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異世界で勇者始めました  作者: 猫まる
第4章 エルフの女王
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魔獣襲来

昨日、森の入り口であったことがある男のエルフが駆け込んできた。



『お、長!大変です。

エルフの森に魔獣が!』


やっと話出そうとした出鼻をくじかれたシェーラさんが聞き返す。


『なんじゃと!?規模はどれくらいじゃ!』

『大型魔獣が五体です。』


シェーラさんはリジュに一瞬見ると歯噛みしたがすぐに顔を変えた。


『すぐに対応するぞ!エルハザードにすぐ伝えて連れてこい。

我も行く!』


そういうとシェーラさんは部屋を出ようとしたが呼び止められた。


『ちょっと待ちなさいシェーラちゃん。

人手が足りないんじゃないかしら?私たちも手伝うわ』


ばっちゃんがそういうと俺たちを見た。


『しゃーねーなぁ。手を貸してやるよシェーラ』

頭をかきながらじっちゃんは言う。

『俺も手伝うよ。大勢の方がいいだろ?』

『私も行きます、回復の魔術もできますし』

『だ、そうだどうする?』


『わかった、姉様たち。

力を貸してくれ。

ただし、すぐに出る良いな?』


『おう!レティは打ち損じしたときのために村にいてくれ。』


『わかりました、刃さんご無事で。』


一旦話がついたところで俺たちは魔獣が現れたところに向かった。


『刃、ちょっといい?

今回は火の系統の魔術は使用禁止よ。

森が火事になったらシャレにならないわ』


走りながらばっちゃんが言ってきた

『わかってる、剣術と火以外の魔術で対応するつもりだよ。

っと、あそこか!』



エルフ達は魔獣と対立していた。

しかし、魔獣の皮膚が硬いのか放ってる矢は魔獣に刺さらず地面に落ちてるのが多数見られた。


『草薙流 紫電一閃!』

走るスピードを殺さず、さらに速度を上げて紫電一閃を放った。

魔獣の隣を通り過ぎた時には魔獣の体は同から真っ二つになった。


『まず一匹!』


後方から魔術の詠唱が聞こえてきた。

『ダークショット!』


じっちゃんの魔術が魔獣に直撃し、絶命。


『行くわよ、リジュちゃん!エル・フーガ!』

『は、はい!リ・フーガ!』

ばっちゃんとリジュが風系統の魔術で圧死させた。


『バッチリね。』

『はい、ユウ様♪』


『我もいるぞー!

エルド・フーガ!』


シェーラさんはエル・フーガの上位版の魔術を使いこれも圧死をした。


残りは一匹か。


残りを倒そうとした時に膨大な魔力を感じた。

『エルド・アイスオン!』


その魔術は魔獣を一瞬に氷漬けにして、バラバラに壊れた。

『これで全てかな?長よ。』


『そのようじゃな、エルハザード』


ふむ、この人が出発前に言ってたエルハザードさんか。

見た目は細っこい人だな、だけど尋常じゃない魔力を感じるな


『ん?貴殿はどなたかな?』


俺の視線に気づいたか。


『初めまして、俺は草薙刃。

昨日からここに厄介なってるものだよ。』


『ほう、お主が。』


さっきまで俺が強さを確かめたのと同じ感じで俺を見てくる。

しかし、すぐ視線はシェーラさんに向けられた。


『それにしても長よ。

これは一体どういうことかな?

魔獣を村にまで入らせるとは警備がなってないのでは?』


シェーラさんは黙っていたがキャスが間に入った。


『な、それは我々が弱かったからだと言うのか!?』


顔を赤面しながらどなっている。


『フン!その通りだが?何か問題あるのか?

お前の役割は森の警備だろ?

それが満足にできないのであれば次期長になれるはずもなかろう?

現にお前は先ほどの魔獣は倒せたのか?』


冷ややかな目でキャスを睨みつけるエルハザード。


『ぐっ。きさまぁー!!』


はぁ、やれやれ挑発に乗りすぎだろ。

殴りかかろうとするキャスの手首を抑えて片手で止める。


『まぁまぁ、その辺でいいじゃない。

次期長とかよくわからんけど、死人も出なかったんだし。

それに、こっちはまだ話の途中だっから戻って話の続きをしたいんだよ。

あ、それとキャスさんの判断は間違ってなかったと思うよ。

魔獣の知らせを教えてくれた男の人に聞いたんだけど、シェーラさんに知らせるよう指示したのはキャスさんなんでしょ?

ナイス判断だと思うよ。

仮に自分で倒すことができない相手なら援軍を呼ぶのは賢明だね』


おっと少し雰囲気が変わったな。


『ふむ、そういう考えもあるか。

だがしかし、次期長はよく考えることだな。

私なのか、キャスなのかを・・・』


そういうとエルハザードは去って行ってしまった。


『それで、シェーラさん。

話の続きを戻ってしてくれるかな?』


『そうじゃの・・・』


そういうと考え込むようにして、シェーラさんは家に戻って行った。


『刃殿、いい加減手を離してはもらえないか?』


ギロリと俺を睨んだ。


『ふぅ、睨むのはやめてよね。

それより次期長とかってなんの話だ?』


『ふん、刃殿には関係のないことだ。』


『そんなこと言わずにいいじゃんか。ね?』


お願いという意味で顔を伺う。


『くっ、この村の次期長を近々決めることになってるのだ。

私とエルハザードのどちらかが』


やっぱりな。

そんなことだろうと思ったよ。


『はぁ、やっぱりそんなところか。

キャスさん、軽率しすぎだね。』


『何!?私のどこが軽率だというのだ!』


『そういうすぐ切れるところだよ。

あのエルハザードって人わざと挑発してただろ?

俺が止めなければ殴ってたんじゃないのか?』


『当然だ!私を愚弄したのだからな。』

怒りながら俺に言ってくる。


『だから、それがだめなんだよ!

いい?

あの時殴ってたらキャスさんの力量はそんなもんだと思われる。

ましてや次期長を競り合ってる相手を殴るだなんて、はたから見てる俺ですらそう思う。


じゃ、この村の人たちはが見たらどう思う?

俺よりもっと酷評するよ。

もう少し冷静に考えなよ。』


『そうね、刃あなたの言う通りよ。』

ばっちゃんが間に入る。


『ばっちゃん』


『キャスさん、あなたは長というものをどういう風に考えてるの?』


『知れたこと、仲間も守り、皆をより良い道へと導くものだ。』


『なら、自分の誇りと仲間の命どちらが大切なの?』


『それは!?・・・・』

気づいたみたいだな。

キャスさんは苦虫を噛み潰したような表情をした。


『もしも、あなたが長を目指すなら。

考え、冷静になることを覚えなさい。

人生の先輩としての意見よ。』


そういうとばっちゃんは長の家に向かって歩き出した。


俺たちもそのあとを追いかけた。


キャスさんは一言も話さなかった。





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