誘拐2
【リジュ視点】
『んー、いい天気だね』
今日はユウ様に頼まれてお使いをしている。
ミルクちゃんとミリシャちゃんも一緒だ。
『リジュさん、あと何件まわるんでしたっけ?』
『えーと、魔術師ギルドと道具屋とあとは市場だね』
『うーんまだ結構おおいですね、若様たちと合流するには時間がかかりそうですね』
『そうだね、まぁいろいろお店が見れて楽しいけどね
ガイ様たちにお土産とかも買えるしね』
うんうん、ミリシャちゃんの言う通りいろいろ見れて楽しい。
『リジュの場合はユウ様のお役に立てることが楽しそうだよね』
ミリシャちゃんは的確に私の心を読んだみたいに答えた。
『うん、ほら私って昔にお母さんたちを亡くしてるし、家族ってものに憧れがあったんだ』
『なるほど』
『だから刃君と結婚するってことはユウ様やマオ様の家族になるってことだし、すごく嬉しいの』
家族になると考えるだけで心が温かくなる。
昔には考えられなかったことだよね。
『ミルクちゃん、ミリシャちゃん、このままだと
時間かかるし手分けして買い物しない?
1時間後にこの広間に集合で。』
『はい、わかりました』
『うん、私もそれでいいよ』
『じゃ、市場は私が行くから、ミルクちゃんは道具屋、ミリシャちゃんは魔術師ギルドをお願いしていい』
『『了解♫』』
それから、私たちはそれぞれ分かれて買い物をすることになった。
『えーと、あれと、これは買ったし。揃ったかな?
あっ!?いけない!頼まれてた、果物忘れてた。
たしか、柑橘系の果物あっちでさっきみかけたよね。』
きた道を戻り小道を通った時に、見知った顔を見かけた。
あ、あれってキュアちゃんだ。
レティさんは見かけないけどはぐれたのかしら?
『キュアちゃーん! えっ!?』
いきなり、キュアちゃんがガラの悪そうな男の人たちに袋を被せられ、運ばれてしまった。
『いけない!追いかけなきゃ』
私は、荷物を抱えながらキュアちゃんに向かって駆け出した。
『ごめんなさい、そこ通してください!』
行き交う人を交わしながら、キュアちゃんをさらった男たちをおうと、突き当たりを曲がった。
もう少しで追いつくところで、背後から囁かれた。
『クスクス♫、まだ君の出番には早すぎるんだよね。
大人しく寝ててもらおうか。さて、刃ちゃんはいつ気づくかなぁー。
クスクス♫』
振り返ると黒のフードの人に何かを嗅がされ、意識が途切れた。




