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【0】身分違いで死んじゃったら王女様に生まれ変わりました

以前あげて放置していた自作を削除、手直し、題名とテーマを変えて新しいものにしてみました。

今度こそ頑張って書き上げていきます!

目標は、週1更新です


宜しくお願い致します。

後先考えずに彼の願いに頷いてしまっていた


もう、そのときには正常な判断はできなくなっていたように思える


優しいブラウンの瞳はいつもと変わりなく愛をささやいてくれていた


「愛してるよエマ

離れたくないんだ

一緒に・・・死んでくれ・・・・・・」


彼の言葉に微笑んで頷いた


「私ももう一人になるのはいやです・・・」


私の言葉に満足そうに彼は笑った・・・






それから彼が指示した時間まで素早く準備をした


いつもはおっとりとしていて急いで人並みという自覚のある私は、今までにないくらい素早行動した


まずは愛するたった一人の肉親の幼い弟に手紙を書いた


急いで届けても親戚の家に養子にいった弟が手にするのは3日後だろう


彼とは違う愛の言葉を綴った手紙


私がいなくても、泣かずに元気にがんばっている弟に


今できる精一杯の言葉をこめて・・・



その後は、時間まで身の回りを纏め身支度を整えた


大好きな彼に褒められた服を着て、仕事中は引っ詰めてる黒髪をおろし

滅多にしない編みこみをしてハーフアップで、お気に入りの碧いリボンを結んだ


そして首からいつも提げていた小さな石の付いたペンダントを外して弟の手紙に忍ばせた


手紙に入れる前にその石に唇を寄せた


愛している


唯一の家族、弟のあなた


・・・・・・でも


愚かな私を許して欲しい



静かに頬を伝う


目を閉じて・・・

今、寄せてくる感情に気づかないように

きつく瞳をとじてやり過ごす


目を開け、鏡がないので窓ガラスにぼんやり映る自らの姿をみて、

たった一つだけ持っていた薄紅色の口紅をひいた


たぶん、綺麗に引けているはず・・・



準備はこれだけでいい




こうして、エマに与えられ1年を過ごした部屋をでた。








翌日、池の畔の伯爵家の別邸の庭木の下で1()()の女性の死体が見つかった


自殺


胸には1本の()()()が刺さっていた。

ナイフの柄をしっかり両手で握りこみ絶命していた












フェリーナ・ブルンベルヘン


ブルンベルヘン王国第五子にして第一王女の彼女が生まれたとき、ブルンベルヘン国王ラウレンスは諸手を挙げて喜んだ

愛する王妃に似た念願のお姫様

しかも大陸4国で200年ぶりに誕生した王家直系の王女誕生に、皇太子である第一王子が生まれて以来の恩赦を与えるほどに・・・


第四王子が生まれてから7年が過ぎていたため諦めていたときに生まれた王女


国王、王妃の溺愛ぶりは勿論言うまでもなく、

4人の兄王子たちも生まれてきた妹王女を一目見たときから魅入られていた。


フェリーナは、艶やかな黒髪に金色の瞳をしておりとろりと煌めく蜂蜜色といわれ、その瞳は開いているときは抱き上げてくれる人を見詰め、嬉しさにキラキラを輝いて赤子の愛らしい笑顔が浮かぶ

その瞳に見詰られると誰も幸せに微笑み、彼女に魅了されてしまう



「フェリーナはかわいいなぁ

私たちの娘に生まれてきてくれたありがとう

愛しているよ」


だらしなく緩んだ顔で抱き上げたフェリーナに向けて言う


「あだぁ、だあだあ!(私も愛してるわ!)」


笑顔のフェリーナの返事はその場にいたそれぞれが好きに翻訳していた





確かに私は死んだはずでした




あの人と別邸の庭で薬を飲んで眠るように死んだはずなのですが




次に目が覚めると、美麗な父母に囲まれ200年ぶりに生まれた王女の誕生とお祝いに国中が沸いてました




ってことは美麗の父母は、国王様と王妃様なのでしょうか?




ってことは私が王女さまなのでしょうか?




ってことは以前のエマはやっぱり死んだということでしょうか?




ってことはこれは所謂、生まれ変わったっていうことでしょうか?



エマとして読んだことのある物語にそのようなことが書いてあった様な気がします



でも、エマとしての記憶が鮮明にあります



いま、歩くことできるならばエマのいた村に帰れるような気がします・・・たぶん



う~ん



ついついエマの考え事をする癖で腕組をしたくなってしまいますができません



残念なことに赤子の短い手では腕組はできなようです



さっきから腕を天井に向けて曲げたり伸ばしたり、じたばたしているようにしかなりません




せっかくですので幾つになったらできるか覚えておいて検証してみましょう




覚えていたらですが




ちょっとばたばたしすぎたでしょうか?




チラッと頭ごと横を向いて




柔らかい敷布の揺り籠に入れられた私の傍では乳母が、本を読んでいたのでしょう膝に開いたままにして居眠りをしています




仕方ないですよね、赤ちゃんである私に昼夜問わずに起されちゃいますもんね




でも、空腹や生理現象は仕方ないことで我慢したくてもこのミニマムな体のためか辛抱というものができずに大声で要求(夜鳴き)をしてる次第です




お疲れですよね




いつも感謝しています




起さなくってよかったです




なるべく静かに考えを巡らします



さて、短い腕を下ろしてぼーっと優美な模様を描いた豪華な一室の天井を見上げます





以前の私は、この国ブルンベルヘンの端にある辺境の地の村に住む平民のエマでした




両親を早くになくしたエマは、16歳になったときに貴族様のお屋敷に働きに出た


それまでは10歳の弟が心配で傍を離れることができずにいたけど、母の親戚が養子に引き取ると、弟が承諾して行くと言ったので、それで町に働きにでました





そこで、あの人に出会って・・・




このまま幸せな恋が続くと思っていたらいろんなことがあった・・・


すべては思いだせないけど最後のほうはお屋敷のご子息といい仲になっていた・・・


でも、認められるはずもない関係


そうですよね貴族様と平民のエマでは認められるはずがありません。


頭ではわかっていても会うと甘い言葉をささやかれ幸せに満たされて


会えないと寂しさが募り涙が止まらない情緒不安定になっていた


もう・・・


恋煩いも末期になっていました。



だから、あのような行為をしてしまった



残された人たちはどうなったのか



如何思われたかなぁ



あの時はそのようなこと思いもしないほど恋にうかされていたのかなぁ・・・



今では直ぐに浮かぶのは弟のこと



父より、母に似た少女のような可愛らしい弟


いつまでも甘えん坊で


苦味が強い野菜が苦手で、にんじんもきらいで


雷が怖いといって一緒に寝たり



でも、いつの間にか成長していて



親切な人から町でのお仕事の話をもらって



でも、弟のことが心配だから村を離れるつもりがないからお断りをしていたら



以前にあった弟の養子の話を勝手に承諾していて



自分は親戚の子供になるからって



泣きそうな顔をしながら送り出してくれた、愛する弟




愛していたのに・・・




置いてきてしまった




もう会えない・・・






ちょっと、しんみりとしてしまったけどもうちょっと成長してからでいいので以前住んでいたとこに行ければいいなぁ


あれからどの位の年月ときが経ったのか分からないけどもう一度父母の墓参りをしたいです。



そして、沢山の人に謝ってこの命を大切に生きたいです



できれば今世では周りから祝福されて愛する人と寄り添って生きていきたいなぁ



そう、考えたらなんだか楽しみになってきたかも




不思議なことに心中したお相手の顔がもう朧けでよくわからないのよね



フェリーナとしてどんなひとと出会えるかしら



うふふ、楽しみだわ



エマは17歳で亡くなりましたが今度こそ愛する人に囲まれて生きて老衰で死にたいわ



って、生後数ヶ月の赤子が考えることではないわね




う~ん、なんだか・・・考えすぎて



眠くなってきた・・・




揺り籠の中で神妙な顔をした天使のように可愛らしい赤子は両腕を頭の上に上げた状態でいつの間にか安らかな寝息を立てていました


そして、それをこっそり4人の兄たちが順番に眺めて







「「「「天使がいるぅぅぅ!!!」」」」







愛らしい寝顔に癒されてました








3話までは連続投稿してみます

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