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【2】仲良くしてくれないなら遊んであげませんよ!

あぁ、もう!どうしてこうなったの!?




お昼が少し過ぎた春の麗らかな日差しの中

賑やかなまでもの鮮やかな花を咲かせたフェリーナ専用庭園の奥まった小高い丘のガセボの中は陽気な天気と対照的に静まりかえっていた


大の男4人が美少女可憐な5歳の幼女の言葉に二の句が告げないのだ





「お兄様方、わたくしがいないときはお互いにお話していますか?」



この一言で・・・





まったくもう!


今、わたくしが言いたいことはこれに尽きます!


ちょっと憤慨気味でほほを膨らますフェリーナ



フェリーナとしては軽く、そんなことないよと、兄様達がいつものように笑ってくれるとどこかで期待してた


しかし、いまの兄様達は4人がばつの悪そうな顔をしたり、フェリーナから視線をそらしたりして固まった状態



わたくしは、そんなに固まるようなこと言ってませんよ


って、固まって答えないということは?



・・・・・・



「・・・まさか、お話していないのですか?」



信じられない

そう思いながらも兄様たちの顔を伺いますが誰も、此方をみてくれない


いつもなら、煩いくらいフェリーナの視線を奪いあうのに


「お父様がいつも言ってますよね。兄妹仲良くって・・・」


なのに・・・


少し咎める様な言い方になってしまいましたが仕方ないです。答え次第ではお説教ものです!



「・・・仲は、・・・悪くない・・・」


ぼそっと、ディル兄様がそっぽを向いたまま呟かれます


まだ、お膝に乗せられてますがこちらを見てくれない。

絶対にちがうよね



「悪くはないけど、良くもないということでしょうか?

だから、普段はお話をしていないということでしょうか?

いったいいつからですか?」


畳み掛けるように質問したのに誰も答えてくださいません

もちろん目を合わせてくださいません




暫くの沈黙の後やっと口を開いたのは,

エル兄様です。



「ごめんね。

一番兄である私がみんなに気を配っていればよかったんだけどね。」


エル兄様は困ったような微笑みを浮かべてフェリーナに視線を合わせてくださいます。

如何にも長兄として、王太子として模範のお言葉です。でも、どこかそれは誤魔化しているような言い方です


「いい顔して・・・」


ん?バル兄様?


「・・・俺たちに興味がないくせに」


今度は頭上からディル兄様の呟きが漏れます


「心にもないことを・・・」


あら?アル兄様まで・・・


「なに?」


「素直に言ったらどうですか?

兄上は、俺たち兄弟には興味がないと」


ふんっと、見上げると嘲笑うかの皮肉めいた顔をする


「あぁ、違いましたね。リーナ以外に興味がないでした」


どうしたのかディル兄様は続けざまにエル兄様に嫌みのように言い放ちました

はて?ディル兄様ってそんなこと言う方でしたか?


「ディル!」


「まぁ、実際本当ですしね。俺らの相手なんで面倒みたいだし」


「そういうお前こそ敬うと言うことをしていないだろ!」


「敬えって言うほうが無理があると思いますけど」


「アル!」


「ふん、どっちもどっちじゃないか。歯牙にもかからないミソッかすのことは忘れられてるしな」


「子供のバルはだまってろ!」


「そうやって俺等のこと見下してたのをリーナは感づいてたってことだ」


「そうだな、エル兄上もディル兄上も年長者だから下の俺とバルは劣ってると思っているもんな」




・・・・・・



もう、私のことをきっかけにして喧嘩しているとしか思えません


4人は今も舌戦を小さなフェリーナの頭上で繰り広げています



う~ん


エル兄様、他の兄様のオムツが取れた時期をいちいち言うのはどうなのですか?確かにディル兄様がいつまでもオムツが取れなかったのは意外でしたけど・・・


ディル兄様も、みんなの嫌いな食べ物を言ってますが誰だってありますよ。あらまぁ、バル兄様はピーマンが嫌いなのですか?私はあの苦味がすきですが・・・アル兄様はトマトですか・・・ちょっとかわいいです


アル兄様も応戦してますがお母様にみんな3歳のときに女の子の格好させられてたのですね。

どこかに絵姿で残してないでしょうか?見てみたいです・・・お母様のお部屋あるのですね、今度聞いてみます。


バル兄様・・・えっと・・・落とし穴作って遊んだんですね。兄様みんな落ちちゃいましたか・・・バル兄様・・・ヤンチャですねぇ。エル兄様をいつか泣かすって・・・



っというより





「いい加減になさいませ!!!」



そろそろ、本気でやめていただきたいです


ディル兄様のお膝から降りて、兄様たちからちょっと距離を取ります



「大体!何ですか!!

さっきまで一言もお話されていないと思えば、今度は喧嘩ですか?

こんなお姿を曝して恥ずかしくないのですか!!!


もう!

仲良くして下さらないのでしたら・・・」



すーーーーーーーっ、と息を吸って


「もう、わたくしは遊んであげませんよ!!!

仲直りするまでここから出たら駄目です!!!」


ビシッと指を突きつけて言えば4人は固まってしまいました。






あら?

私の言葉に4体の石像さんが庭園にできました。


それぞれ美しいですね


繊細さもあるけど男らしいの大人の色気のあるのや、

顔は中性的な美しさなのに体はがっしりしてるのや、

神経質さも見受けられながら柔らかい雰囲気のや、

少年から大人にかわる幼さのある大人になりつつあるまだ呆気なさのある、4体


なかなかの眼福です



って、兄様ですね



まあ、いいですけど・・・






「わたくしはもうお部屋に帰ります。

4人できちんとお話下さい。


言っときますけど!()()ですからね。また喧嘩したらもう口もききませんからね!

ちゃんと仲直りできたらおやつを一緒に食べていいですよ!!」


言うだけ言って、石像と化した兄様を残して数人の侍女を連れて私室に戻っていきました。



フェリーナは、エマであったとき近所の子供達と喧嘩したときに弟に仲直りを促す決め台詞をつい言ったのだが・・・


5歳の子供がいうとただただ可愛らしく


残された兄達は、凝固が解けると可愛さに悶えた









俺の妹!最強かわいいっっっ!!!!!









フェリーナのお部屋は、庭園が正面に見える2階にあった。


庭園のガセボは部屋の窓からは少し影になって見えずらいけど覗うことができる



フェリーナは部屋に戻ると侍女たちを下げ一人にしてもらった


可愛いピンクの花柄の壁紙にクリーム色のカーテン。クリーム色の調度品と可愛らしいフェリーナの部屋は入ってすぐの居間と奥の寝室更には衣裳部屋やお風呂も備わっている



フェリーナは自室の居間の窓から覗くと、ガセボに変わらずの兄達が少し見えた


「よかった・・・さすがに掴み合いの喧嘩はしないわよね」


兄達が固まったままとは思わないが、男の子っていうのはすぐ掴み合いの喧嘩をするから、

フェリーナがいなくなってそんなことしてたらどうしようかと心配していたのだ



「兄様達もバカじゃないから大丈夫かな?


・・・・・」



兄様達がフェリーナをかまっていたときは別に何も思わなかったけど、フェリーナが父母様と話してるとき、兄達だけで会話しているのを見たことがなかった。


仲が悪い訳じゃないから、ハッキリわからないうちはほっといたけど


あんなに雰囲気悪いのって嫌だわ



それにしても


静かだ・・・・





フェリーナは暫く庭園を眺めていてあることに気がついた



そういえば、私が一人って最近なかったわ!


お昼寝をしなくなってから暇さえあれば父様母様、兄様達が入れ替わり立ち替わりやってくるし、


いつも、身の回りのお世話をしてくれる乳母は、最近腰を痛めて里帰りして後任のお世話係がまだ決まってない



どれくらいぶりの一人の時間だろうか



眠る寸前まで誰か傍にいるからこう一人の時間は貴重だ!



ちょっとわくわくしてくる



前世と合わせて既に成人大人をとうに超えていたが転生した子供の体に引きずられたように思考がちょっと幼児化したようになっていた。




おとなしくお部屋に篭ってるなんてできないわ


本を読んだりはいつでもできるのだから・・・



「・・・お外行ってみたいわ・・・」




・・・・・・ちょっと


                    


フェリーナの頭には普段できないことの考えが浮かびその中にどれだけ頼んでも常に却下されることがあった




・・・いけないことだけど




でも、兄様たちはときどきしている事知ってる




・・・バル兄様はこの間も・・・・



バルに聞いた先日の話を思い出していた




                     『・・・ウフフ、ナニカンガエテルノカナァ』





・・・・・・できる



                      『オヒメサマノキボウハカナエナイトネ』



・・・・・・・やっちゃおうか!!!



                      『ナニヲスルナカナァ』




そっと、部屋から音もなく廊下にすべりでた




                  フェリーナの周りにはいくつかの光がふわふわついていく




いつもとは反対の廊下の突き当たりに向かって・・・




                  まるで誘導するようにフェリーナには僅かに仄かな光が先導する







その後、お城からフェリーナの姿が消えた







夜にもう1話できたら投稿します

できたらいいな・・・

できなかったらすいません・・・

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