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異世界で勇者始めました  作者: 猫まる
第3章 水聖の賢者
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話し合い2

《刃視点》

『行ったか』

レティ達がキッチンに向かうのを見届けると俺は、じっちゃんに気にかかることを問いかけることにした。


『じっちゃん、グリーンを操ってたやつのことなんだけど。

ナンバーズって知ってるか?』


『いや、知らねーな。バルトハートは知ってるか?』

じっちゃんがバルトハート先生に話を振る。


『私も聞いたことがないねー。そのナンバーズという輩がどうしたのかい?』


『どうやら、グリーンをモンスターと合成させたクリスタルはナンバーズが作ったものだと思う。

あと、敵は複数。

そして、1番気になるのがあいつ《閃花》を放ったんだ』


『あ、それは俺も思った、なんであいつは閃花を知ってたんだ?おいそれとはできないだろ?』

ガイも気になったみたいで食いついてきた。


『ほうー』

腕を組みながらじっちゃんが考え始めた。


『まず一つ一つ考えていくぞ。

そのクリスタルが奴らが作ったという考えは?』

指を一つ立てる


『あいつが、実験って言ったんだ。持ち帰らないと怒られるとも。

だから奴らが作ったと睨んでる』


『なるほどな、次の複数っていうのは?』

次にじっちゃんが2本目の指を立てる


『ナンバーズという言葉と背中のローマ数字の3。

少なくとも3人以上はいると思う。

こっちは感だけどね』


『まあ、お前の感はよく当たるからな。

最後の三つ目だがわからんな』

最後に3本目の指を立てながら言うじっちゃん。


『そもそも、閃花は草薙流を作った時に考えて作った技だぞ?

この世界から地球に移ってから作った技だから知ってるはずがない。

お前の技を見たから似たような技で技名だけ言ったんじゃないか?』


うーん、そうなのか?

剣筋がどことなく、草薙流に似てたんだよなぁ。


『まぁ、またそいつに会うことがあれば直接聞け、刃。

いくら考えてもわからんときはわからんもんだ』


そうだよな。

話が一区切りするとタイミングよくばっちゃん達がお茶を持ってきてくれた。


『ありがとう、レティ』

レティが俺の前にお茶が入ったカップを置いてくれた。


『さぁ、全員にいきとどいたかしら?

お茶菓子も前もって用意しておいたからつまんでね。』


『じゃ、いただきます。

・・・ん!

このお茶すごく美味しい!!』

一口、口の中にお茶入れるとお茶の華やかな香りが鼻から抜けていった


それからみんなも同じような感想を言った。


『刃、みんなに入れたお茶はね。

レティちゃんが入れてくれたのよ。

よかったわね、こんな美味しいお茶を淹れてくれるお嫁さんで』


嬉しそうに、ばっちゃんが言う。


『はわわわ、ユ、ユウ様!

私だけじゃないです。

ユウ様やリジュさんが教えてくれて、手伝ってくれたからですよ』


『いえいえ、私は大したことはしてませんよ。』


リジュも多分手伝だったんだろうけど、レティの手柄にしたいのかな?


『そっか、リジュもレティのこと手伝ってくれたんだね。ありがとう』

あ、リジュも顔が真っ赤だ。


『レティもありがとう。

こんな美味しいお茶を淹れてくれて』


わからないことが多くて、モヤモヤしてた気持ちがレティ達の入れてくれたお茶のおかげで気持ちがスッキリだ。


ありがとう、レティ、リジュ、ばっちゃん。


『お姉ちゃんがこんな美味しいお茶入れられるなんて驚きだよ!?』

『キュア!あんたねー、私だってやる時はやるんだからね!』

キュアが驚きの反応をすると、レティが不服を言う。


『えー、だってお姉ちゃん神殿で料理したら真っ黒焦げにしたり、掃除したらもの壊すじゃない。

洗濯なんて色移りはするわ、穴が空いたじゃない。』

やれやれという顔でいうキュア。


『うー、だってそれはちょっと失敗しただけじゃない』

レティは両手の人さし指同士をツンツンして落ち込んだ。


う、なんかかわいい。

『まぁまぁ、いいじゃないの。

これから少しずつ覚えていけば、私が教えるから安心しなさいレティちゃん』

『ユ、ユウ様〜、ありがとうございます』


『なんなら、キュアちゃんも教えてあげるわよ?』

『本当!?おばあちゃん、教えて♫』


ばっちゃんもキュアも楽しそうに話をする。


『良かったな、レティ。

ユウ様に花嫁修業をつけていただけるなんて。友として嬉しいよ。

ふふふ』


バルトハート先生は嬉しそうにレティに話し出した。


『バルトハート、ありがとう』


『ああ、そうだ。話は変わるがあの返事はどうなるかな?』

『あの話?もしかして手紙の?』


なんのことだ?


『あの時より君の状況、刃くんたちの状況は変わったからこそ受けて欲しいと思う。わかるねレティ?


バルトハート先生は真面目な顔でレティと話を続ける。


『・・・・・わかってるわ、あの話を受けるわ。』


しばらく考えた後レティは承諾をした。


『レティ、その話ってのはなんなんだ?

俺にも関係することなのか?』


『えっと、それは・・・』


『おっと、レティ。

それ以上はまだ喋っちゃだめだよー』


バルトハート先生が待ったをかけた。


『バルトハート?いいでしょ?』

『ダメダメ、こっちの調整だってあるんだからトップシークレット』


『でも、刃さんに隠し事はうーん。』

するとバルトハート先生はレティの耳元でごにょごにょと囁いて時折俺の顔を見る。


その度にレティは真っ赤になりながらぶつぶつつぶやいていた。


話が終わると、平静を装いつつレティ言う。


『刃さん、ごめんなさい。やっぱり言えないみたい。』

『そうそう、刃くん。

旦那はどっしり構えるもんだよ』


『むう、仕方ないか』

しょうがないな、多分今の時点では喋ってくれないだろう。


『さて、世も更けてきたね。

そろそろ私はおいとましょうかな。』


バルトハートは、そういうと帰って行ってしまった。


『それじゃみんなも解散する?』


皆も、そのつもりで部屋に1人2人と帰って行った。

『レティ達とばっちゃん達は客間を使ってね。』


こうして長かった1日がおわった




次の日、学院は普通に授業があるため俺たちは登校する。

レティ達は二、三日入る予定だったはずだから、学院が終わる頃に街を案内することになっていた。


俺たちが教室に入るとすぐにチャイムがなり入り口から担任が入ってきた。


『さぁ、みなさーん席についてくださーい。

ご報告がありまーす。』


そういうと入り口からバルトハートと見知った人物が入ってきた。


『やぁやぁ、みんな元気かい?

今日はこのクラスに新しい先生を連れてきたよ。

ほら挨拶して。』


バルトハートがその見知った人物に挨拶を促す。


『み、み、みなさん初めまして。

今日から副担任としてこのクラスの担当になりました。

レティ・アクアと申します。

教師は初めてで、至らぬ点もありますがよろしくお願いします。』


ぺこりと頭をさげる。


俺やガイ達は口をあんぐりしたまま一言も喋れなかった。


『そうそう、刃くん、旦那になるだからレティを面倒を見てやってくれよ』


バルトハート先生は余計な補足をつけて教室から出て行った。


ガイ達、事情を知ってる以外の女子からは興味津々の眼差しと男子から嫉妬に近い視線を一身に受けることになってしまった。


『あー、もう!何を言ってくれてんだあの先生は!?』


こうして、波乱な学院生活がスタートした。





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