俺様TikToker、ロリ神と出会う
龍巳の意識が遠退きつつあるその時、目の前に光が現れ、その光に一瞬で包まれた。
「うわっ、、、!」
あまりにまばゆい光に龍巳は思わず目を閉じた。
すると、どこからか甘い香りが漂ってくる。
龍巳はゆっくりと目を開けると、そこには文字通りの桃源郷が広がっていた。
「さっきまで湖のなかだったはずなのに、、、ここはどこだ?」
目の前に広がる光景に戸惑っている龍巳の後ろからサクッと草を踏む音がした。思わず振り返るとそこには一人の少女が姿を現した。
「よくぞ来たな、宮本龍巳よ」
その少女の見た目は、金髪のツインテールの可愛らしいロリっ子だが、その身体には光を纏っていた。
彼女はフワフワと宙に浮かび、龍巳を見下ろしている。
龍巳は思わず声を出した。
「うわー、きっと天国に来ちゃったんだわー。天使が見えちゃってるし。俺はもっと大人のお姉さんの天使がよかったな。胸がまな板のロリっ子天使かー。」
龍巳が残念そうに言うと、少女は赤面し、そしてぷくっと頬を膨らませた。
「無礼な!わらわは、この龍神山の王じゃ。すべての龍神を束ねる存在、龍神王じゃ!おぬしに大事な任務を与えようと現れてやったのに、その言い草はなんじゃ!」
「龍神王ってまた厨二病みたいなこと言って、、、。ちゃんと力あるのかよ?」
「わらわを馬鹿にするな!1000年前には、源頼朝を助けたこともあるのじゃぞ!あやつは飲水がないというからわらわが弓で地面を掘らせて泉を湧かせてやったこともあるのじゃぞ!、、、まぁ頼朝には泉が湧くのが遅いと言われて『遅野井』などとふざけた名前を泉につけられたが、、、」
「えっ、あの歴史の教科書でお馴染みの源頼朝!?すごいじゃん!」
龍巳の好反応を見て、龍神王は嬉しそうな笑みを浮かべながら胸を張った。
「どうじゃ!わらわのすごさがわかったであろう!」
「ロリっ子龍神王だってことはわかった。それで俺をなんでここに連れてきたんだ?」
「ロリっ子、ロリっ子、言うなー!まぁよい。そなたは早川蒼汰との闘いで湖に落ち、半死半生の状態じゃ。この龍の玉を見てみよ。病院にいるそなたの姿が見える」
「えっ、、、」
龍巳が龍神王が渡した龍の玉を覗き込むと、確かにそこには人工呼吸器を着けて横たわる自分の姿が見えた。
「俺は死にかけているということか?」
「違うぞ、そなたはまだ生きておる。今は魂のみをここに連れてきているのじゃ。」
「マジかよ、、、冗談キツイって、、、」
龍巳の反応を他所に龍神王は話を進める。
「実は早川蒼汰が加わっている吼狼教の神である吼狼はな、この世を滅ぼそうとしてきた。わらわはそれを防ごうと何度もわらわと戦っているのじゃ。やつは人の憎悪をエサとしてその者を支配する。早川はまさにその支配を受けているのじゃ。」
「その支配が解ければ、早川はもとに戻るのか?」
「早川の魂は完全に吼狼に呑まれておる。もとに戻るかはわらわでも分からぬ。ただ、そなたであれば魂を解放できるやもしれぬ。そなたは吼狼の支配を受けた早川と真っ向から闘い、そして命を保っておる。そなたは他のものとは違う、何かがあるようじゃ」
「早川を助けられるなら助けたい──」
龍巳は絞り出すようにそう言った。
その言葉に龍神王はまた笑顔で龍巳に語りかけた。
「よくぞ申した!早川の魂は今、戦国時代に転移しておる。吼狼のやつ、戦国の世で世界を滅ぼそうとしておるのじゃ。宮本龍巳よ、そなたも戦国時代に転移し、その野望を打ち砕くのじゃ!」
「打ち砕くのじゃ!は結構だけどよ、俺は何も力ないぜ?せいぜい、イケメンなぐらいだな」
龍巳のその言葉に龍神王は呆れた顔をしながら、龍巳にいきなりデコピンを食らわせた。
「痛っ!なにするんだよ、ロリっ子!」
「うるさい!そなたにスキルを授けたのじゃ。まずは鑑定スキル。これは人の能力や性格などすべてを見られる。次に創造スキル。戦国の世は現代よりも不便じゃ。創造スキルを使えば何でも作れるぞ。この二つを使い、吼狼を打ち倒すのじゃ!」
「とことん厨二病っぽいな。(この話の作者、大丈夫か、、、?)」
「それでは宮本龍巳よ、これより戦国の世に転移する。そなたの活躍を祈っておるぞ!そっちの様子は時々見るからのー」
「えっ!ロリっ子、いつも見ておけよ。ってか俺は戦国時代のどこに飛ばされるんだよ!」
「ハッハッハッ、達者でのー!」
龍神王のその言葉とともに龍巳を光が包み込む。
龍巳の転移ライフは如何に!?




