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追放された転生王子、『自動製作《オートクラフト》』スキルで領地を爆速で開拓し最強の村を作ってしまう 〜最強クラフトスキルで始める、楽々領地開拓スローライフ〜  作者: 熊乃げん骨
第七章 鉱石を探そう!

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第6話 ドワーフの王と交渉しよう!

「さあどんどん食ってくれ! おい! お客人にはもっと上等な酒を出さんか!」


 広間での謁見を終えた僕たちは、お城の中の食堂に案内され、豪華な食事を振る舞われた。

 ドワーフの国オルヴァザールは山の中、つまり地下に存在する国だ。それなのに振る舞われた食事にはちゃんとした肉や野菜が並んでいる。

 地下でこんな食材を入手できるなんて凄い。


「驚いたか? 確かに地面の中に太陽の光は届かないが、俺たちには太陽石へイリオスがある。太陽石へイリオスが放つ光には太陽の光と同じく植物を育てる力がある……地下は瘴気の影響も少ないし、野菜を育てることもできるのだ」

「そうなんですね、おいしいです」


 僕は食事をもぐもぐ食べながらガボさんに返事をする。

 ドワーフの食事は味付けが濃いめで、独特のクセがあるけど美味しい。ガーランは凄く気に入っているみたいだし、お酒に合う味付けになっているのかな?


「美味い! こんなに強い酒を飲んだのは初めてだ!」

「ハッハ! いける口だな! ほれ、こっちも飲んでみるといい」


 ガーランと楽しそうに酒を酌み交わしているのは、この国の王ドゥルガン陛下だ。

 広間で会った時は厳格で怖いイメージだったけど、今はもう酒好きの気の良いおじさんって感じだ。食事の時もおっかなかった父上とは随分違う。


 ドゥルガン王はしばらくガーランと楽しげに話した後、僕の方を見る。


「どうだ、ドワーフの食事は気に入ってくれたか?」

「はい、とても美味しいです」

「それは良かった。お主たちが救ってくれたガボは私の昔からの友人。それを救ってくれたお主たちは我が恩人も同義。薄暗い場所で申し訳ないが、存分にくつろいでくれ」


 笑っていいのか分からない地下ジョークに「はは……」と返し、食事を口に運ぶ。

 ドゥルガン王に聞きたいことがいくつかあるし、今の内に聞いておこうかな。


「あの、なんで僕たちの言ったことを信じていただけたんでしょうか? 王子であることや国を追放されたこと……簡単には信じられないと思うのですが」

「実は国を追われた王子がいることは知っていた。その者たちが村を作っていることもな」

「え? どうしてそれを知っているのですか?」

「ベスティア商会だ。私たちはあの商会を通じて外の国と繋がっている」


 ベスティア商会は僕の村と懇意にしている商会だ。

 大陸各地で活動していると聞いたけど、まさかドワーフの国とまで商売していたなんて、……が広すぎる。


「ドワーフは情に厚く、そのせいで騙されやすい。ゆえに商売相手は慎重に選ばなければならぬ。過去いくつもの商会と手を組み、騙され続けた我々だが、ベスティア商会だけは一度も我らを騙そうとはしなかった。ゆえにこの国のことはベスティア商会にのみ明かしている。もしバレでもしたらこの国は終わりだからな」


 ドゥルガン王はそう言って酒をあおる。

 確かにこの国の存在が知られたら、この国は終わってしまうだろう。色んなとこと取り引きをした方が生活は豊かになるかもしれないけど、その分バラされるリスクは上がる。

 ベスティア商会なら秘密は守るだろうし安全だ。


「ベスティア商会の者が言っていた。お主らはこの地に害をもたらす存在ではないから、敵対しないでほしいとな。商会には世話になっているのでお主らの村には干渉しなかったが……まさか自分から乗り込んでくるとはな。とんだ大物だ」


 ドゥルガン王は楽しげに言う。

 それにしてもまさかベスティア商会がそんな根回しをしてくれているとは思わなかった。この気遣いの仕方はローランさんかな? 今度お礼を言っておかないと。


「あの、ドゥルガン陛下。少しお話があるのですが……」

「ん? なんだ改まって」

「実は今、僕の村では鉱石が不足しているんです。ここオルヴァザールには良質な鉱石がたくさんあるとお見受けします。どうか同じ地に住む者として、友好関係を結び交易していただけないでしょうか?」


 ドゥルガン王の目を見ながら、僕はお願いする。

 僕の村なら地下で調達するには難しい物も用意できるはず。きっといい取引ができるだろう。

 いい返事をもらえることを期待したけど……僕の申し入れを聞いたドゥルガン王の顔は暗くなってしまう。


「その提案は非常に魅力的だが……現状それを受け入れることはできない」

「え……!? 理由をお聞きしてもいいですか?」

「うむ。我が国は今、ある危機・・に晒されている。そのせいで鉱石の採掘も止まってしまっているのだ」

「危機、ですか? それっていたい……」


 なんですか、と聞こうとした瞬間『ズン!』と大きな音が響いて地面が揺れる。

 突然のことに驚いていると、周りのドワーフの兵士たちが一斉に城の外へ向かう。


「来たか……!」


 ドゥルガン王も険しい顔をして城の窓から外を見る。

 僕もその横に行って外を見てみると、なんとそこにはこの国に向かってくる大きなゴーレム(・・・・)の姿があった。

 岩を切り出して作ったような体で、僕の作ったどのゴーレムよりも巨大だ。手足は長く、ボディもスリムに見える。

 なんの素材でできているのかは分からないけど、その体は真っ黒でとても恐ろしい印象を受ける。


「いったいあれはなんですか!?」

「あやつの名は『岩の王』。この国を脅かす強大な力を持ったゴーレムだ。奴のせいでこの国は今、存亡の危機に瀕しているのだ……」


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