大学1年生 春 ~1~
大学1年生 入学
僕は東雲優18歳。
高校を卒業して今日から大学生。
高校までは野球三昧で恋愛なんて無縁だし、人見知りという事もあって野球部以外に友達もいなかった。
告白されて1度付き合った事はあるけど、付き合うってどうしたらいいか分からないし野球で忙しかったし、野球部の仲間と遊ぶことの方が楽しかったから、1ヶ月くらいで別れた。
だから、大学ではそれなりに恋愛がしたいなぁと思って最初が肝心だと思い最初の登校日を迎えた。
入学式で隣の男子が声をかけてきた。
「なあなあ、何学部なん?」
僕は恐る恐る答えた。
「あっ、えーっと、生命科学部…です。」
「まじ!? じゃあ一緒じゃん!これから宜しく!」
「あっ、はい、よろしく…お願いいたします。」
「あっはは!硬いってタメでいいよ!俺は赤羽優也。1年浪人してるから歳は1個上だけどフラットにいこう!」
人見知りの僕からしたらいきなり話しかけるのはやめて欲しかった。野球部だったとはいえ、あまりはしゃぐ方ではなかったから、こういう感じの人は苦手…。
でも大学デビューするには最初が肝心…。
「そうなんだ、うんよろしく!、東雲優です。」
この出会いがきっかけで、僕は少しずつ変わっていく。
その後学部に別れての説明会で、優也は色んな人と話してた。流石だなぁーと思い、前から回ってきたプリントを後ろに回そうと振り返ると、そこには髪が長く、小さな顔をしたとても綺麗な人が座っていた。
「ありがとう…」
少し素っ気なかったけど、僕の心は十分に奪われた。可愛いと言うより綺麗で大人っぽい人だなぁと思った。僕は思わず話しかけてしまった。
「あっ、えと初めまして、東雲優です。18歳です。よろしく…お願いいたします。」
「どうも、渋谷茜です。大学生1年だと18歳しかいないんじゃないの?」
「あっ、いや、あそこの赤羽くんは1年浪人したんだって。だから、19歳らしい。」
「え!?まじ!? 他にもいるかなぁ? あぁ、これからよろしくね…」
どうやら渋谷さんは年上が好きらしい、僕の恋は終わったと思った。
「どーだろ?いた方がいいの?」
「いや、面白いじゃん?まぁ、私は同い年の人の方がいいけどね!」
「そうなんだ、僕も同い年の方が話しやすいかな。」
「だよねー、やっぱ友達も恋愛も同い年だよ!よろしくねしののん!」
やった!同い年の僕ならまだチャンスが……え?
「うん、よろし……え?、しののん?」
「うん!しののん!私のことは「しぶやん」って呼んでね!笑」
「えっ、うん分かった!よろしく!しぶやん。」
人見知りの僕にとっては今日はとてつもない速さで人間関係が進んだ気がした。そして後ろのしぶやんに恋をしたし、いきなりあだ名で呼ぶことはなんだか恥ずかしくも嬉しくもあった。
大学初日は最高のスタートになった。
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