第14話 紅い花
恵人達と全知者の幹部、フレミアとの戦い。エレナを待ち、強烈な炎の斬撃の連続に耐えていた。
キンッ!と鉄と鉄がぶつかり合う音が鳴り響く。
「アンタら二人がかりでこんなもんかよ」
余裕そうな表情で俺ら二人を相手にしていた。行動が見切られ、力も劣る。
相手は魔法も使うし、周りに物が無いのも厳しい。
「つまんねぇな」
剣に纏っていた炎が大きくなる。
目の前にいる俺を焼くつもりだ。
「恵人!避けて!」
カレンの言葉に反応し、避ける。
それと同時に炎の斬撃。だが俺の後ろにカレンがいる。
そうだった……!まずい、カレンが危ない!カレンを守ろうとするが、
「ブラスト!」
炎の威力が無くなる。俺は唖然としていた。カレンが魔法を使ったのだ。
「カレン、もう魔法使えるのか?」
「ええ、教えてもらったわよエレナに」
だがブラストは剣の炎の威力が弱まっただけで、フレミアには届いていない。
「涼しい風だな、飽きたしパッパと終わらせるか」
これからは手加減無しで来るようだ。
エレナはまだか……?
「こっちの女から殺るか」
フレミアは、カレンの方に殺意を向ける。
――カレンを頼みますよ。
不意にソルさんの言葉を思い出した。
カレンを守らなければ……!
「くッ!……させるかッ!」
カレンの前に立ち、下ろされた剣を止める。
「アンタから死にたいのか。まぁいいさ、死にな!」
力が強い。これは……ッ!
自分の剣が肩を抉り、血が床にビチャッ!と音を立てて落ちる。
「がぁッ!」
痛さの余り、声が出る。
「恵人!」
カレンのカバーが入り、フレミアが一旦引いたが、今度はカレンとフレミアの一騎打ちになってしまう。
一瞬、フレミアの顔に笑みが現れた。
あの笑いはカレンに対する暴虐を想像できた。
「カレン、ダメだッ!」
フレミアの渾身の一撃を身体で受ける。
身体に深く斜め線ができ、血が溢れ出した。
これも想定内だったのだろう。フレミアは顔色一つ変えない。
俺は倒れ、意識が朦朧とする。
「恵人!?そんなッ!」
カレンが俺に寄り添う。戦意を喪失したようだ。
俺の為に死なせる訳には行かない……。
「カレン!エレナが来たぜ!」
晃がエレナが来たことを言い、それを聞いて意識を失った。
ここは……?一面赤い花の場所にいた。向こうには川が見える。
あの川の向こうには何があるのだろう。気になってしまい、川の手前まで来た。すると、奥から少女が現れた。
「こっちに来たらだめ。あなたの来る場所じゃないよ」
少女の顔は見れない。モヤが掛かったようになっている。
「お前は誰だ?」
「川を渡らないで、まだやれるから」
すると、眩しい光が突如として現れた。
いかがでしたか?
主人公負けてますね笑
赤い花の場所はなんなのでしょう、川は?少女は?
想像の通りです。あの世への道です。
誤字、脱字やアドバイス等ありましたら言ってください!
それでは皆様が楽しめる作品を目指して頑張ります!