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異世界で勇者始めました  作者: 猫まる
第3章 水聖の賢者
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解決そして告白

グリーンを倒した俺は、リジュ達の元へ向かった。

その時、後方の木の上に気配を感じた。


『閃花!』

『ふぅ、閃花。』


振り向きざま、剣閃を放つと気配を感じたところには先ほどのフードの男が立っており、同じく剣閃で相殺した。


『なっ!?閃花だと?』


パチパチ♫

男は、木からおり、拍手をしながら近寄ってくる。

『いやぁ、びっくりしたよー。

まさか、グリーンを倒すことができるなんて。

7対3の割合で負けると踏んでたんだけどねー。

うんうん、楽しませてくれる。』


男はそういうと足元から何か拾った。

あれは、グリーンが持っていたクリスタル?


『これを回収するのを忘れていてね。

危うくおこられるところだったよ。

あと、君に用事があってね。』


フードの奥から視線が感じる。

『へぇー、ちょうどいいぜ。

俺もお前に幾つか聞きたいことがあったんだ。

所詮グリーンもお前のコマだったって訳か?』


再度レヴァンテインを抜き、構える

男は構えようともせず、普通に話しかけてくる



『グリーンなんて、コマにもならないさ、

ただの実験動物だね。』


こいつ、隙がない・・・

『お前の目的はなんだ?グリーンをけしかけやがって。

それに、そのクリスタルはなんだ?』


『ふむ、目的は言っただろ?実験さ。

このクリスタルのね。

グリーンをけしかけたのは君と鉢合わせするためだね。

おっと、これ以上はまだ言えないよー。

もっと強くなったら教えてあげる♫

さて、用事も終わったし、帰ろうかな。


ああ、そうそう僕は【ナンバーズ】覚えておいてね。

ではまた、会おうね。刃ちゃん♫』


『ま、まて!』

男はそういうと姿を消した。

気配もすっかり消えてしまい完全に逃げられてしまった。


ナンバーズか・・・・


ナンバーズが消えるとリジュ達が近づいてきた。

『刃君、大丈夫?』

『ああ、心配ないよ。

それよりリジュの方は大丈夫か?』


ぎゅと抱きしめる。

そしてお互いの無事を確かめる。

しばらくするとリジュから離れ、真剣な表情で俺を見てくる。

『レティさんをお願い。』

『リジュ、それって・・・』


目が語りかけてくる。

『わかってたのか?

リジュはいいのか?それで?』

『当たり前だよ、私は刃君の妻だよ。

何を思ってるのか、わかるし。

それは私も望んでることだよ。

レティさんだから許すんだからね。』


はぁ、まいったな一生リジュにはかなわない気がする。

『ただし、えこひいきは無しだよ!』

『わかってる、2人とも悲しませるようなことはしない。

同じように愛する。俺の仁義に誓う』


そして、俺はリジュにキスを交わす。


『頑張って、刃君!』

リジュは俺から離れ俺の背中を押してくれた。



目の前には、レティさんがいた。

『レティさんは怪我はない?大丈夫?』



『はい・・・、怪我はないです。大丈夫です』

レティはうつむきその長い髪のせいで顔は見えない。

でも、涙ごえで返事をする。

それを聞いた、俺はレティさんを抱きしめた。


『レティさん!』

『グスっ え?え?え? 』

俺は優しく抱きしめると頭を撫ぜた。


『よく1人で頑張ったね。

偉いよ。尊敬する。』


『グスっ そ、そんなことないです・・・私1人では2人を助けることは

できませんでした。』

『そんなことないさ、2人を助けるために頑張ったのはわかるよ』

『刃さん、私は、私は、うぅ〜〜〜〜〜』


レティは涙を流し続ける。

俺は変わらず抱きしめつづけ、頭も撫で続ける


『私、私、リジュ達を助けるために必死でした。

魔術を封じられて、魔術を使えなかったら私ができることなんて少なくて

でも、2人を助けたくて必死でした』

『うんうん、そうだね』

『盗賊達のいいなりになって服を脱ぐなんていやでした!

裸を見られるなんていやでした!』


レティの顔からは変わらず涙が溢れて流れていた。

『私は、頑張りましたよね?刃さん?ウゥ〜〜〜〜〜』

『ああ、頑張ったよ。わかってる』


さっきより一層力を込めてだきしめる。

レティの顔は、俺の肩付近にある。

今は顔色が見えない。

『レティさんは頑張ったよ。』

『ありがとうございます。

刃さん・・・・私は、あなたが好きでした。

でも、私は盗賊達に裸を見られて汚されました。

あなたを好きになる資格がない女なんです。

この抱きしめてくれたことは忘れません。

この思い出を胸に、生きていきます。

もう、2度とあなたと会いません。リジュさんを大切にしてください。』


泣き顔だった顔は無理に笑顔を作り別れの挨拶をして、俺の元から離れようと腕を解き走り出した。

でも、俺はそれを許さないとレティさんの腕を掴んだ。


『レティさん!』

『いや、離してください!刃さん!』


俺には顔を見せまいとし、腕を解こうとふるが俺は腕を離さない。


『離さないよ、レティさん。

落ち着いて話をしよう。』

『離してください!私はあなたを好きになる資格がない汚れた女なんです!』


このままじゃ、一生会えなくなるのを俺は感じた。

だから、強行だけど行動する。

俺は、レティさんを後ろから抱きしめた。

『離さないよ、レティさん

絶対離さない、俺の話を聞いてくれ』


『あ?え?え?・・・・・・刃さん?』

よほどびっくりしたのか一瞬顔を上げたレティさんだけど後ろから抱きしめてる俺からは顔が見えない。


『俺は、レティさんが汚されただなんて思ってないよ。

レティさんはいまも変わらず綺麗なままだよ。』

『そ、そんなことないです!私は汚れた女です!』

『いいや、違うね。汚れてない!あなたのその気高き魂と心は汚されてない!』

『刃さん・・・・』


強く抱きしめる。

『誰がなんと言おうと。

そう、レティさん自身が言おうとも俺は何度でも言ってやる。

あなたは汚されてない!綺麗だと!

レティさん、俺はそんなあなたが大好きだ!』


俺は続ける。

『レティさんは、もう俺のことは嫌いか?』


『・・・・・・.そ、そんなことないです。

・・・・・・好きです。

私はまだあなたのことが好きです。

でも、私は汚されたんです。』


抱きしめていた、腕に水滴が落ちる。これは涙だよな。

俺は腕を解きレティを半回転して、俺の真正面に顔を体ごと向かせる。

『レティ!』

『え?刃さん!?』


俺はレティさんに抱きしめキスをした。

あまりのことに目を開きビックリするレティさん。


『ん、んぅ〜〜〜んぁ』

長いキスが終わると俺とレティさんの唇からは架け橋ができて一瞬でそれは崩れた。


『レティ!お前の汚れてなんてない。綺麗だ!』

『刃さん・・・』


『レティ!俺の嫁さんになってくれ!!!』

『!?どうして、どうして私を離してくれないですか?放っといてくれないんですか?』

『決まってる、好きだからだ!』

俺はレティの顔を見つめ、話し続ける。


『わたしは、あなたのことをあきらめようとしたのに・・・』

そう言いながらまた涙が流れ始める。

『私は、あなたよりかなりの年上ですよ。』

『知ってるか?俺の世界は年上の女性は人気あるだぜ。』

『私は、今まで誰ともお付き合いしたことないですよ?』

『男の俺がリードするさ』

『私は、我がまま言うかもしれないですよ?』

『ドンと来いだ!』

『私は、私は、・・・・んぅ』


俺はもう1度、長く長くキスをする

そしておれは、レティさんの心に届くように叫ぶ。


『全て受け止める!俺の嫁になれレティ!!!』


『ひぐっ、えぐっ、いいんですか?刃さん〜〜〜〜〜〜』

今までで一番大泣きし、抱きしめた。


しばらくすると、レティは落ちついたみたいだ。


レティはおれから離れリジュの元に行った。

おれはそれを見守ることにした。


『リジュさん、私は刃さんのことが好きです。

刃さんとのことを許していただけますか?』

リジュは俺を1度見ると頷き答えた。


『2人で刃君を支えましょう、レティさん』

リジュは笑顔で答えた。

そしてレティの手を握り俺に言った。


『刃君、愛する時は同じように平等に愛してね』


俺はその言葉を胸に刻みつけるために胸を叩き、宣言する。

『ここで、誓う!俺は2人を分け隔てなく愛する!』


この日、俺に2人の嫁さんができた。



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