第6話 ポーションスタンドを修理しよう!
自動製作・修復は物の記憶を読み取って、復元する技だ。
能力は使えば使うほど強化される、僕の自動製作も色々なことができるようになってきた。
「おお凄え! ピッカピカじゃねえか、これなら使えそうだな! さすがテオドルフだ!」
「……確かにこれは凄い。ローランから話は聞いていたがこれほどとは」
タマモさんは感心したように呟く。
自動製作を褒められると僕も褒められたように感じて嬉しくなる。
「これが魔法薬調合台ですか。確かに凄そうな見た目をしてますね」
魔法薬調合台には複数のフラスコのようなガラス容器が、いくつもの管で繋がっている。
物を入れられるような場所もある。ここに素材を入れて魔法薬を作るんだろうね。
「故障箇所はなさそうだな。これなら正常に動作するだろう。いやー、捨てずに保管しておいて正解だった」
「そうですね。ところでガボさん、これでどうやって魔法薬を作るんですか?」
僕がそう尋ねると、ガボさんはピタッと止まる。
その顔には焦りのようなものが浮かび、額から汗がたらりと流れ落ちる。
ま、まさか……
「使い方、知らないんですか?」
「す、すまん! 鉄や武器のことは詳しいが、魔法とか薬のことはさっぱりなんだ! 説明書も風化してゴミクズになっちまったから、使い方はワシも分からなんだ」
「そうですか……」
考えてみればガボさんはこれが家にあっただけだ。使い方を知らなくても無理はない。
でも……どうしよう。せっかく面白い物を手に入れたのに使い方が分からないなんてむずむずする。
エルフのアンナさんは薬学にも詳しいと聞いたけど……こういった器具を使った物は専門外な気がする。
後はアリスの仲間の魔法使い、マルティナさんならなにか知ってるかな?
まあ今は村にいないから聞けるとしたら先の話になっちゃうんだけど。
しばらくこれを使うのは我慢するしかないのかと思っていると、
「綺麗な水を真ん中の容器に入れるのじゃ。そしてこっちに素材を入れ、火にかける。そうすればここに魔法薬が精製される。なにも難しいことはない」
「え、これの使い方を知ってるんですか!?」
ひょいと近づいてきたタマモさんが、魔法薬調合台の使い方を教えてくれる。
まさか彼女がこれの使い方を知っているとは思わなかった。
「妾は1000年以上生きているのじゃぞ? このような器具は昔の時代によく使われていた。妾も何度も使ったことがある」
「へえ……そうなんですね。じゃあルーナさんも知ってるんですかね」
「あやつは脳筋だから知らんじゃろう」
タマモさんはそうバッサリ切り捨てる。
まあでも確かにルーナさんはこういう細かい作業が嫌いそうだ。昔に見ていたとしても忘れちゃってるだろうね。
「使い方を教えてくれてありがとうございます。それじゃあさっそく色々作ってみますね」
幸いこの村には色々な素材がある。
それを使えば色んな効果の魔法薬が作れると思う。どんな物ができあがるか楽しみだ。
僕はそうワクワクしていたけど、
「楽しそうにしているところ悪いが、素材だけでは魔法薬は完成せん。魔法薬調合台を使うには『魔石』が大量に必要なのじゃ」
タマモさんはそう言うと、魔法薬調合台にある太い筒をパカっと開ける。その中には黒くて風化した石のような物が入っている。
「かつての魔石じゃろう。魔法薬調合台は魔石の中に含まれる魔力を利用し、素材の効果を高めてを水に移すのじゃ。魔法薬調合台が後の世にも伝われなかったのはこれが原因、魔法薬を作る度に魔石が消費されるのはあまりに割が合わんからな。今風に言うとコスパが悪いんじゃよ」
「そうなんですね……」
魔石は貴重な資源だ。
それをたくさん使い捨てるのは大国でも厳しいだろう。この器具が広まらないのも当然だ。
僕の村でも魔石は貴重品。大量に使うことはできない。
「これじゃあ最低限の魔法薬しか作れないか……なにか魔石が大量に取れる、いい方法があればいいんだけど……」
僕は悩む。
魔石はモンスターから取れる他、山や土の中でも産出される。でもそう簡単に掘り出せる物じゃないので、ドワーフのみんなの力を借りてもそう大量には手に入らないだろう。
「くふふ、魔石が簡単に取れたら苦労せんのじゃ。そんな都合のよい話など……」
「あっ!!」
「のわっ!?」
僕はあることを思いついて大きな声を出す。
するとそれに驚いてタマモさんはビクッと体を震わせる。耳と尻尾がピンと立ってしまっている。申し訳ないことをした。
「なんじゃ! 急に大きな声を出すでない!」
「す、すみません。でもいい方法を思いついたんです。これなら魔石をたくさん取れるかもしれません」
「なに? そんな方法あるわけないじゃろう」
タマモさんは胡散臭そうな視線を僕に向ける。
疑っているみたいだけど、僕はこの方法に自信がある。成功させてタマモさんを驚かせるとしよう。




