体験入学~学園への帰還~壱~
はじめての執筆中ですが、やっぱり想像している内容を文章にするのは、難しいなと感じて執筆してます。
周囲から人工物の音は全く聞こえず、虫や鳥など動物の鳴き声、微かではあるが風に揺れる草木の音。
それ以外は、自分達の身内の話し声しか聞こえてこなかった。
昴、柊真、左近は、1人で戻るよりも数人で戻るのが良いと判断したのだ、途中で罠とかあるかもしれない。
周りの体験入学生たちも同じように考え、それぞれ得意な分野とかを確認して少しでも早く行動しようとしていた。
都会でのビルの街並みを見慣れている者からすると広大な大自然の中での景色は、新鮮な反面似たような景色で方向の感覚もつかみにくかった。
時刻的には夕方に近いはずなだが、太陽はまだまだ沈む気配もなく強い日差しのままだった。
昴は、3人で行動することで折り合いがつきそうだった。
「山越えコースと遠回りコースがあるんだけどこの時間から山越えは、危険だと思うから遠回りしてでも平坦な道を進むのがいいと思うんだけど」
柊真が2人に問いかけた。
左近は賛成のようだが、昴は下を俯いたままだった。
「2人とも俺に構わず先に行ってくれ、俺が一緒だと足手まといだ」
柊真と左近は、顔をみあわせて
「昴くん、体力測定の結果は気にしなくていいよ」
「そうだよ、学校に戻るだけだから普通に帰ればいいんだから」
周りの生徒は、グループを作り次々と出発していく、ほぼ全員の体験入学生が能力や道具を使い、あっという間に周りから姿が見えなくなった。
「昴くん、僕達は仲間だよ。目的遂行のために協力して頑張ることも大切だよ」
柊真が3人の真ん中にグーの手を出す。同じように左近もグーの手を出した
「ありがとう」
昴は、小さな声で呟きグーの手を差し出した。
じゃあ、走っていくよ。3人は、固まって目的地に向かって走り出した。昴も足でまといになるまいと全力で走った。普通の同年代の速さとしては充分なものであったが、更に速度をあげていった。
所々で他のグループの体験入学生たちも同じ方向に向かって、どんどん進んで行った。
「おーい、すばるー」
後ろから聞きなれた声がした、3人は足を止めて声のする方を見ると。声の主は美穂だった。
他のグループにいて同じように帰る課題を与えられていたらしい。恐らく全員同じ課題なのだろう。ただ課題と言っても何かの制限とかは全くなくとにかく帰宅することしか言われていなかった。
美穂はグループから抜けて昴達と行動を共にしていた。話題はもちろん体力測定の事だった。ある程度の早さで走っていたのだが、
「ちょっと昴」
息を切らしながら立ち止まると、昴たちも立ち止まった。
「はぁはぁ、ちょっと薄々思ってたんだけど、昴はあの時から何もしてなかったの」
「えっ、あの時ってなんだよそれ」
美穂は、両手を腰に当てて
「あのさぁ、保育園の時山で何日か一緒に修行したことあったよね」
「えっ修行ってなんかしたっけ」
柊真と左近は2人のやり取りを興味深そうに見ていた。
「ほら、山で何日間か過ごしたことがあるでしょ」
昴は少し考えて
「あぁ、あのキャンプに言った時か。懐かしいな」
美穂は深くため息を着くと
「あんたねぇ、あれをキャンプだと思っていたの。あの時誰がいたか覚えてる」
「あの時って、俺と美穂と美穂の親父さんと3人だっけ」
「キャンプなのに家族みんなじゃなくて3人だけって不思議だと思わない」
「あぁ、確かに言われてみれば、急用ができたとか」
「それなら中止か延期にするでしょ。あの時何があったか覚えてる」
「うーん、あぁ確か迷子になって2人で山の中で過ごしたなぁ」
「あれの内容が全部修行で、忍の力の説明とかこれからやる事とか説明もお父さんがしてたでしょ」
昴は、かなり驚いて
「そんな説明あったか」
「あんたって、昔から人の話し聞かないやつだったけど、どうりで修行してる姿を見ないわけだわ」
やり取りを聞いていた柊真と左近は、なるほどという様子で聞いていた。
「そろそろ、先を急ごっか」
柊真が美穂と昴に出発を促した。すると、一匹の烏が昴の肩に停まった。
「ようやく見つけたわ、幻十郎の孫よ」
昴の体力測定の時にいた烏のようだった。
「てめぇ」
昴は、烏を捕まえようとすると烏はほっぺたを激しく嘴でつつくと、今度は美穂の肩に停まった。
前書きにも書きましたが、言葉のやり取りのキャッチボール難しいな。自分のイメージしているような状況伝わってるか不安ですが、これからも頑張っていくので宜しくお願いします。