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追放された転生王子、『自動製作《オートクラフト》』スキルで領地を爆速で開拓し最強の村を作ってしまう 〜最強クラフトスキルで始める、楽々領地開拓スローライフ〜  作者: 熊乃げん骨
第三章 領地を広げよう!

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第16話 再会

 突然現れた赤い髪の女の子、アリス・スカーレットは女神様に選ばれた『勇者様』だ。


 勇者として選ばれた日から体を鍛えてきた彼女は、僕と歳がそう変わらないにも関わらず、とっても強い。


 強くて可愛らしい彼女は、王国にファンクラブが存在するほど人気があるけど、そんな彼女と僕は昔から知り合いなのだ。


「久しぶりだねアリス、二年ぶりかな?」

「そ、それくらいね。元気にしていたみたいじゃない」


 アリスはどこかぎこちない感じで返事をする。

目も合わせてくれないし、いったいどうしたんだろう? 久しぶりの再会だから照れてるとか?

 ……いや、それはないか。昔からアリスは物怖じしないタイプだった。歳上の人にも食ってかかるその様子は凄かった。引っ込み思案な僕はそんなアリスに憧れていた。


 そんな彼女が僕に照れるなんてこと、あるはずがないね。


「どうしたのアリス。そっちになにかあるの?」

「べ、別になんでもないわ! それよりテオ、あんた……ずいぶん大きくなったわね」

「え、ほんと? うれしいな」


 そういえば最後にあった時、アリスは僕より結構背が高かった。

だけど今の身長差は数センチにまで縮んでいた。この調子なら近いうちにアリスの背を追い抜きそうだ。


「それに……ふうん、顔つきもマシになったじゃない。少しは頑張ってるみたいね」

「ありがと。アリスもすっごく可愛くなったね」

「は、はぁ!? な、なに生意気なこと言ってんのよ!」


 素直に褒めるとアリスは顔を真っ赤にして大きな声を出す。

 そういえば前からアリスは褒められるのが得意じゃなかった。久しぶりだから忘れてた。


「気にしないで大丈夫ですよテオドルフ様。うちのお嬢は照れてるだけですから」


 そう言ってやってきたのは大きな剣を持った女性だった。

 その横にはとんがり帽子を被ったいかにも魔法使いですといった服装の女性もいる。その二人を僕は知っていた。


「サナさんにマルティナさん! お二人も来ていたんですね!」

「お久しぶりです殿下。元気そうでなによりです」

「こ、こんにちは……」


 アリスの仲間である二人が、挨拶してくる。

 この二人とはそれほど長い付き合いじゃないけど、いい人なのはよく知っている。


「でもどうして三人がここに? 僕がここにいることは知られていないはずですけど……」

「国王陛下と第二王子に聞いたんですよ、テオドルフ様がここに追放されたと。そしたらお嬢ったら怒り狂って『すぐ助けに行くわよ!』って飛び出しちゃって」

「ちょ、サナ!? なにバラして……じゃなかった、適当なこと言ってんのよ!」


 どうやらアリスは僕のことが心配でこんな辺境まで来てくれたみたいだ。

 勇者としての仕事で忙しいはずなのに……やっぱり優しいね。


「それになんとお嬢はあの第二王子をぶん殴ったんですよ! いやあぶっ飛んでるとは知ってたけど、まさかそんなことまでするとは」

「え!? ニルスを!? 危ないよそんなことしたら!」


 ニルス自体は小物だけど……腐っても王子だ。権力を持っている。

 汚いことをやるのに抵抗はないし、いくら勇者といえど危険すぎる。アリスもそれくらいは分かっているはずだけど。


「だってしょうがないじゃない、ムカついたんだもの。あいつずっとテオのこと馬鹿にするんだもの」


 アリスは唇をツンと尖らせて言う。

 僕のことでそんなに怒ってくれるなんて。


「ありがとうアリス、嬉しいよ」

「ちょ、なに手を握ってんのよ!」


 感極まってアリスの手を握ると、彼女は再び騒ぎ出す。

 でも不思議なことに手を振りほどこうとはしてこない。その気になればいつでも抜け出せるはずなのに。


「いいぞお嬢! そのまま抱きしめちゃえ! ちゅーもしちゃえ!」

「既成事実、作る……」


 アリスの仲間の二人もなぜか囃し立ててくる。

 それに乗せられてかアリスは急にしおらしくなって伏し目がちにこちらを見てくる。いったいどうなっちゃうんだと思っていると……


「お久しぶりですアリス様。お疲れでしょうから、こちらへ」


 唐突にレイラが現れ、僕たちの間に割って入ってくる。

 油断していた僕たちは引き離されてしまう。


「誰かと思ったらレイラじゃない……まだテオにくっついていたのね」

「ずいぶんご活躍されているようですね、アリス様。さ、早くお疲れを癒やしてください」


 なぜかバチバチと火花を散らす二人。

 うーん、これは大変なことになりそうだ。

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