先生!?
一限の授業が終わると、こぞって、みんながレティの前に群がる。
『先生、刃くんが旦那とはどういうことですか?』
『先生、刃より、俺の彼女になってよ』
『先生、先生、先生』
おいおい、勘弁しろよ。
いらんこと聞くんじゃねー。
そこのお前、俺のレティを口説くな!
俺は群がる連中かき分け、レティの前に出るとその腕を掴みまた群がる連中をかき分けて教室の外まで連れ出す。
『それで、なーんでレティがここにいるのかなぁ〜?』
苦笑いしながら聞いてみた。
『刃さん、学院ではアクア先生か先生と呼んでください。
じゃなきゃ教えません』
プイっと顔をあさっての方向を向く。
くっ。
レティめ、自分が有利だと思って。
『先生、どうしてここにいるんでしょうか?』
『はう!刃さんが私の事を先生と・・・
むぅ、これはたまりませんね』
自分で言わせといて顔を真っ赤にさせてる。
『はっ、コホン。
そ、それはですね。
前々から教師の話はあったのですが私も水聖の賢者という立場からおいそれと返事はできなかったのです。
私の変わりも見つけねばならないですしね』
ふむ、そうか主不在の神殿もまずいか。
『でもなんで今回は受けたの?』
『それは、刃さんと出会って状況が変わったのです』
『状況?』
『今回、刃さんは初めてモードを使うことになりました。
今後、ナンバーズ達と戦うようなことがあればそれを使いこなすのは必要不可欠。
刃さん、また直ぐにモードになれと言われてできますか?』
モード・・・
『いや、直ぐにはできないと思う』
あの時は無我夢中だったしな。
『ですので、わたしが刃さんを鍛えるために教師を引き受けたのです。
今回、刃さんがモードを使えると知らなかったから勝てたと思います。
ナンバーズと刃を交えた時、どうでしたか?
わたしの見立てではモードを使って互角ぐらいだと思いました。
もし、モード使う前に襲われたら勝てますか?』
びっくりした、さすが水聖の賢者だな。
『レティ先生には驚かされるな。
全くその通りだ。
モードを使えて互角ぐらいだと思う。
レティ先生は俺がモード使いこなせると思うか?』
俺はレティを見つめながら問う。
『大丈夫ですよ。
わたしがしっかり教えます。
わたしの旦那様は強いと信じてますから♫
放課後、早速修業の時間に当てますからね』
『分かったよ。それじゃ修業をお願いします。
レティ先生』
俺はレティに頭を下げてお願いした。
話がひと段落した時、次の授業のチャイムがなった。
『さぁ、次の授業が始まるね、レティ先生。
教室に入ろう』
教室に戻ろうとした時、レティが耳元で囁いた。
『学院では先生でも、学院から出れば普通にレティと呼び捨てに呼んでくださいね。
旦那様♫』
そういうと顔を真っ赤にさせて教室に入って行った。
その言い方は反則だろうレティ。
レティに続いて俺も教室に入って行った。




