくりって訳よ。

 

 葵ちゃんはこの世界の住民を殺すわけでもなく、むしろ慕われてるくらいだから、信用に値するって思ったのね私」



 「なるほどね、でも私からすれば、あなたは性病で街を滅ぼすくらいのヤバイやつで信頼ならんのんですが?」


 「それは大袈裟だってぇ、ヤリまくったのはマジだけど滅ぼしてはないってぇ。それに、葵ちゃんに手○○して貰えば治るじゃ〜ん?よくない?」


 「手○○いうな!」



 こいつはイチイチ下品だが、言ってる事は一理ある。悪い話ではない。



 「分かったわ。あなたと組む。ただし、私の配下に手出しはしない事、いいね?」


 「え〜ん?クロウちゃん抱きたかったのにぃん」




 そうして私は神獣リアと仲間になった。


 というか家の居候となった…。

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