夢物語4
「あんたを封印しようと思ってとっておいた切り札があるんだけど、どう?」
勇者の顔からは緊張した顔が見て取れる
「ほう!俺もお前用にとっておきの時空禁術を開発していたぞ。」
魔王も緊張した顔が見て取れる
「ただし、一発限りの切り札(だけどね!)だがな!」
緊迫した中で二人の声が重なり、自然と笑みが溢れる。
「魔王!これからは名前で呼んでいいわよ
あたしの名前は『アーサー・フィンシュトラーゼ・ユウ』ユウでいいわよ!」
「フッ」
「ユウか、良い名だな。」
魔王は、不思議なきもちになっていた。命を狙っていたもの同士がお互いの背中を預ける相手になっていたことを。
「ユウ!俺もお前に名前を預ける。俺の名前はロイ・イリーガル・マオだ!マオと呼べ!」
言い終わると同時に二人はかけ出した!!
「マオ!少しでいいから奴の意識をそらせて!」
走りつつもマオは頷き。魔力を高め始める。
「任せろ!うぉーーーーー!
バーストグレイヴァ!!」
マオは両手を翳すと同時に数えきれないほどの魔法陣を出現させ光弾を弾幕のように放つ。
その光弾はユウの姿が認識できないほどの数で向かっていった。
「今ね! レヴァンティン(開放)!」
ユウの剣が輝きまし、形が変わる。
その姿は神々しく美しかった。
ユウの駆け出す速度が上がり、まるで巨大な光の剣となってゼノンに向かっていく。
「はぁーーーーーーーーーーーー!!」
マオの光弾のせいでゼノンはユウの一撃を交わすことができなかった。
「ぐはっ!!」
ゼノンは剣を抜こうとするがそこに畳み掛けるようにユウは叫ぶ!
「クロノ・レヴァン!!」
剣から光の鎖がゼノンに巻き付き光の柱となっていく。
「こ、こんなことが・・・ゆるさん!ゆるさんぞ!!勇者!魔王!」
ゼノンが力を開放しようとし、柱に変化していく鎖を引きちぎろうとした。
「ユウ! 離れろ! これで仕留める!」
「だめよ!私が押さえてないとこいつは封印から解ける。私ごと禁術を!」。
「くっ、お前を一人でいさせるか!」
マオはユウと一緒に剣を握り魔術を放った
「(クロノ・チェイン)」
ゼノンの動きが少し収まるが完全ではない。
ユウもマオも完全に封印を仕切ることができないと直感で感じた。
そして二人は仲間たちに叫ぶ
「聞け!おまえら!
こいつは完全には封印できねぇ!!」
マオは苦い顔する。
「だからこいつを時空の彼方に俺達ごと飛ばす!だがこいつは封印をやぶりいつかもどってくるはずだ、それまでに強くなれ!!」
ユウも叫ぶ
「マオの言う通りよ、何とかこいつを倒せる方法をみつけて!あたしたちのチャンスを生かして!さよなら、みんな。」
「マオ!やって!」
「すまない、ユウ。いくぞ!!」
「時空禁術」
魔術発動と同時に時空の渦が光の柱となったゼノンとユウとマオが吸い込まれ、時空の渦は閉じてしまった・・・。
「マオ様――!ユウ様――!!」
そして周りには生き残された仲間たちが二人の名前を叫びつづけたのだった・・・・。