表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イキリ太郎のチャンバラ無双劇  作者: 林 正芳
5/6

ナイトにナイト

薄幸の美少女に救いを求められ、彼女を苦しめる小物役人を懲らしめたその日の夜、俺は散歩をしていた


特に理由はない


ただ、帰り際に京香に

「今日は、ほんとうにありがとう!とってもかっこよかったよ!チャンピオン!」

と言われたシーンを数百万回脳内再生してただけだ


俺は

「やめろよチャンピオンなんて。俺はそんなたまじゃねーよ。まあ、京香がどうしてもっていうんならとめねーけど」

とこれまたクールに返しておいた


そんな満足感に浸っていると、目の前から女性が走ってくるのが確認できる


見た感じ可愛いな


「助けて下さい、先程からあの方に追われているのです」


「ほう」

今日はやけにこういうのが多いな


この国の治安はどうなっているのだ?


男が俺の前に立ちはだかる


女は俺の後ろに怯えながら隠れる


「なんだてめえ、そこをどけ!」

男は醜い顔面で醜い声で俺に命令する


「おっと、それは出来ない相談ですねえ旦那。彼女が怯えてる。『目の前に助けを求めるレディを見捨てて帰る』という文字は、俺の辞書の中にはないなあ」


俺は、「もし強姦から美女を救うシミュレーション」で捨て台詞として吐きたい言葉をたった今吐いた。


実に気分がいい


「それは文字じゃありませんし、どこの辞書にもないと思いますよ」


女が後ろから言う


「だっせえ、守られる女に指摘されてやんの。さあ、子どもは早くお家に帰って国語のお勉強でもしなさい」


男は罵る


俺は、怒りを覚えた


学のない奴らが学がないために有識な俺をバカにする


到底許されることではない


しょうがない、帝大生としての学の高さを少し見せてやろう


「今からお前を逮捕する」


俺は高らかに宣言する


「何言ってるのー?手錠もないのにー?お縄をつけるのはお巡りさんのお役目ですよー。もしかして警察ごっこかな、ぼく?」


そらきた


「刑事訴訟法213条により、現行犯に限り、逮捕権は私人にも認められることになります。今あなたがこの見目麗しき女性を手ごねにしようとしているのは客観的に見ても明らか。よって私のあなたに対する逮捕権は効果を発揮します。異論、反論はございますか?」


俺は、手短にかつ簡潔に話した


「話なげーし、早口だから何言ってるのか全然聞こえなかったわ」


男は何故か当惑してる


「法がなんだか知らんが、俺にはこれがあるんだよ」


男は懐からナイフを取り出す


ウエポン持ちか


ちーっと厄介だな


俺は素早く周囲を見渡す 


すると、すぐそこに1メートルくらいの鉄パイプがあった


俺はすかさずそれを取り、構えた


女は俺の背中で怯えている


「心配しないでくださいレディ。今宵、私は貴方の騎士となります。いかなるいてつく刃からも御身を必ずお守り差し上げます。貴方は、この騎士の腕を信じ胸を焦がしながら見守って下さい。I will protect you,マドマーゼ」


俺は再び意識を男に向ける


一度でも相手の攻撃を受けたらそれでジ・エンドだ


まるでチャンバラだな


ならば、一撃で決めるしかない


男が俺に向かってナイフを向けながら全速力で接近してくる


「くたばれーーーー!」


男のナイフは俺のブレイブハートを突き刺そうとする


「きゃーーー!」


女が悲鳴を上げる


悲鳴を上げる必要はないぜ、レディ


俺はすんでのタイミングで身体を右方にずらしナイフを交わす


すかさず男の利き手に強烈な小手を加えんとす


"戸塚卜全流反攻術 カウンター・コテ・クラッシャー"


強烈な小手は男に熾烈な衝撃を与え、不可抗力的に男はナイフを落とした


俺はそのタイミングですかさず男の後ろに周りこみ、後ろ首に手刀を行った


"李小龍流カンフー術 メイク・エネミー・キゼツ"


男は、その場で力なく気絶してしまう


ふう、なんとか片付けてたな


俺が剣術ではなく拳術を使うとはな


剣士としてまだまだだぜ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ