第十二話 〜〇〇なを釣ろう!〜
「さーて!クエストしに行くわよ!」
ララはとても張り切っている。
「クエストっていっても、何をするつもりだい?パイはまだあまり動けないし......」
確かにそうだ。フィオの言う通りだ。
大分良くなったが、俺はまだ走ったりすることは出来ない。
「魚釣りよ」
「え?魚釣りですか?」
「そうよ。さ・か・な・つ・り♡」
「俺、魚釣りした事が無いんですが......」
「俺に任せな!」
ぽこち〇!?
「巷では焔のフィッシャーマンと呼ばれた俺に任せな!」
おい、お前は俺のち〇ぽこだろ。
「どうやってやるんだい?コツを教えてよ」
「いいだろ!いいだろ!そうだな、まずはララ、何を狙っているんだ?」
「クエストの依頼内容によると、海にすんでいる五十センチほどの金色に輝くゴールデンフィッシュってのを釣ってほしいらしいわ」
「......近くにリップ海岸がありますね」
「よし、じゃあまずは釣具を買ってからそこに行くぞ!」
取り敢えず、俺達はぽこち〇について行くことにした。
こいつ、本当に釣りできんのか?
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〜リップ海岸〜
浜辺には多くの人が水着を着て楽しそうに遊んでいた。
ボールを投げあったり、泳いだり。
水着のお姉さん可愛いな。一緒に泳ぎてー。サンオイル塗りあいてー。
ガサゴソガサゴソ
うん、ここは安全だ。
「よし、皆揃ったな!」
「まずは何をすればいいんだい?」
「ポイント探しだ!魚が居そうな場所を探そう。深いところの方がいそうだな」
そう言うと、ぽこち〇は海岸を歩いていって人気の無いゴツゴツとした岩場に行った。
「ここだな。まず、人が寄り付かないのが良い。穴場って感じがするぜ」
「私の直感もビンビンいっているわ!」
ララの直感がいっているということは、当たりの可能性があるな。
「後は投げ釣りだ!なるべく遠くまで遠投しろよ!」
そう言うとぽこち〇は、いとも簡単に遠くまで投げた。
あの身体でどうやったらあそこまでとぶんだ?
「よし、やってみようよ!」
そう言うと、フィオもなかなかの距離をとばした。皆、凄い肩だ。
「私もやるわよ、それ!」
「......よいしょと」
釣り針が空をとんでいく。
二人もぽこち〇とフィオと同じくらいとばした。
なんで、そんな簡単にとぶんだ?
「さて、後はお前だけだぜ!」
よし、俺もとばしてやる!
「おりゃあ!」
俺は忘れていた。俺怪我してるじゃん。
飛距離僅か、皆の三分の一。
「ぶふっ、だせ」
こいつ......俺が投げられないの見る為にわざわざ投げ釣りをしたのか。
女の子達も笑ってやがる。ちくしょー!
「さて、後はかかるのを待つぞ!」
ぽこち〇はそう言っていたが、俺は恥ずかしくなって少し離れた岩陰でポチャリと糸を垂らした。
いいし、いいし、俺はこっちで釣るし!
「私きたわよ!」
「僕もきたよ!」
「俺もきたぜ!」
「......きました」
ま、まさかの四人同時ヒット......
「これはゴールデンフィッシュじゃないわ。これはダイヤモンドで身体が出来ているダイヤモンドフイッシュよ」
解放
「僕もハズレだ。これは世界に五匹しかいないと言われているガボイバだ」
解放
「くっそ、俺もハズレだ。これは食べたら頬が落ちるほど美味しいと言われている珍魚、頬落ち魚だ。」
解放
「......私もハズレです。これは魚ではなくて徳川の埋蔵金です。」
解放
ちょ、ちょ、ちょっと待て!
お前らゴールデンフイッシュより凄いもの釣ってないか!?
ダイヤモンドに珍魚に埋蔵金に
その時、俺の竿に反応があった。
なかなかでかいぞ!
釣り上げてみると、金色に輝いている魚だ。
「お、お前すげーな!それこそまさにゴールデンフイッシュじゃないのか!?」
「さすが、パイね!凄いわ!」
「うん、尊敬に値するよ!」
「......やりますね」
この気持ちはなんだろう?
この気持ちはなんだろう?
確かに俺は目的の魚を釣り上げた。クエストクリアだ。
だが、皆が釣り上げたのゴールデンフイッシュどころの騒ぎじゃなくないか?
〜クエスト完了〜
今日の日記♡
俺は何故ゴールデンフイッシュを釣ったんだ。
もっと、珍魚とか!大魚とか!古代魚とか!秘伝の書とか!
釣りたかったんですけど。
最近の朝は物騒ですね。
色々とんできます。




