使い魔召喚2
 
皆が使い魔召喚を終え、最後に俺の番が回ってきた。さて、どんな使い魔が現れるんだろう。
 
『刃君、準備はいいですか?』
『いつでもOKですよ』
 
俺は、魔法陣の中心に行き準備完了を伝えた。
『じゃ、はじめてください』
『はい』
 
俺は、輝力も魔力も使えるけど魔力を込めることにした。
 
すると、皆と同じように徐々に魔法陣が輝き始めた。しかしその時に皆と違う現象が現れた。
 
『え? 先生! なにこれ!?先生輝力が体から抜けていくんですけど?』
頭上に新しい魔法陣が現れ光輝き始めた。
それにともない、俺の中から輝力が吸い出されてる感じがする。
 
『刃君とりあえず落ち着いてください、今中断するほうが危険です。 魔法陣を安定させるように魔力と輝力を魔法陣に込めてください』
『そ、そんなこと言われても難しいですよ』
『皆さんは後ろに下がってください。魔法陣が暴走しかけてますのでもしかしたら危険かもしれません』
 
ええーーー、今先生って危険って言ったか?危険の中心にいる俺が一番あぶないだろというか何とかしてもらいたい。
 
『くぅ、このこれでどうだ』
俺は、今までしたことなかったが魔力を出しつつ輝力も出すように集中する。これがまたすごく難しい魔力に意識を込めすぎると輝力が疎かになって輝力に意識を込めすぎると魔力がよわまってしまう。。だけど、だんだんコツが掴みかけてきた。
 
『先生、これを安定させたらどうしたらいいんだ?』
『刃君、そのまま使い魔召喚すればとりあえず魔法陣の暴走は収まりますので召喚しちゃってください』
『わ、わかりました』
俺は、輝力と魔力を同じぐらいに高めていった。そしてその時が訪れた。
 
『今です、刃君』
『はい! 草薙刃の名において命ずる我が魂と血に従う者よ我が前に現れいでよ!』
 
召喚詠唱すると足元と頭上に浮かんでいた魔法陣が輝きをまし、辺りを光に包んだ。
 
『ぶっはぁ、つかれたー』
俺はその場でしゃがんで肩で息をしていた。
依然とあたりは光っていたが光が収まると目の前に2つの目と目があった。
 
『ん? っておわ! びっくりした』
俺はびっくりして尻もちをついた。
これって俺が召喚したやつだよな?
 
『刃君、大丈夫ですか?ってなんですか? この生き物は!?』
 
先生がおもいっきり慌ててるそりゃ慌てるもんなぁ。
 
だって出てきたのって完全に動物園とかで見かける虎だもんなぁ。
 
『がぉおおおおおおおおん!!』
 
先生の様子を見てたらいきなり、虎が吠えた。ただ吠えただけならそこまでびっくりしないけど、どうもプレッシャが感じるんだよなぁ。
 
皆を見ると動けないでいる。中にはブルブル震えてる女の子とかいる。
『皆さん、さがってください! 危険です。ここは先生が対処します』
 
先生が魔法を詠唱し始める。
おいおい、召喚したばかりで倒しちゃうつもりか?
 
『ちょっちょっとまって!』
俺は先生と虎の前にでて先生を説得する。
 
『刃君、どいてください。その動物はなんだかわかりませんが危険です!』
 
『まってまって、俺が召喚したんだしもうちょい待って』
先生の詠唱が途中で中断して魔法が霧散した。、
 
俺は虎に向き直り再度、虎と目があう。
その時に虎の声が聞こえてきた。
(ここどこ? 俺はだれ? お前誰?)
虎が喋ってる?すげー虎喋ってるよ。異世界の虎はしゃべるのかぁ。
 
『おちつけ、ここは王立イリーフィント学院ってところだ。お前のことは知らないけど俺は草薙刃っていうんだ。俺の言葉わかるか?』
俺は虎に視線を合わせるためしゃがみながら虎と話をする。
(言葉わかる、刃は俺のこと知らない?)
『ああ、しらない。ただ使い魔召喚をしたらお前があらわれたんだ』
 
そのとき、ガイの使い魔のシンクがはなしかけてきた。
 
(刃、そいつは生まれたばかりの精獣だな)
『え、そうなのか?じゃぁ俺が産みの親か?』
(そういうことだな)
シンクが虎をじろじろ見る。
 
『そうか、そりゃ生まれたばかりでこんなに人がいてたらびっくりするよな?』
まいったなぁ、俺が原因で精獣を生みだしまうなんて。
 
『なぁ、お前びっくりして吠えちゃったのか?』
俺は虎に話しかける。
(うん、おれびっくりした)
 
やっぱしそうか。
こいつ、目が優しいんだよなぁ。
だから、こっちがしちゃダメなことを教えてあげればいい気がする。
 
『ここにいる人たちはいい人達だからほえちゃだめだぞ』
(ほえちゃだめなの?)
『ああ、お前のこと怖がっちゃうしな』
(わかった俺吠えない)
こいつ話すと聞き分けがいいな。
 
『なぁ、俺がお前の親みたいだけど力を貸してくれないか?』
(力を貸す?)
『ああ、難しく考えたらわかんなくなるだろうから友達になってくれるか?』
(友達?わかった。 俺刃好き。 俺力かす )
 
『じゃぁ契約するか、あっ名前がないと契約できないんだっけ?お前名前ないよな?』
 
(俺、名前ない。刃名前付けて)
『わかった、ちょっとまて』
 
俺は虎を再度見る。
見た目は虎だ。それは間違いないんだけど色が白黒なんだよなぁ。いわゆる白虎ってやつだなぁ。白虎なんて空想のいきものだって思ってたぞ。
 
まぁ、とりあえず名前を決めるか。
虎・白虎・白・黒・・・・・・
 
うーん、普通に虎って呼ぶのは違うよなぁ。
どうせならコイツの特徴の白黒模様を活かすか、
白は雲・白・ハク・いや白虎のビャクがいいか?
黒は闇・黒・墨・うーん悩むなぁ
ん?まてよ何かが頭をよぎった。
夜・・・・確かに黒に近いよな。
 
『決めた!お前の名前は白夜だ』
(俺、ビャクヤ?俺の名前?)
『ああ、お前の名前は白夜だ』
(刃、ありがとう。俺刃好き)
白夜は俺の顔を舐めてくる。
 
『ちょっちょっとまてくすぐったい。その前に契約しなくちゃほら』
(わかった、俺契約する)
 
そして、俺は白夜と契約をかわした。
契約が終わると拍手喝采。
まぁ、なんとか無事契約を交わせてよかった。それにしてもすげーつかれた。
 
『これから、よろしくな白夜』
(よろしく、刃)
そして、白夜に顔をなめまくられたのだった。
 
――学院長室―――
『ふむ、ユウ様とマオ様のお孫様は本当に規格外で面白いですな』
学院長のバルトハートがユウとマオに話す。
 
『そうだな、なんせ俺の孫だからな。くくく』
『そうね、刃の場合は枠に収まることが少ないものね』
ユウとマオが楽しそうに話しだす。
 
『まさか、精獣を生み出すなんてこれからがたのしみですね』
バルトハートは頭をぽりぽり掻きだす。
 
『まぁ、刃だからなぁ』
『刃だからよねぇ』
 
『ふふふふ』
『くくく』
『ふふふふ』
学院長室は
人の笑い声がひびいたのだった。
 




