移動と馬車
「は、腹減ったーー」
お腹を擦りながらその場で尻もちをついた刃は大きな声でいうのであった。
「ふふふ、ガイ君とも仲直りもしたし、ご飯にしましょうか?刃君。」
シルフィーはにこやかに、刃をご飯に誘うのだった。
「え、ごはん!?食べる食べる♪」
急に立ち上がりテンションを上げる刃。
「では、私達のお城にもどりましょうか。」
レオンや他のものも賛成したので、馬車に乗り込んで移動した。
移動する馬車の中で平原や森、遠くに山や遠くには空中に浮かんでる島まで見えてたりして刃は周りの風景をみて異世界に本当に来たんだなぁと実感していた。
「刃様、どうですか?この世界は?刃様のいた世界と比べて。」
心なしか顔が赤いリジュに問いかけられた。
「うん、まったく全然ちがうなぁ。
緑が多いし空も高い、いいところだな」
刃は、そういうと人懐こくリジュに微笑みかける。
「はぅ///」
さっきよりもますます赤くなるリジュをみてユウはうれしそうにしていた。
「あらあら、かわいい♪」
「まったくだ」
同意するマオも楽しげだった
しばらく馬車に揺られていくとひときわ大きなお城が見えてきた。
「お、何か見えてきた!」
「あれが、イリーフィント城だよ」
窓から顔をだして城を眺める刃
後ろからシルフィーが説明してくれる。
「レオンや私、ガイ君や皆が住んでるところよ」
「へぇー、でっかいなぁ」
「りっぱなもんだ。でもたしかここってオレたちが最後に戦った場所だよな?ユウ?」
「ええ、そうね。」
懐かしげな表情をするユウとマオにレオンが話し始める。
「ユウ様、マオ様お二人がこの世界に離れるときに力を合わせろと言われたからですよ。いつの日かゼノンが蘇る、そのためにも力を合わせるように言ったのは。あれから徐々にですが魔族と人間は力を合わせ、友好関係をきづくようになったんです。そりゃ、最初はうまくいかなかったと聞いております。今では同じ街・城に住むようになったのです。」
「そうか」
話を聞いて満足気に頷くマオだった。




