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パラグラフ18
キミの咄嗟の反射神経は、不意打ちで矢のような速度で発射されたそれを回避するには、さすがに及ばなかった。
直後、キミの首筋に、小さくも鋭い痛みが突き刺さる。
キミは手探りで、自分の首筋に刺さった小さなものを探り当て、指先で引き抜いた。
見てみると、それは鋭く先の尖った針であった。
そして、その針の先端部には、禍々しい色の液が付着していた。
さらに言えば、針に付着した液の大部分は、すでに拭い去られていた──針が刺さったときに、キミの体内に侵入したと見るのが妥当だろう。
キミは、これが間違いなく毒針罠の類であろうと気付く。
だが気付いたところで、刺さった場所が場所だけに、毒を吸い出すこともできない。
そしてそうこうしているうちにも、即効性の毒がキミの体内を巡ってゆく……
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