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異世界で勇者始めました  作者: 猫まる
第3章 水聖の賢者
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話し合い

《レティ視点》


ユウ様に誘われてリジュさんとお茶を淹れるため、

キッチンに向かった。


『さて、早速準備しましょうか。』

ユウ様のその言葉がスタートで準備を始める。


ええと、ええと、何からすればいいんだっけ?

あわわ。


『リジュちゃん、茶葉はどこにあるかしら?』

『あ、茶葉はその戸棚にあります』

リジュが茶葉を取り出す。


『レティちゃんはそこの棚のカップを用意してくれるかしら?』

『はひ、はい。わかりました』

ガチガチでもうどうしたらいいかわかんないよー。


『ふふふ、レティちゃん落ち着いて。

練習のために、レティちゃんも呼んだんだから。』

頭を優しく撫でてくれるユウ様。

その撫で方はどこか、刃さんに似ていた。


『あっ。』

『別に失敗してもいいのよ。何度も練習すればいいんだし』


その言葉を聞いたらストンと気持ちが落ちいてしまう。


『落ち着いたみたいね、さて刃の話でもしながらお茶を淹れましょうか』


ユウ様はリジュさんから茶葉を受け取りながら話し出した。


『まずは多めにお湯を沸かしてね。

レティちゃんは刃のどこに惹かれたのかしら?』


ポットに水を入れて火にかける。

『ええええ!いきなりですか?ユウ様。

そ、その、初めて会った時に私とキュアが盗賊達に襲われてた所を刃さんに助けてもらった時に後ろ姿がカッコよくて、それにすごく紳士で裸に近かった私に自分の上着を貸してくれたんです。』


私は顔を真っ赤にさせながら言った。

はうー、恥ずかしいよー。


『ふふふ、なるほどね。

刃に一目惚れしたのね。あの子も成長してるみたいで嬉しいわ。

リジュちゃんも刃に一目惚れしたわよね?』


え?そうなんですか?

リジュさんの方を向くとリジュさんも顔がすぐに真っ赤になっていた。


『ユ、ユウ様!

いきなり言っちゃうなんてひどいですよ。』


『あら、いいじゃない。

ここには女性しかいてないんだし』

あ、リジュさんと目線があってしまった。


『えーっと、私の場合は刃君がガイ様と決闘した時にガイ様の魔法が私の近くで爆発して、怪我をしたんです。

雇い主のガイ様に怪我をさせられても普通は文句なんて言えないんですけど、刃君は雇い主だろうがそんなこと関係ないって怒ってくれてガイ様を倒しちゃったんです。

そこからですね、一目惚れしたのは。。

私のためにあんなに怒ってくれたのが刃君が初めてでした。』


『うんうん、そうだったわね。

あのあとガイ君にはみっちりお説教して、ちゃんとリジュちゃんには謝らせたし刃とも仲直りして今は仲のいい友達だから私も一安心だわ』


『え!?ガイ様にお説教ですか!?

ガイ様は王族ですよね?いいのですか?』

まさかのお説教という言葉が出てきたけど、いいの!?


リジュさんは苦笑いしてる。

『あはは・・・・』


『いいのよ!女の子に怪我をさせたのよ。

王族だろうが関係ないわ、悪いことしたなら謝る。

あら?ポットが湧いたわね。


レティちゃん、そのお湯を少しだけカップと小さなポットに入れて温めてもらえる?』

満面の笑顔で答えるユウ様


『は、はい。

こうですか?』


ユウ様の言う通りにして、カップとポットを温める。


『いいわよ、それじゃそのお湯を捨てて、ポットに茶葉を人数分の量を入れてお湯をいれてちょうだい。そのあとは触らず少し蒸らしてね。

振ったりするとえぐみや渋みが出るからね。

蒸らしが終わったら、カップに注いで終わりよ。

簡単でしょ?』


言われた通りにお茶の準備を進めていった。

そして、カップにお茶を注いだ瞬間、今まで自分が入れたことがないくらいの香りのいいお茶を淹れることができた。


『あっ、いい匂い』


『レティさん、すごい上手いですよ』

リジュさんが褒めてくれた。


『うんうん、いい感じね。さぁ、持って行きましょうか』

台車に今入れたばかりのお茶台車に乗せ運んでいく。


刃さんのところまで持って行き、みんなの前にお茶を次々と置いていく。


『ありがとう、レティ』

刃さんが優しく微笑んでくれた。


『さぁ、全員にいきとどいたかしら?

お茶菓子も前もって用意しておいたからつまんでね。』


『じゃ、いただきます。

・・・ん!

このお茶すごく美味しい!!』

刃さんは一口飲むと感想を言ってくれた。


それからみんなも同じように褒めてくれた。


『刃、みんなに入れたお茶はね。

レティちゃんが入れてくれたのよ。

よかったわね、こんな美味しいお茶を淹れてくれるお嫁さんで』


ニコニコとユウ様が言ってくれる。


『はわわわ、ユ、ユウ様!

私だけじゃないです。

ユウ様やリジュさんが教えてくれて、手伝ってくれたからですよ』


『いえいえ、私は大したことはしてませんよ。』


ちょっとリジュさん!?


『そっか、リジュもレティのこと手伝ってくれたんだね。ありがとう』

あ、リジュも顔が真っ赤だ。


『レティもありがとう。

こんな美味しいお茶を淹れてくれて』


凄く凄く嬉しかった。

私はこの日のことを忘れないようにしようと思った。

ありがとうございます、リジュさん、ユウ様





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