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1章 新しいビジネスモデル「女子高生化」の導入

もしトラッカーが野球部の女子マネージャーになったら


1章 新しいビジネスモデル「女子高生化」の導入


「トラッカー教授、IT企業大手のクックルが教授にコンサルタントを頼みたいでそうです。」

「教授、日本の電気メーカーSOMIの取締役からご相談のお電話が・・・

 先日、教授が提案したビジネスモデルが上手くいってないそうです。」

「オパマー大統領との会食は今度の火曜日で宜しいでしょうか?」



 今日も朝から騒がしい。経営学者としてそれなりの成果をだし、この不況の中引っ張りだこなのは幸せなことなのだろう。自分の好きな学問でこれだけの成功を収めていれば不満なんてほとんどない   ・・・はずだった。しかし好況であれば下卑た笑顔の経営者どもに過剰な接待を受けながらあれやこれやと提案をし、不況になればそいつらの要望を考慮した労働者を物、道具と見なしてコキ使ったりリストラを勧める。


      私はこんなことがしたかったのだろうか


そんな思いが心の中で大きく育っていきながらも、自分の今まで築いた立場を捨てられずにいた。いっそどっか遠くにいきたい。高校生の頃の様に自分の将来の夢を思い描きながら笑って生活していた事がどれだけ恵まれていた時間だったのだろう。あの頃に戻りたい。こんな部屋じゃおちおちコーヒーも楽しめないじゃないか。

「ちょっと休憩がてらに友人の研究室にいってくる。」

「お気をつけて、午後の来客は1時半からですのでお忘れなく。」


 騒がしい自分の研究室を出て、化学棟の廊下を歩く。エントランスは掃除も行き届いて、まさに最先端の研究が行われていますよと言わんばかりの光沢を放っている。しかし、私の目的地に近づくにつれて汚れが目立つようになってきた。掃除係はここまで掃除する給与はもらってないのだろうな。そんな事を考えながら扉を開ける。こいつにノックなんていらない。どうせそんな音聞いてやしないのだから。

「シュタイン、元気か?研究は順調に・・・進んでるはずないね。」

 言葉を投げかけた相手は濁った紫色のフラスコを慎重に黄色の液体が入ったビーカーに移している。垂れた液体に触れたデスクが煙を吹いていることに違和感を覚えながら相手の作業が終わるのを待つ。

 彼はシュタイン。この大学で化学を研究している変人だ。本大学は科学に関しても米国では進んでいるため彼の実力は本物なのだろうが、何にせよ成果がでない。企業にとっては使えない研究ばかりだ。そのため大学も彼の実力を認めながらもこんな端っこの研究室に追いやっている。噂ではそろそろ売れる発明品を出さないと追い出されるとか・・・。

 ただ、私にとっては自分と違う知識を持っている彼と話すことは楽しいし、気晴らしにもなる。何よりここの研究室は部下もいないし電話もならないため静かだ。どうやら彼の作業が一息ついたようで、ニコニコをしながらこっちを振り返った。

「やぁ、トラッカー。今度の研究はすごいんだよ。この液体を振り掛けた物質は生ごみと同じ臭いを発するようになるんだ。」

 彼の嬉しそうな声を聞きながら私は大きなため息をついた。

 「ちょっと休憩にきたよ。コーヒーもらうよ。」

 彼の部屋にコーヒーカップなんてものはない。飲み物はビーカーに入れる。多分まだ淹れたてであろう湯気のたった茶色い液体のビーカーを流し込む。少し苦めのテイストに甘めの香。嫌いじゃない。どこの豆だろうかとシュタインに聞こうしたら、

 「トラッカー!それは飲んじゃダメだ。今すぐ水で口をゆすぐんだ!」

 え!?その言葉を聞いて慌てて隣のビーカーの透明な液体を口に含んだ。

 「それは水じゃないよ!!まずいよ。はやく吐き出すんだ!」

 そう言われて慌てて洗面台に走り寄ると、いきなり大きな音を立ててドアが開いた。あまりにも大きな音だったため思わず口の中にある液体を飲み込んでしまった・・・・。

 ダメと言われた液体をしっかり胃の中に押し込んでしまった事に茫然としていると、ドアを開けた主が怒りながらシュタインに詰め寄った。

 「シュタイン!あんたに頼んだ研究まだ終わってないの?一昨日出来るっていったよね?なんで締切守らないのよ!」

  「そんなことよりトラッカーが未完成の薬を飲んじゃったんだよ!どうしよう・・・その薬は・・・」

 未完成の薬?味は悪くなかったけど?何の薬?そんな事が頭の中をぐるぐるしていると、体が熱い・・・。全体的に熱い。嫌な汗がとめどなく出てくる。なんだか意識を不鮮明になってくるし。視界もぼやけ・・・・

   

      私は意識を失った


 目覚めたのはそれから3時間後。私の顔をまじまじと見つめるシュタインと宏美の顔を見ながら私は挨拶をした。

 「おはよう。僕は何時間寝ていたんだい?」

 二人の顔が神妙になる。何だか自分の声が普段よりも高いな。いつもはバリトンを聞かせた自分のナイスミドルな声が今は可愛くってちょっとセクシー。高校のチアリーダーのクイーン的な甘ったるい声に聞こえる。薬で声の調子がおかしいのだろうか。そう思いながら、体にかぶせてある毛布を取り立ち上がると・・・・

着ているズボンが下にドサっと落ちた。ズボンだけならまだしも下着も膝までずり下がっている。  ????どういうことだ????


 「トラッカー!ダメよ。立っちゃだめ!!今すぐ毛布を体に巻いて!

  シュタインは後ろ向いてなさいよ!ジロジロ見るな!」

 宏美がそういいながらシュタインの顔を力づくで逆の方向に捻じ曲げ、私に毛布を渡した。

 「どういうことなんだい?宏美?僕はやせ薬でも飲んだのか?」

  「・・・・えっとね・・とても言いにくいんだけど・・・あの薬のせいで

    あなた女の子になっちゃったみたいなの。詳しくはシュタインに聞いて。」

 「・・・・・・え?」

 絶句しながら毛布を巻いたまま洗面台の鏡の前に立った。白髪まじりのブラウンの髪はいい感じにブロンドになっている。ちょっとカールした感じがあか抜けていて可愛い。たれ目だけどぱっちりな目。まつ毛もふさふさ。リップは甘すぎないピンク色で僕の好みだ。

脳から命令をだしを口を大きく開ける。鏡の中の女の子も大きく開ける。白い歯が健康的。

次の命令はその場で一回転。鏡の女の子はふらふらしながらも一回転した。


  オゥ  マイ  ゴッド


 この現実を受け入れるべきか夢かもしれないと現実逃避をするべきか悩んでいると宏美の暴行で意識を失ったシュタインが目を覚ました。

 「トラッカー・・僕の試作した破壊衝動鎮静剤と体機能促進剤を組み合わせると男性の暴力的な部分が抑制と体の機能の若返りが同時に起こりティーンエイジャーの女性になってしまったんだ。まさかこの2つを組み合わせるとこうなるなんてね!大発見だよ!」

 自分も大発見だよ。自分がティーンエイジャーの女の子になるとこんな同世代の男を片っ端から撃ち落とせるような可愛い子になるなんてね。

 「シュタイン。この薬はどれくらいで切れるんだ?明日には元に戻るんだろうね?明日は先日コンサルタントを依頼された企業との打ち合わせがあるんだ。」

沈黙が流れる。宏美とシュタインがお互いに罰の悪そうな顔をしながら見合わせ。「君がいってくれないかな」「あなたの研究のせいでしょ。自分でいいなさいよ」「親友に自分から告げる勇気が・・・そもそも君があんなドアの開け方しなかったら・・・」「私のせい!?」


 小声で押し問答する二人をみて5分程たっただろうか。二人が意を決してこちらを見た。

まずは宏美から。

 「あっちにいる♂のマウスは2か月前に破壊衝動鎮静剤をうったの。あの種類のマウスは凶暴な種類なんだけどね。今でもあんな可愛らしい顔でこちらを見てるわ。」

 つぶらな瞳のマウスがこっちを見ている。ペットショップで売っていたら5分で売れてしまうような愛らしさだ。

 そしてシュタインがその隣のマウスを指さして

 「あの♀のマウスは3か月前に体機能促進剤をうったんだけど。今も元気に走り回っているんだ。」

 ケージの中で縦横無尽に走り回るマウス。オリンピックでも目指してるのか?と聞かずにはいられないような走りっぷりだ。回し車をこぎだした。キーンと耳に響くような高速回転の音。このままバターにでもなるつもりだろうか。


 「もっとはっきり言って欲しいんだが・・・・」

   「いつ切れるのか  未定だ」

             未定よ」

 二人の声がむなしくはもる。


怒りがこみあげてくる。自分って女になったら結構可愛いんだな。なんてちょっと悦にひたっていた少し前の自分をぶん殴ってやりたい。

 「どうしてくれるんだ!シュタイン!お前の変な発明のせいで・・・・」

言葉が続かない。あまりにも衝撃的な事実が口をふさぐ。

「ご・・・ごめんよトラッカー。まさかこんな事になるなんて。でも君だって人の研究室の飲み物勝手にのむなんて。あれがコーヒーだなんて僕いってないよ。」

 正しい。勝ってに飲んだのは自分だ。

 「私も謝るわ・・・。私がびっくりさせたせいで飲み込んじゃったんですものね。」

 優秀な研究者であろう二人と世界に名を馳せる経営学者であるはずの3人が今じゃ可愛いティーンエイジャーと試作品を人体実験してしまったマッドサイエンティストになってしまった。

 「悔やんでもラチは開かない。これからどうするかを考えよう。」

   「そうね」

   「そうだね」

 「まず僕は急に体調を崩して帰宅した。そう僕の研究室に伝えてくれ。」

   「分かった。僕が伝えておくよ」

 「その後の事なんだが・・・・、この体で過ごすのは仕方ないが、出来るだけ早く治療

  薬を作ってくれ。」

   「そうね。私とシュタインで少しでも早く戻れるように努力するわ。」

 「ただ、このままどこで過ごそうか・・・・・・・・・・・・・」



 長いこと3人で頭をフル回転させた。空が暗くなり、明るくなった。もうこのままいっそドラ子として新しい人生を全うしてもいいのではないかとバカな考えにまとまりかけたときふいに宏美が。

 「日本で暮らすのはどうかしら?ドラッカーの病気は難病で日本の特殊な病院でしか治せないから日本に行くことにしたら、周りの目も遠ざけられるでしょ?

  「でもその場合日本で何して生活するんだ?」

宏美が不適な笑みを浮かべながら

 「今のトラッカーって可愛いわ。日本の高校じゃモテモテになるでしょうね♪」


OK 今日から私は女子高生だ。  いや違う。 今日から私は女子高生よ☆ミ

 ウィンクしながら決意を固めた。


 それからは2週間後の日本生活開始のため準備に追われた。宏美のスパルタ日本語レッスン。女性らしい動き方。シュタインの秘蔵ビデオによる日本の女子高生の生態。

待ってろ日本。Enjoyしてやる2度目のハイスクールライフ。



小説なんて書いたことないですけど、電車の中吊り広告で例の作品の広告をみて勢いで書きました。 クリスマスに一人だったからむしゃくしゃしたんだと思います。


暇つぶしに書き続けて飽きたらやめよう・・・・。

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