死闘の後に
ここは講義室
今日から大学の通常授業がはじまる
昨日、俺は小物役人とストーカーから女の子を守った
初日から中々波乱万丈だな
講義室に続々と学生が入ってくる
そろそろ講義の時間だ
と、その中に見覚えのある顔の人がいる
彼女は昨日暴漢から守った美女に違いない
しかし、ここで自分から話しかけると如何にも俺が功を誇って彼女に取り入ろうとしているような気がしないまでもない
こういう時は、彼女に俺を認知してもらい、「あっ、あの時の。昨日は本当にありがとう!あのぉ、隣の席座ってもいい?」と言われるのが自然な流れではなからろうか?いや、そうである。
そのことを細胞レベルで感じた俺は目の前にあるシャープペンシルに手に取ろうとして俺を通り過ぎようとする彼女の目の前に落とした
彼女は、当然俺のシャープペンシルを拾い俺の方をみた
「あっ、あの時の。あの、、、昨日は本当にありがとうございます。えっと、その隣座ってもいい?」
「ああ、あの時の。同じ大学だったんだね、実に奇遇だ。昨日は、あのあと大丈夫だった?」
「うん、おかげさまで。昨日のあの、えっと、名前言うの忘れてた。私の名前は西京極由紀です。えっと、」
「ああ、俺の名前は伊切田剣太郎、よろしく」
「うん、よろしくね。伊切田くんって本当に強いんだね。何か武道とかやっていたの?」
「あー、高校で剣道を少々。」
「へえ、だからあんなに強かったんだ」
「おいおい、そんなに持ち上げないでくれ。俺はたかが全国大会で優勝したぐらいなもんだからさあ」
「ウソ!?全国優勝。スゴイ!」
おいおい、また言っちまったよ
彼女の羨望の眼差しを見て、ついつい俺の口が滑っちまったぜ
なんて俺は罪作りな男なんだ!
「それで伊切田くんは、大学でも剣道を?」
「いや、大学ではやってないよ」
「えー、なんで?」
「いやーなんでだろう。違うことをやってみたいからかな」
「へえ、それだと伊切田くんは、大学で別のことをしてるの?」
「おう、スポーツチャンバラ部っていう部活に入ってるというか強制入部されたかていうか、まあ所属している感じだな」
「そうなんだ。ところでスポーツチャンバラって何?」
「まあ、なんていうかな。一言で説明するとチャンバラ遊びを競技化させたっていう感じ?」
「チャンバラって、剣で斬り合うっていう意味?」
「そうそう、でも剣は風船みたいなもんであたっても全然痛くなさそうなのさ。」
「へえ、そうなんだ。私興味出てきた。今日見学しに行ってもいい?」
「ああ、ぜひぜひ。俺も部活にいくのは今日が初めてだったから少し心細かったんだ。君が一緒だと心強いよ」
「えへへ、それじゃあ4限後とかでいい?」
「おうよ、それでよろしく!」
また、ひょんなことから美女とのストーリーが始まり出した
さあて、今度はどんなことが起きるのだろうか