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追放された転生王子、『自動製作《オートクラフト》』スキルで領地を爆速で開拓し最強の村を作ってしまう 〜最強クラフトスキルで始める、楽々領地開拓スローライフ〜  作者: 熊乃げん骨
第十章 海底遺跡攻略戦

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第6話 ガーディアンフィッシュ

「ようやく見つけたぞ! テオドルフを返せ!」


 エルフの剣士エレナはそう言うと、触手の集合体のような姿をしているモンスター『シーテンタクル』を斬り裂く。

 シーテンタクルは触手をいくら斬られても再生できるが、その根本の本体を斬られると死に至る。


 テオドルフを触手に攫われた後、エレナとナディアはその根本を探し、そしてついに見つけ倒すことに成功した。

 シーテンタクルは獲物を捕まえると本体に連れて行きそこにある口で捕食する。なのでテオドルフも本体にいると思われたのだが……本体を倒してもテオドルフを見つけることはできなかった。


「なぜいない!? まさかもう消化されたのか!?」

「シーテンタクルは獲物を弱らせてからゆっくり捕食する。もう消化したとは考えられない。あいつは無事だろう」

「そ、そうですか。ならいいのですが……」


 ナディアの言葉を聞き、エレナはひとまず胸をなでおろす。

 しかしならテオドルフはどこにいる? この入り組んだ海底遺跡でどう見つければいんだ? エレナは表情に焦りを募らせていく。


「落ち着け。焦っても仕方がな……ん?」


 その瞬間、悍ましい気配が海底神殿に満ち、二人は寒気を感じ鳥肌が立つ。

 それを放っている存在は、近くにいる。間違いない、瘴気の源はこれだと二人は確信する。


「ナディア様」

「ああ……行ってみるべきだろう。テオドルフももしかしたらそこにいるかもしれない」


 二人は頷き合うと、気配がした方向めがけて泳ぐ。

 通路を数度曲がった二人は、遺跡の中でも一際大きな空間に出る。


「ずいぶん広いな。さっきの気配はここから感じたが……」

「ナディア様! あそこを!」


 エレナが指差す方向を見ると、天井に巨大な黒い塊(・・・)がぶら下がっているのが見えた。

 醜悪で歪な形をしているそれは一秒ごとに「どくん」と脈動しており、まるで心臓のようにも見えた。

 その塊からは黒い瘴気が垂れ流しになっており、空間上部にある排気口のような場所から外に排出されていた。


 どうやらあれが瘴気の源で間違いないようだ。


「見つけたぞ……!」


 それを見つけたナディアは腕から生えたヒレを展開すると、猛スピードでそれに突っ込む。

 彼女のヒレは凄まじい硬度を誇り、刀剣よりも切れ味が高い。

 その一撃で瘴気の源を破壊しようとするが、


『ギィ……アアアァァァ!!』


 空間に耳をつんざく高音が響く。

 そのあまりの音量にナディアとエレナは思わず耳を塞ぐ。

 いったい何の音だと二人が周囲を見渡すと、広い空間に大きな影が悠然と姿を現す。


「なんだあれは。魚……?」


 エレナが警戒しながら呟く。

 彼女たちの前に現れたのは、全長10メートルはある巨大な『魚』だった。

 銀色の鱗はまるで鉄の装甲のような形をしており、口には巨大な牙が並んでいる。


 目は恐ろしく獰猛であり、体のあちこちから瘴気が漏れ出ている。


 その姿を見たナディアは驚いたように呟く。


「あれは『ガーディアンフィッシュ』……!? まさかあいつまで瘴気に操られたとは」

「ナディア様、そのガーディアンフィッシュとはいったい?」

「ガーディアンフィッシュは神々の戦争の時、我らと共に戦ってくれた種族だ。強力な力を持つ魚で、戦争の時は非常に頼りになったが……まさか敵になるとはな」


 ナディアは目を細め、ガーディアンフィッシュを見る。

 瘴気は完全に体中を支配しており、もう自我があるようには見えない。完全にハデスの手下になってしまっているようだ。


 してやれることがあるとすれば、介錯してやることだけ。

 ナディアは悲しみを感じながらも、戦うことを決める。


『ギィィ……ガア!!』

「どうやらやるしかないようだ。相手は強い、気を抜くなよエレナ」

「はい!」


 二人は臨戦体勢になると、ガーディアンフィッシュに向かっていくのだった。


◇ ◇ ◇


「はああああ!!」


 エレナは雄叫びをあげると、ガーディアンフィッシュに切り掛かる。

 刀身に込められた魔力は剣の切れ味を上げ、更に魔法攻撃力を付与する。ガーディアンフィッシュの鱗は堅牢だが、その一撃を受けてヒビが入る。


 ギィ、と苦しめな表情を浮かべるガーディアンフィッシュを見て、エレナは手応えを感じ「よし!」と言う。


「……いい戦士だ。私も頑張らなければいけないな」


 ナディアはそう呟くとガーディアンフィッシュの背面から近づき、その尻尾を片手で掴む。


『ギア!?』

「悪いな。お前に恨みはないが、これ以上海を汚させるわけにはいかない」


 ナディアは掴んだ右手にギュッと力を込めると、なんとガーディアンフィッシュを振り回し、壁に投げつけてしまう。


 物凄い勢いで投げられたガーディアンフィッシュは、そのまま壁に激突し、大きなダメージを負う。堅牢な鱗も全ての衝撃を吸収できるわけではない。


「どうだ。少しは効いただろう」

「す、すごい……」


 全身に衝撃を受け、ガーディアンフィッシュはしばらく動かなくなる。

 しかし数秒後、目をカッと開くと猛スピードで泳ぎ出す。


 構える二人だが、向かった先は二人ではなく天井だった。

 その先には今も瘴気を流し続ける『瘴気の源』があった。


「あいつなにをする気だ!?」


 ナディアはガーディアンフィッシュに追いつこうとするが、たどり着くより先にガーディアンフィッシュは瘴気の源にたどり着いてしまう。


 そしてガーディアンフィッシュは大きな口を開けると……なんと瘴気の塊を食べ、ごくりと飲み込んでしまう。

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