(ある連続殺人鬼への)インタビュー記事
…今まで殺してきた人のことですか?それは、もちろん(覚えています)。最初の殺人は中学生くらいの時でした。(相手は)同級生で。その時はもう、好奇心に導かれるままにというか。
(合計で殺したのは)30人くらいですか。そんなもんか…いや、ごめんなさいね、ふふふ。(覚えていると言っても)忘れていることもある。その人に興味がなくなってしまうんですよね、死体になってしまった後は。不思議なんだけど、僕は(惹かれるのは)やっぱり生きた人間。
なんで殺したかって?それは、もう(よく分からない)。(何で自分があの時あんなことをやったのか)自分でもよく理解できなくて。時々ね、何かに導かれているような、そんな気分になることもありますよ。でもそれって(分からないことを)誤魔化してるだけじゃないですか。
(行動の理由は)きっとあるんですよ。それが自分の言葉で説明できないだけ。僕は神様とか、死後の世界とかあんまり(信じてなくて)。『神に導かれて〜』なんて、ダサいじゃないですか。僕がやりたくてやってるのに、神様に手柄取られたみたいな感じで。もっと自分の心の声を聞いてやれよ、っていう。考え始めると頭が痛くなりますよね。
ああ、だから死体には興味ないのかも。まあ、とにかく僕はそういう感じで(特に理由を考えることもなく)人を殺してきたってとこですかね。でも、ここらで(理由を)考えるのも悪くないのかもしれない。これ、(インタビュー記事の)役に立ってます?
出所したら?もちろん(殺しますよ)!もちろん、(理由なんて)ない。だって、僕はもう(殺すことしかできなくて)。…ちょっと待ってください、頭が痛くて。僕は…(殺します)。
…違う(違わない)。違う!(違わない)僕はもう!(違わない)
僕は(おいどうした?)、(戻れ、仕事の時間だ)誰かに従ったりだとか(勝手なことを口にするな)そんな…(お前は俺に従っていればいいんだ)。
すまない、誰か…(おい!戻れ!)気分が悪いんだ…(戻ってこい!)…医者を(そう…それでいいんだ)。
(すいません)すいません、(ちょっと取り乱しました)ちょっと取り乱しました。(僕はもう大丈夫ですから)僕はもう大丈夫ですから(さあ、インタビューを続けましょうか?)