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追放された転生王子、『自動製作《オートクラフト》』スキルで領地を爆速で開拓し最強の村を作ってしまう 〜最強クラフトスキルで始める、楽々領地開拓スローライフ〜  作者: 熊乃げん骨
第三章 領地を広げよう!

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第20話 急変

「は、はあ!? あんたらいったいなにしてんのよ!」

「私はテオ様のご寵愛を受けた身。もう以前までとは違うのです。テオ様にまとわりつく悪い虫は払わなければいけません」

「は、ハレンチだわ! 不潔よ不潔っ!」


 アリスは顔を真っ赤にして騒ぎ立てる。

 なんだなんだと村の人たちも注目し始めてしまったので、僕は仕方なく『加護』のことを話す。


「……なるほど、そういうことだったのね。でも納得できないわ! このメイドだけじゃなくて他の人ともしているなんてハレンチだわ!」

「ひいっ、ご、ごめん」


 僕はひとまず謝る。

 しかしアリスはそれでも収まらない。


「こんなの不健全よ! だ、だから、しょうがないから、私もその、してあげてもいいわよ。ほら、私は歳も近いし健全だし」

「……え? どういうこと?」


 謎の提案に僕は首を傾げる。

 アリスが僕にキスしたいって意味じゃないだろうし、いったいなにが言いたいんだろう。


「こ、この……! いいわ、はっきり言ってあげる! 私は――――」


 アリスがなにかを言おうとした瞬間、カンカンカン!! と鐘の音が響き渡る。

 いったい何事かと音のした方を見ると、兵士が一人こちらに走ってくる。宴の間も交代で見張りはついている。この人は今の担当の人だろう。


「た、大変だ! モンスターがこっちに来てる!」

「な……っ!」


 宴の場に緊張が走る。

 こんな短期間でモンスターが何度もやってくることなんて初めてだ。せっかく戦いが終わったのにまた戦うのかと不安が広がる。


 だけどモンスターが来たのなら対処しなくちゃいけない。僕は気持ちを切り替えて兵士の人のもとに行く。


「報告ありがとうございます。モンスターはなんの種類でどれだけの数がいますか?」

「数は一体です。し、しかし……」


 一体だけというのは嬉しい情報だ。

 魔導砲の弾の消費は少なくて済みそうだ。


 しかし続く兵士の言葉で僕の考えは覆されることになる。


「と、とても巨大なモンスターなんです! まるで山が動いてるかのようで! あれはそう……です。黒くて巨大な亀がゆっくりとこちらに向かってきてるんです!」


 兵士の人は慌てたようにまくし立てる。

 かなり興奮しているようだ。


 山のように大きなモンスターを見たと言うんだからこうなって当然か。でもそんなに大きなモンスター、聞いたことがない。いったいどんな種類なんだろう。


「殿下。おそらくそれは『アダマンタートル』です」


 そう言ってきたのはアリスの仲間で剣士のサナさんだった。

 彼女はいつになく真剣な表情をしている。そのモンスターはそれほど危険な存在なのかな。


「無礼を承知で申し上げます。向かってきているモンスターがアダマンタートルなのであれば、今すぐこの村を捨て、逃げるべきです。あれはSSランク、つまり災害級のモンスターです。人が立ち向かうべき相手ではありません」

「……それほどの相手なんですね」


 サナさんは経験豊かな冒険者だ。

 その彼女が言うんだから、そのモンスターはよほど強いんだろう。それこそ地竜や飛竜なんて、比べ物にならないほどに。


「人は死んだらお終いですが、村はまた立て直せます。どうかご決断を」

「……サナさん。貴女の言うことは正しいです」

「でしたら……」

「ですが、僕たちはそれをこの先何回繰り返すんでしょうか?」

「……っ!」


 僕たちはこの土地で住むしかない、北の大地で暮らしてきた僕たちを他の領地の人は受け入れてくれないだろう。

 ここでしか住めないのにモンスターが来る度逃げていたら、永遠に穏やかな暮らしは訪れない。

 逃げながら生活することもできるかもしれないけど、そんな生活いつかは耐えられなくなるだろう。


 だったら……戦うしかない。


「モンスターはいつ頃村に到着しますか?」

「はい、あのスピードですと明日の昼頃になると思います」


 ならまだ半日以上ある。準備する時間は十分だ。


「みなさん、宴の途中にすみません。楽しんでいるところ申し訳ないのですが、一旦宴はここで終わらせていただきます。この村を守るため、どうかもう一度力を貸してください」


 そう言って頭を下げる。

 僕一人の力じゃ防衛はできない。みんなの力が必要だ。


 戦いが終わってすぐにまた戦ってほしいなんて酷いと思われるかもしれないと不安だったけど、村の人たちはそれを温かく受け入れてくれた。


「任せてくださいテオドルフ様!」

「微力ながらお手伝いします!」

「今回も楽勝ですよ!」

「みなさん……ありがとうございます!」


 村の人たちだけじゃなくて、レイラやアリス、シルクたちも僕の言葉に頷いてくれる。

 温かくて涙が出そうだけど、それをぐっと堪える。泣くのは勝手からだ。まだ早い。


「ということですサナさん。申し訳ありませんが、僕たちは戦います」

「……分かりました。見捨てるわけにもいきませんので私たちもお手伝いします。お嬢もやる気みたいですからね」

「ありがとうございます。心強いです」


 サナさんたちが手伝ってくれるのは嬉しい。

 かなりの戦力になるだろう。


「それでは作戦会議を始めます! みなさんよろしくお願いいたします!」


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― 新着の感想 ―
目視できなさそうなモンスターをどうやって感知しているのか謎ですね!
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