雪の中で生きる動物達
雪の中で生きる動物達
里山の人たちは冬の過酷な寒さや重労働に耐える体力と、延々と昔から培われた生活の知恵によって冬を乗り切る事をできるのですが、森や雪の原に住む動物達は餌のとりつらい自然環境の中で、動物本能と雪に対する適応性だけでどう生き抜いて行くのでしょうか。
野ウサギ、リス、テン、キツネ、イタチ、タヌキ、キジ、ヤマドリ、フクロウ、たちは降り積もった雪の原一帯が深い雪の時は動かず、森や林の杉の木の根元や朽木の穴や沢の南向き斜面に突き出た石の下や斜面に積もった雪が雪崩られて露出した土に掘った穴の中で、雪の原に深く埋まらなくなって自由に行動できるまでを待っているのです。クマ、ムジナ、は秋の実りをしこたま食べこんで、暗い穴の奥深くで体力を保ちながら眠り続けるのです。
最悪な天候状況の動物たちは、餓死の恐怖と里山の人たちによる猟の恐怖や、動物同士が生き残る為のおきてである肉食動物が草食動物を襲う弱肉強食の死闘からも命を守らなければならないのです。最大限の警戒心を持って動物本来それぞれ自ら持ち備えた習性を使い分けて、生き延びるすべを雪の大自然界で繰り広げるのです。
バブル全盛時代の人たちは生活の利便性と快適性を追い求めて、山の奥まで簡単に車で侵入できるように道路を作り、観光開発で森林の伐採や埋め立てによって森や川が消えた山に平気で人たちが踏み込んだ結果が、人の恐怖と乱開発で生息環境を狭められた動物は本来の居住空間である山から追われて里山近くに生息するようになるのです。また、人が食するものの豊富さから食べ残しの投棄で味を覚えた動物は、食べ物のしこうが自然のものを苦労して探すより捨てられたものや里山の近くに育てられた野菜をなんなく食べる事に変わったのです。
今の動物にとってはたしてそれが自然の姿なのか疑問に思うのです。森や林の手入れがされなくなった里山近くの森は、動物が安全に身を隠す環境が整って人の恐怖がなくなり食べ物に困らない人里の近くに快適な生活空間を得たのです。昭和の中ごろの昔と変わってしまった現代の自然形態と動物生態の変化に疑問を持つのは私だけでしょうか。