長
『どういうつもりだこれは!』
エルハザードに長の話が流れていくその時、怒気を籠めて話に加わっきたものが現れた。キャスだ。
『ん?キャスか。
どうした、何を怒っている』
エルハザードは気にした様子もなく答える。
その態度が余計にキャスの怒りに触れる。
『どうしたもこうしたもない!
時期、長については現在の長から指名されるものだろう?
なぜ、幹部達がお前のことを長にする方向になってる。』
エルハザードはすかさず反論した。
『決まっているだろう、今の長にこのエルフの村を守りきれないと判断したからだ。
それに、この流れになったのはお前にも責任はあるぞ?キャスよ?』
『何?』
『よく考えろ、今まではなんとか魔獣を退けてきたが今回はできなかったではないか?今後もそれが続いた場合お前はどうする?』
『くっ、それは・・・』
『そういうわけだ、現状対処できるのは私か長ぐらいだろう』
『刃くん、どうしょう』
これまで話を聞いてた、リジュが小声で聞いてきた。
『あいにく、俺たちがあーだこーだいう資格はないからな。見守るしかないさ』
『うん・・・』
とわ言え、このままだとあのエルハザードって人がこの村の長になりそうだけどな。
『あの、エルハザードさん。まず長を決めるどうのこうのより現状の解決が先だと思うんですけど。』
キャロが割って入る。
『ん?キャロかそれはどういうことだ?』
訝しげにエルハザードはキャロを見る。
なるほど、そういうことか。
『どういうこと?刃くん』
リジュはまだ分かってないみたいだった。
『聞いてれば分かるよ、リジュ』
『だって、そうでしょ?長を決めたからといって魔獣の襲撃が変わるとは思わないですけど。
本当に結界の状態がいけないのか、もしくは他の要因があるのか。
詳しく調べないとわからないですよね?。
結界のほころびはもう一度施せばいいし、
他の要因なら、それを排除すればいいし。
だよね?キャス』
キャロはキャスの方を見る。
『あ、ああ』
キャスはキャロの勢いをそのままに返事するしかなかった。
『ふむ、そうだな。そういう考えもできるな。』
エルハザードは冷徹な顔でキャロを見る。
キャロはなかなか食えないやつだな。
エルハザードも同じ意見だろうなぁ。
『というわけだ、分かったかリジュ?』
『うん』
『よかろう、それならば魔獣問題が解決してから長を決めるとしよう。』
『ええ、そうしましょう』
キャロは普段と変わりない表示で返事をした。
一旦話が終わるととりあえず皆は各々解散していった。




