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第2話 少年の旅

  ――翌日


  俺は朝から親父の元へ行った。

 親父はリビングにあるイスに座り、朝食を取っていたようだ。

 テーブルには見慣れた玉子焼きがあり、美味しそうな匂いがする。


「おー恵人。朝飯食ってけよ」


「うん……いただきます」


  イスに座り、ご飯の上に乗せられた玉子焼きを食べる。塩っぱさもあって、飽きない味だ。


  朝食を全て食べ終え、親父に言いたかったことを伝える。


「親父、俺はもう16歳、旅に出れる歳だ」


 すると、親父は固まり、目を丸くした。


「お前まさか……」


  親父は焦っている。それもそうだろう、昨日は静かに暮らそうと言っていたのだから。


「恵人……俺が止めても無駄だって事はわかる。昔から頑固だからな……だがこれだけは守ってくれ」


  てっきり止められるのかと思ったが、俺の事をよくわかっていたようだ。

 話が早くて助かるな……。心の中でそう思った。

  そして親父の顔が真剣な顔付きになった。


「死ぬんじゃないぞ……」


 その言葉を最後に、俺は旅の準備をし、家を出た。

 親父は見えなくなるまで見送ってくれた。


  俺は集落が山の奥にあった為、山から一度も出たことはなかった。

  親父が昔使っていた剣を腰にかけ、山から降りる。


  俺の目的はお母さんを殺した奴ら――全知者という者達に罪の無い人を殺すのを止めてもらう。

  だが何処にいるかは分からない。


  親父から少し前に聞いた話では、そう遠くない所に王国があるそうだ。

 名前はソードライン王国。

 そこに全知者の情報があるかもしれない。


  まずは俺の実力がどこまで通用するか試してみなくてはならない。

 抜かりなく毎日特訓をしていたから弱い訳では無いだろう。

 俺の集落は先祖代々から剣を扱うのが得意なのだ。

 なのに全知者という奴らに負けてしまったのだが……どれ程の強者なのだろうか。


  数時間かけて俺は王国に着いた。

 王国は城壁に囲まれており、入口には全身銀色の鎧を着た門番がいた。


「お前、何者だ」


  圧がすごい門番で、緊張する……。


「山の集落の者です。旅を始めました」


 少し震えていた唇で何とか喋れた。


「山の集落?ああ、剣の民族か、許可しよう」


 ん? 門番緩すぎないか? もっと色々聞かれると思ったのだが、もしかしたら親父が事前に連絡してくれていたのだろうか。緩い門番のイメージが緊張感を無くしてくれた。


  王国の中に入った俺は、集落とは別の世界が広がっていた事に驚きを隠せなかった。

 人数は多く、川が近くに無いのに、水道が通っているのだ。

 俺の集落は川から水を汲んでいたのに……。

 それに、商店も沢山並んでいる。建物がいっぱいあった。


 王国は便利な所だろう。これなら食べ物に困ることは無い。長居するつもりもないし、お金も足りるだろう。


  ふと、掲示板が目に入った。

 見てみると、一枚のチラシに闘技場のことが書かれていた。


「丁度いい、俺の実力がどこまで通用するか試せる!」


  俺はワクワクしながら早足で闘技場へと向かった。



 


いかがでしたか?

楽しんで読んでくれたら幸いです。

誤字、脱字、アドバイスなど気軽に言ってください!

それでは、皆様が楽しめる作品目指してこれからも頑張ります!

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