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追放された転生王子、『自動製作《オートクラフト》』スキルで領地を爆速で開拓し最強の村を作ってしまう 〜最強クラフトスキルで始める、楽々領地開拓スローライフ〜  作者: 熊乃げん骨
第七章 鉱石を探そう!

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第8話 オルヴァザール防衛戦・準備フェイズ

「かなり壊されちまったな、直すのに時間がかかりそうだ」

「ああ。それまで岩の王が待ってくれりゃいいが……」


 岩の王が侵攻してきた場所に行くと、険しい顔をしたドワーフの人たちが城壁の修理に当たっていた。


 遠くから見てたので実感しにくかったけど、近くで見るとその被害は甚大だ。

 ドワーフの城壁は僕から見てもかなり堅牢に作られている。おそらく王都よりもかなり頑丈だと思う。これはきっと彼らドワーフの技術力の賜物だ。


 しかし岩の王はたった一体でこの城壁を簡単に壊してしまった。恐ろしい力を持ったゴーレムだ。


「みなさんこんにちは! 僕はテオドルフと言います! ドゥルガン王に頼み、僕もみなさんのお手伝いをさせていただくことになりました。よろしくお願いいたします!」


 そう言うと修繕に当たっていたドワーフたちの目が一斉に僕に注がれる。

 ドワーフの人たちは優しいけど厳つい顔をしているので少し怖い。


「お前がガボの命の恩人っていう人間か。手伝ってくれるっつう気持ちは嬉しいが、そんな細い体じゃ石積みはキツいだろう」

「はい。ですので僕の能力ちからでお手伝いさせていただきます」


 僕は壊れていない城壁に目を向け、それを観察する。

 するとその構造や必要な素材が頭の中に浮かんでくる。

 能力を使いたての時は複雑な物を作ることは難しかったけど、最近は自動製作オートクラフトの使い方も上達して、見ただけで複雑な物も作れるようになった。

 特に建築系は本でたくさん勉強したのでかなり再現度は上がった。


自動製作オートクラフト、城壁!」


 近くに転がっている城壁の残骸を素材とし、城壁を再構築する。

 すると壊れていた城壁が一瞬にして再建され、もとの立派な城壁に生まれ変わる。ふう、みんなの前で失敗しなくてよかった。


「す、すげえ! バラバラだった城壁が一瞬で……!?」

「しかも造りもしっかりしてるぞ。これなら修理が間に合うぞ!」


 自動製作オートクラフトの力を見たドワーフたちの目の色が変わる。

 さっきまで暗い空気が流れていたけど、少し明るくなった気がする。よし、頑張るぞ。


「僕は他の場所の修繕と武器と防具の生産を行います。ドワーフのみなさんには足りない資材の調達をお願いしたいです。それとまだ僕はここの地形に詳しくないので、それのサポートをお願いしたいです」

「任せろ。あんただけに負担はかけさせねえ。遠慮なく頼ってくれ!」


 ドワーフの人は僕の頼みを快諾してくれる。

 岩の王はいつやってくるか分からない。みんなの力を借りて急いで迎撃の準備をするぞ!


◇ ◇ ◇


 城壁の復旧は急ピッチで進んだ。

 ドワーフの人たちの手厚いサポートもあって、襲撃された場所は壊される前よりもむしろ堅牢な守りになった。防衛用の砲台やバリスタ、それに前から考えていた『新兵器』も設置した。


「こんな武器、今まで思いつきもしなかった。確かにこれなら岩の王にも一泡吹かせられるかもしれねえ。凄えなお前は!」

「そうですか? ありがとうございます」


 その新兵器はドワーフの男心をくすぐったみたいで大好評だった。自分が考えたものを褒められるのは嬉しい。

 兵の割り振りや武器防具の支給はアリスとガーランがやってくれたので僕は修繕と新兵器の作成に集中できた。


 それでも連続して大きな物を作ったので、僕はかなりの体力を消耗した。


「つ、疲れた……」


 ヘトヘトの状態で僕は宿に向かっていた。服は土で汚れていて髪は汗でベトっとしている。

 既に時間はもう夜になっている。

 この国は天井に埋め込まれている巨大な光る石『太陽石ヘイリオス』のおかげで明るいけど、なんとあの石は外が暗くなる時間に合わせてその光が弱くなるんだ。

 おかげでこの国にもちゃんと昼と夜の概念がある。不思議な石だなあ。


「明日も見ておきたい場所があるし、早く寝よう……わ!?」


 扉を開け、部屋の中に入るとなにか柔らかいものに顔がぶつかってしまう。

 驚いて後ろに下がると、なんとそこにはアリスが立っていた。どうやら僕はアリスの胸に顔を埋めてしまったらしい。


「……えっち」


 アリスは頬を赤らめながらジト目で僕を見る。

 前だったらもっと怒ってきたと思うけど、最近のアリスはとても優しくなった。


「ご、ごめん。前を見てなくて……」

「どうせまた頑張りすぎたんでしょ? これくらい許してあげる」

「ありがとう……ところでなんで僕の部屋にいるの? アリスは確か隣の部屋だったよね?」

「帰りが遅いから待ってたのよ。どうせいつもみたいにヘトヘトで帰ってくるだろうから、私がお世話してあげる。今日はレイラもいないからね」


 アリスはそう言うと僕の手を引いて部屋から出る。


「え? どこ行くの?」

「そんな汚れた体で寝ても疲れは取れないでしょ。だからその……私が体洗ってあげるっ」

「ええ!? アリスが!?」


 僕はアリスに手首を引っ張られながら、宿の浴場に連れて行かれるのだった。


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