伝説‥71話〜不安と試練
リュウキ達は時計塔と寮の修理を終えグラディスと話をしていた。
ここはオパール魔導師学園の寮の外。クロノアとダルナド達は寮の修理が終わり片付けを始めていた。
そしてリュウキは時計棟の修理をしていた。
「ふぅ、あと少しで修理終わりそうだな。後はここにこれを付けてと……。」
そう言いながらリュウキは板を釘で打ちつけた。
そしてリュウキは、やり残していないか再チェックをすると修理が終わり片付けを始めた。
グラディスは時計棟の上にいるリュウキを見ていた。
「クロノア達もリュウキも修理が終わったようだな。」
そう言うとグラディスは、シュウ達の事を考えながらリュウキとクロノア達を待った。
するとクロノアとダルナド達は片付けを終えグラディスがいる方へと向かった。
リュウキは片付けを終え荷物を持ち、時計塔の上から段差を使い下までくると、グラディスのいる方へと向かった。
そしてクロノア達とリュウキはグラディスの所までくると辺りを見渡した。
「……何でグラディスさんがここに?シュウ達に何かあったのか?」
「リュウキ。いや、あったといえばあったのだろうが。シュウ達に、という訳ではない。」
「それは、どういう事なのかな?それに、さっきまでここにいたナルザスさんが、いないみたいだけど?」
「クロノア、その事なんだが。実はな……。」
グラディスはリュウキ達に、トパーズの街での事とその事でナルザスが王の許可をもらいに城に向かった事を話した。
「なるほど。そうなると、なるべく早くそこに向かった方がいいだろうな。」
「ああ、そうだな。だが、リュウキ。ナルザス様が来ない事にはトパーズの街にはいく事はできない。」
「確かにそうね。勝手に動いて何か問題が起きても大変だしね。」
「今の話を聞く限りだと。俺も行くメンバーに入ってるんですよね?」
「ディアス。ああ、そうだが。無理そうか?」
「ん〜無理というか。本当に俺で大丈夫かなって思って……。」
「なるほど。自信がないという事か。だがディアス、この前、城でお前の学園での成績を見たが、魔力量、魔法の知識、それに召喚魔法に関しても申し分ない成績を残している。ただ、性格は臆病だが、頼りになる一面もあると書いてあったがな。」
「うん、そうだけど。今回ばかりは相手が相手だけに自信がないんだ。」
「ねぇ、ディアス。そんなに自信がないなら、私が代わりに行ってあげようか?」
「アリーシア!それは……あ〜、分かった行くよ!行けばいいんだろう。女のアリーシアを行かせるくらいなら……それに他に男で行けるやつがいないみたいだしな。」
ディアスはそう言うとダルナドをみた。
「ディアス、僕をみて何かを訴えるのだけはやめてくれないか。僕だって行きたいのは山々だけど。さっき父さんが言った通り、僕とユリニャとゲルドフはジルベイムに顔を知られている。」
「そうなんだよな。はぁ、分かった諦めてクロノア達とトパーズの街に行く。」
そう話をしていると、ナルザスが早馬を走らせ学園の寮の軒下まできた。そして馬から降り、軒下の杭に手綱を括り付けた後リュウキ達の方にきた。
「遅くなりすまない。」
「ナルザス様。それで王の許可は降りたのですか?」
「ああ、グラディス。許可は降りたのだが、城で大変な事が起きた。」
「ナルザスさん。大変な事って何があったんですか?」
「リュウキ。城の牢内でアイネ、リフィア、ダリオスの3名が隠し持っていた薬を飲み自殺を図った。」
そう言うとリュウキ達は驚いた。
「それはどういう事なの?あの2人はともかくとして、何でアイネまで自殺を……。」
「クロノア。私も何故アイネまでもがと思っている。」
「でもおかしくないか?この前みた限りだと、城の警備は万全だった。だとすれば牢の警備は更に厳しかったはずだ。なのに3人とも薬を飲んで自殺って……。」
「リュウキの言う通りだと思う。王も私も3人の死因を不審に思っている。それでなのだが、私はその事について調べなければならなくなったので、グラディスはリュウキ達とシェルズ城の事について調べて欲しい。」
「ナルザス様、承知しました。」
「グラディス。それとジルベイムの屋敷の潜入の事なのだが、お前はジルベイムに顔を見られている可能性がある。それで王がグラディスの代わりはルナがいいだろうという事になった。」
「私はそれで構いませんが。」
「私も構いませんが。でも本当に私なんかでいいのでしょうか?」
「ルナ、王のお墨付きだ。学園での成績をみて、お前が適任だろうという事になった。」
「……分かりました。何処までやれるか分かりませんが、微力ながらやらせていただきます!」
「そうなると、ジルベイムの屋敷に潜入するのは、俺とクロノアとミクとディアスとルナの5人になるわけか。」
「リュウキ。ああ、そうなる。私もトパーズの街に行くが、シュウ達と別に動き調べようと思う。」
「グラディス、そうだな。それとアリーシア、ダルナド、ユリニャ、ゲルドフの4名は、私の手伝いをして欲しい。」
「はい、僕が何処まで出来るか分かりませんが、やらせていただきます。」
「私は大丈夫だにゃ。」
「俺も自分の出来る事しかできないけど。全力でやらせていただきます。」
「えっと。私がお父様の手伝いって……。」
(はぁ、面倒い……。)
「3人は頼もしいな。だが、アリーシアなんだ!そのいやそうな顔は?」
「あっ、それは……私がお父様の手伝いなんかして大丈夫なのかなぁと思ったので。」
「アリーシア、あのなぁ。はぁ、我が娘ながら呆れる。お前は誰に似たんだ?」
「お父様、さぁ誰なのかな?多分両親のどちらかだと思うけど。」
「アリーシア、今回の件は密かに行わなければならない。だからお前達ならば、城の中で話をしていても、怪しまれる事もない。それに相手も、お前達になんらかの方法で接触してくるかもしれん。」
「そういう事か。確かに相手を油断させるには、その方がいいかもな。」
リュウキがそう言うとナルザスは、ふぅ〜、と一息吐き、
「ああ、そういう事だ。」
その後、リュウキ達とナルザスとグラディスは各自どう行動するかを話した。
そして、グラディスのテレポートでルナ、ディアスと、リュウキはテレポートのカードを使いクロノアを連れトパーズの街へと向かった。
それを確認するとナルザスは、アリーシア達4人を連れ自分の屋敷へと向かった。
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
リュウキとクロノアとディアスとルナとグラディスはトパーズの街へと向かい、ナルザスは残りの見習い召喚魔導師と共にアイネ達3人の死因について調べる事になった。
では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)






