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第九話 〜ぽこち〇のミライヨソウ〜

神様のご慈悲を受けた後。俺は皆を1人ずつ扉から運び出した。

ぽこち〇は光がわりなので、ずっと持っていた。


全員運び出したのでとりあえず皆が回復するのを待つことにした。

そうだ。皆はまだ治りそうにないから今のうちにぽこち〇のガサゴソの謎をとくとするか。


俺はぽこち〇を持って(興奮状態だが)もう一つの扉を開けてみた。


ガサゴソ


今度はガサゴソと言った。危険覚悟で入ってみるか。

俺は中へ恐る恐る入っていった。中は向こう側と同じような感じだ。


歩いていても、モンスターの気配が全くしない。

百メートルほどあった道を抜けると、また分かれ道だった。

今度は三つに分かれている。


一番右の扉を開けてみる。中には緑色の触手がうねうねしている。ここに行ったら楽しそうだな。ぽこち〇は何も言わない。


真ん中の扉を開けてみる。怪しい石像がたくさん置いてある。

ぽこち〇はガサゴソ言っている。


一番左の扉を開けてみる。何も無い。ぽこち〇は何も言わない。


俺は思い切って真ん中の中に走っていった。

暫く走っても何も起きない。

そういうことか。理解した。


俺は皆の所へ戻った。


皆はまだ動けなさそうだ。少し待つとしよう―。


一時間ほど経つと皆が復活し始めた。やっと、復活か。

ぽこち〇は復活したというのに逆にしぼんだが。


「なんか、動けない間に胸を揉まれた気がするのよね」


「......私もです」


ヤバイ、ここで巨乳勢にバレるわけにはいかない。


「モンスターが襲ってきてたんです。あそこの道は罠だったんです」


「僕はそんなに揉まれなかったと思うけどな」


あんまり、揉めなかったのは事実だ。うん。


「成程、罠だったのね。だからあの煙が出たのね」


「......成程」


良かった。ララと雫も納得してくれたようだ。

それより、


「ぽこち、いやソドムのミライヨソウの謎が分かりましたよ!」

俺は自信があったので、ハッキリとした口調で言った。


「ソドムは比較的安全な場所でガサゴソと言うんです!つまり、こいつがガサゴソと言った所を選んでいけばどんなダンジョンでも安全に最深部まで行くことができます!」


「それがソドムのスキルか......。魔王の城でも使えるかもしれないわね」


「すっごーいスキルだね!」


「......使えますね」


皆、納得してくれたようだ。


「ふっ、俺を讃えろ!敬え!なーっはっはっはっはっ!」

また、ぽこち〇が調子に乗り始めた。


「そうと分かったら、進みましょう。奥には何があるのかしら」


俺達はぽこち〇を使って奥に進んでいった。

怪しい石像の道をぬけ、時にはそんなに強くないモンスターを倒し、時には鉄骨渡りをしたり、じゃんけんしたり、麻雀をしたりした。


鉄骨渡りは鉄骨の幅が二メートルはあったので安全だった。

決して、足裏の幅だけしか無くて、風が吹いているような所ではない。


そうして、遂に最深部に辿り着いた。大きい人影が見える。

やはり、ボス戦は避けられないか。


「良くぞ、ここまで来た!俺は魔王様の直属の四天王の一人。ムラムラ西男だ!」


「ぷっ」

ララ、フィオ、ぽこち〇笑うんじゃない。ぶふっ。


酷すぎる名前だ。しかも、少し禿げている。


「そこの男。何を笑っている」


やっべーぞ。


「サザンクロス!!」


ムラムラ西男がそう言って、剣をふると俺の身体に十字の傷がついた。


くそっ、血が出ている。とても痛い。ムラムラだからって油断した。


「次は本気で斬るぞ貴様」


目が本気だ。

やはり、名前は可笑しくても四天王って訳か。


「皆、気を引き締めなさい!いくわよ!」

ララの声で戦いが始まった。


なんか、お腹が痛いです。

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