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追放された転生王子、『自動製作《オートクラフト》』スキルで領地を爆速で開拓し最強の村を作ってしまう 〜最強クラフトスキルで始める、楽々領地開拓スローライフ〜  作者: 熊乃げん骨
第四章 エルフに会いに行こう!

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第12話 瘴気の大本を探そう!

「……なんだろう。凄い嫌な感じがする」


 世界樹に空いた穴の中を、僕たちはまっすぐに進む。

 中は明かりなんてないので、アンナローゼさんが光の玉を出して明るくしてくれている。


 中の空気は淀んでいて、息苦しい感じがする。瘴気の影響が濃いと、こんな風になっちゃうんだね。あまり瘴気が濃いところは避けてきたから初めて知った。


 見ればアンナローゼさんとエレオノーラさんも少し嫌そうな表情をしている。


「もうすぐ世界樹の中心部に着きます。なにが起こるか分かりませんのでご注意下さい」

「はい、分かりました」

「安心してください姉上。なにが出て来ても私が斬り伏せて見せます」


 エレオノーラさんは自信満々にそう言い放つ。

 彼女は実際かなり強い。今は心強いね。


 しばらく歩いた僕たちは、ついに世界樹の大きな幹の中心部にたどり着く。

 本来木が詰まっているはずのそこには、大きな空洞ができていた。どうやら世界樹の中心は完全に瘴気に食い荒らされてしまっていたみたいだ。


「ひどい……」

「くっ、許せん……!」


 二人の姉妹はそれを見て悲しみ、怒る。

 僕ですらこの惨状を見たら心が痛む。この世界樹と共に生きてきた二人の悲しみと怒りは計り知れない。


「どうしたら元に戻せるんだろう……?」


 空洞の中は瘴気に侵され黒くなってしまっている。これを全部神のくわで浄化するのは中々骨が折れそうだ。

 そう思っているとアンナローゼさんが空洞の中心部を指差す。そこには真っ黒い木が一本生えていた。木の中に木が生えているなんて不思議な感じだ。


「あそこから強い瘴気を感じます。おそらくあの木の様なものが瘴気の中心部です、あれを壊せば瘴気の力は失われると思います」

「なるほど。じゃあまずはあれに神のくわを突き刺してみますね」

「はい。お願いいたします」


 僕は神のくわを握り、空洞の中心部生えているそれに近づく。

 そしてくわを振りかぶり、その木に振り下ろそうとした瞬間、突然地面が揺れる。


「うわっ!?」


 突然のことに、僕はくわを振りかぶったまま姿勢を崩す。

 すると突然地面から黒い根っこが地上に複数本出てきて、その鋭い先端を僕に向ける。明らかにその根からは『殺意』を感じる。意志を持って僕を襲おうとしている。


 姿勢を崩したこの状態じゃ回避できない。

 まずい、そう思った瞬間アンナローゼさんとエレオノーラさんが僕を庇うように前に出てくる。


「光よ護れ!」

「はあああっ!」


 アンナローゼさんは光の盾を生み出し根を止めて、エレオノーラさんが鋭い斬撃で根を切り落とす。おかげで僕は傷を負うことなく距離を取ることに成功する。


「ありがとうございます!」

「気にしないでください。それよりも……今はあれをどうするかを考えましょう」


 先程までただの黒い木だったそれの幹は、ひび割れて顔の様な物ができていた。無数の根は足となり、自由に動けるようになっている。

 あの姿は図鑑で見たことがある。木のモンスター、トレントだ。瘴気に侵されているせいで黒くなっているけど間違いない。念のため鑑定してみよう。


・エルダートレント(瘴気) ランク:S

 瘴気に完全に侵されたエルダートレント。

 普通のエルダートレントよりも凶暴で、力も強い。

 瘴気の吐息ブレスと強靭な根による攻撃を得意とする。


 運の悪いことにトレントの上位種、エルダートレントだった。

 あれがいるせいで世界樹は瘴気に侵されてしまっているんだ。なんとしても倒さなきゃいけないね。


『ギャギャギャギャ……』


 エルダートレントは僕たちを見ながら耳障りな鳴き声を出す。心なしかその顔はわらっているように見える。馬鹿な獲物がのこのことやって来たと思っているんだろうか。


「相手は強力ですが……僕たちならやれます。頑張りましょう!」

「はい。魔法ならお任せください」

「ふん、貴様に言われるまでもない!」


 僕たちは世界樹を救うため、トレントに立ち向かうのだった。

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