Prologue
理想的世界
Prologue
五重塔のような建物の最上階一面が温泉になっている、地上からの高さは20階建てのビルくらいだろうか、そこから見える景色は荒廃したSFの世界のようでもある。
私の目が覚めたのはまさにその温泉の中だった。左に巨乳のタオルを巻いた美女と中央にいい感じに年をとった女性、右手に小さい女の子がいる状況だ、3人はこちらをみてニコニコしている、だが待ってほしい、私は一人称「"私"」の生物学上の男だったはずだ、彼女たちは何故笑顔を浮かべているのか、そしてなぜ私はこんな場所に立っているのかなぜ……。
読者のミスリードを避けるためにこれから一人称俺でいこう、正直な話をすると普段から俺派だ。でも人間気が動転した時とよそ行きモード時は一人称が変わるだろう?今回もその場合だと思って頂きたいね
さて、さっさと現状をおさらいして最適解を見つけ出さないとな、ここが現実世界ならあえなく御用だしさっさと逃げるべきかもしれないが外の景色のせいで現実感が希薄だ、いやそもそも俺は下宿先アパートでうつ伏せで寝てたはずだぜ、エロい夢が見れるってんで期待したもんさもう見れたから次の夢に行こうや、起きてもいいんだぜ?
非常に情けない話でここまでが俺の思考限界だった、次に取るべき行動もわからないので正直に口を開いた。
「ここはどこだ?」
数式だって左から解くんだ、まずは第一の疑問から解消していこう
「温泉じゃないかな」
左の巨乳ちゃんが答えた
「あんた大丈夫なの?」
「ふぅー気持ちいー」
お姉さん系女性の心配してるのかバカにしてるのかといった返答を聞きながら、温泉を満喫してる幼女は完全スルーと
「……」
見りゃわかるんだよ、血の巡りが良くなってんだからそれぐらい分かれよと言いたい
「ここの景色を独占出来るのは最高だー」
「そうね四人の特権とも言えるかしら」
「そうだねー」
どうやら御用はない?それだけでも救いはあるな、でもやっぱり分からない何もかもな。
「4人っていうのは俺も含まれてるのか?」
すべての疑問が解消してないのに勝手に手数に加えられ謎が追加されちまった。
「あんたやっぱり大丈夫じゃないわね?」
「古い建物だから幽霊でも見えてる可能性があるけどねー」
「???」
ダメだ、意味がわからない助けてほしい。
全く面識のない相手にどうやら知り合い扱いされている、それだけならいいが一緒に温泉だぜ?これはもう家族同然の扱いだ、こちとら面識0なのに。
「一体どうなってる?あんたらは誰で、ここはどこなのか具体的に説明してくれ。もうこれは夢ってことでいいんだよな?」
「えーっとね、私が志保、でこっちが咲さん、この子が三春、でここは七十温泉だよ」
温泉は解ってるんだって名前はどうでもいい、俺が聞きたいのは世界のお話、地球だとか世界じゃなくて大阪だとか東京だとか、聞き慣れた答えが聞きたいね、せめて日本。
「真剣にバカの相手をしてどうするよ、ほっといた方がいいわよ」
「ぶくぶくbbb」
こっちは大真面目だっての
「志保さん、ここは大阪?ひょっとすると日本じゃないの?」
答えてくれそうなのは巨乳ちゃんだけだ志保と言うらしいが
「日本ではあるけど、大阪っていう地名に意味はあるのかな?今となってはね」
よーし日本だ。
そういえばそもそも日本語で会話出来てんじゃねぇか、血の巡りが悪いのは俺もだな
「そうなのか」
次に聞くべきは……
「胸のサイズは?」
「F」
あのタオルの下にはF級ダイナマイが隠れてるってのか、たまんねーぜおいおいおい違うだろ?何やってる我、儂、俺
「正直に言うと俺はあんたらの事を知らない」
少しでも前進しよう親指1つ分でも
「「「………」」」
三人がこっちを真剣に見てるぜ、よせやい照れるじゃねぇか
「重症ねこれは」
「本当に分からないの?」
「きおくそうしつー」
幼女いいことを言った、ひょっとすると俺はベッドで寝てる時から今までの記憶を失ったのかもしれない、なんだありきたりじゃないかただの記憶喪失問題なし
「その可能性もありそうなんだが、今はグレゴリオ暦で何年になる?」
「グレゴリオって何?」
「西暦って事よ」
「なるほど、今年は確か3023年ね」
そうかそうか、どうやら私が失った記憶はざっと1000年分らしい
第二章
*黒歴史になりそう
自分で呼んで吐きそう
けどせっかく書いたし