予兆
翌日の早朝
『ほら、キュア。
早く準備して、街に行くわよ。』
朝から、お姉ちゃんは街に行くための準備を世話しなく動いていた。
『お姉ちゃん、まだ日が昇ったばかりだよ。
いくらなんでも、早すぎ!
朝ごはんもまだ食べてないんだからね』
まったくもう、刃に早く会いたいのは分かるけど周りをよく見てよね。
見習いの子達もまだ数人しか起きてきてないのに。
『うっ、それもそうね。
とりあえず顔洗ってご飯にしましょ』
お姉ちゃんは図星を当てられて気まずそうに答えた。
『はいはい、わかりました』
朝食後、やっぱり準備を急かすお姉ちゃんを落ち着かせて自分の準備を進めていく。
えーとあれとこれは入れたし、あっあれも必要か。
よし準備万端!!
『おまたせ、お姉ちゃん』
こうして私たちは神殿を後にし、街へと向かった。
道中は何事もなく、天気も良くていい感じだ。
『お姉ちゃん、そういえばどこで刃たちと会うの?』
『えーっと、バルトハートには学院で会うことになってるわね』
お姉ちゃんは手紙を懐から出し、中身を確認してる。
バルトハートって確か学院長だよね?
あったことないけど。
神殿から街道に出て、街に向けて進んでいった。
街の入り口には、門番が立っていた。
『こんにちは、今日はいい天気ね』
『ええ、ここ最近は、てんきがいいですね』
『ちょっと、道を尋ねたいんですけどイリーフィント学院はどう行けばいいんでしょうか?』
『ああ、それなら中央広場から西に進んでまっすぐに行ったらありますよ』
『ありがとうございます』
お姉ちゃんは親しげに門番の人と話をしてた。
私たちが、そちらに向かおうとすると門番の人が後ろから声をかけてきた。
『ああそうだ最近、街中でもガラの悪いのを見かけますので気をつけてくださいねー』
『わかりました』
こうしてまずは中央広場に向かい歩いて行くと道の脇にはお店や露店が所狭しと並べられてる。
普段から神殿暮らしだと珍しいのもたくさんあって見てて楽しいわね
『あ、これはあの子に買ってあげて。この髪留めはあの子にしよう』
『キュア、寄り道してないで学院に行くわよー』
『あーん、お姉ちゃん待ってよー。お留守番してる子達のお土産見てたんだからぁ〜』
『あの子たちのはまた、帰りに買っていきましょう。
大荷物持ったまま歩き回るのは大変でしょー』
はぁ、それもそうかぁ。
気づいたら結構先までお姉ちゃんは歩いていた。
私は、お姉ちゃんの下に行くため歩き出すと、横の脇道から腕が出てきて何かを嗅がされた。
そして、私の意識はそこで無くなった。




