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昔懐かしいぜいたくなソバ

昔懐かしいぜいたくなソバ


キジやヤマドリは雌より雄の方が美しい羽で着飾っているのです。キジの雄はニワトリ位の体形で首から胸にかけて深い瑠璃色が美しく、里山の農耕地や草地などで年中見ることができるのです。


ヤマドリは日本の固有の鳥で体形はキジと似ているのです。雄は鮮やかな赤茶色をしていて、尻尾が年をする事に節目が増えて長くなるのです。名前のとおり山を住処にしている鳥で、里山に生息するキジとは見事にすみ分けが行われているのです。


 どちらの鳥も普通の鳥とは違い空中を飛ぶのは得意でなく、いつも低空飛行で長距離を飛ぶことがないのです。危険に余裕がある時はニワトリのようにスタスタと走って逃げるのです。人が近付いた時は物陰に隠れ、身を低くしてジッと様子をうかがっていることがよくあるのです。人が近づき過ぎて危険を察知すると、飛ぶと表現するより羽の全力を使って空中を高く舞い上がり滑空して逃げるのです。ヤマドリの舞い上がり方が若干違っていて、空中へジグザグと斜めに舞い上がって滑空するのです。したがって、猟師は照準の位置に迷っているうち射程距離の外まで逃げてしまうのです。


キジもヤマドリも雪の上に三つまたの枝を押したような足跡を点々と付けるのです。その真新しい足跡を見つけて追って行くと危険の迫る気配を感じとった鳥は、クックックッと大きな羽音を上げて逃げるのです。遠目に着地する地点を見定め、そこから始まる足跡を追って行くのです。数度にわたり執ように追われ疲れ果てた鳥は飛ぶ事を止めて、雪に押されたヤブの隙間に潜り込み隠れようとするのです。ことわざにあるように「頭隠して尻隠さず」で、足跡がヤブに入った所に尻尾を出して難の過ぎるのを待っているのです。にわか猟師はそぉっと近づき尻尾をつかんで生け捕りにするのです。なかには生け捕りにされてグターとなる鳥もいるのです。ショックで失神したのか、死んだマネをして逃げようとする鶏の本能なのか定かではないのですが捕まえたからと安心はできない鳥なのです。


肉の味はヤマドリの方が癖もなくておいしいのです、特に収穫した新ソバの実を石臼で引いて打ったソバを、ヤマドリのガラで取った出汁に肉と野菜を豊富に入れた汁で食べる味は格別なのです。



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