状況
村の人たちが帰っていくと俺たちはシェーラさんに朝食事した部屋に呼ばれた。
『すまぬな、ねーさま。それにみんなにも見苦しいところを見せてしまって』
申し訳無さそうに、こちらに言った。
『それで?どうするのシェーラちゃん?
私たちは部外者だし、言う権利はないけどね。
あのエルハザードという人とキャスさんが長を巡ってるみたいだけど』
『そ、それは・・・今は決めかねてるところですね。』
苦渋な顔をするシェーラさん。
『あらかじめ、長は誰にするかは決めてたの?
あの、エルハザードって人?
それともキャスさん?』
『実力的にはエルハザードですが、継がせたいのはキャスなのですよ。お姉様』
『それはなぜ?』
『キャスは不器用で、短絡的ですが武にたけ村のみんなのことを1番に考えてくれるからです。
キャロも考えたのですが知略には優れますが武には恵まれなかったのです。
それに自分から辞退を申し出たのでキャロは外しました。
しかし、エルハザードはどこか野心的な感じが時々うかがえるので』
『それは、勘かしら?』
『ええ、あくまで勘ですけどね』
『ふぅー』
そこまで話すとばっちゃんは深いため息をして考え込む。
『シェーラちゃんの勘は外れたことないしねー。
さてさて、どうしたものかしら・・・』
『姉様、私はどうするべきでしょうか?』
シェーラさんは、すがるようにばっちゃんを見る。
『シェーラちゃん、あなたも長という立場でしょ。
甘えるのは間違いよ。
でもね、あなたの思うとおりにしてみなさい。
みんなが幸せになるにはどうすればいいのか』
『皆の幸せ・・・』
キャロが部屋に入ってきた。
『皆様、ご飯の用意ができました。
こちらにお越しください』
そう言われ、昨日と同じ席に皆は座った。




