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女の子になった日

 初投稿です。色々と変な所多いかと存じますが、ご容赦願います。


 男子の中で「女子になりたい、生まれ変われるのなら女子」と思っている人も居るのではないでしょうか。私もその一人ですw

 本作では「もし、"私"が女子になれたら人生はどう変わっていただろうか?」、「もし、今、"私"が女子になれるとしたら、これからの人生はどうなるのだろうか?」を妄想して作ったストーリーです。


「女子がどうあるべきか云々、女子らしさ云々」という内容ではなく、「私が女子になったらこう生きて行きたい」というだけの話なのでご安心ください。

序章


 『僕と付き合ってください!』

 小学生の頃から、ずっと好きだった彼から告白を受けた。

 「ごめんなさい!」

 そう一言告げるのと同時に、私は逃げた。

 後ろを振り向いてみると、彼は、何が起こったのか理解できずにただ唖然としていた。

 (追いかけてきてくれないんだね__)

 私はそのまま屋上に逃げ込んだ。

 今日は雨の日で、屋上には誰も居ない。そもそも、ここは立ち入り禁止で、扉の鍵が壊れている事を知っているのは私くらいだ。心を落ち着かせられる場所として最適であった。

 (せっかく告白してくれたのに......何やってるんだろう私__)

雨に打たれながら、それに負けないほど涙を流した。

 (寒い......)

 心の落ち着きを取り戻すと同時に身体が冷えてきた。

 (今日はもう、保健室で少し休んで帰ろう......)

 校舎に戻ろうと思ったその時、彼が現れた。

 「赤坂!」

 (なんでここに......どうしよう)

 私は彼とこれ以上親しくなる事に怯えていた。

 私には絶対に明かしてはいけない"秘め事"がある。しかし、私は隠し事が苦手で、特に大切な人には打ち明けてしまいそうになる。これまでもずっとそうだった。

 私はこれまで沢山の男子にモテモテで、"彼氏"には困らなかった。でも、秘め事を教える訳にもいかないので、我慢の限界がやってきては彼氏を振ってきた。

 (彼は今まで付き合ってきた男子とは違う......私にとって一番大切な存在)

 だけど、もし"秘め事"を明かせば彼は傷ついてしまうかもしれない。今は隠し続けられても、いつかは我慢の限界が来る。

 (でも、彼を振って他の人に譲るのも嫌......どうしたらいいの?)

 「赤坂! 君に話したいことがあるんだ!」

 私は無意識に、後ろに下がって彼との距離を取ろうとした。

 「赤坂! 危ない!!」

 いつの間にか私は屋上の端まで追い詰められ、バランスを崩して転落しかけた。

 彼は、慌てて私の腕を掴んで引っ張り、そのままの勢いで私を抱きしめた。

 私は彼の胸の中で気絶した。



 それからしばらくして、私は気が付いた。

 「ここは......?」 

 私はベッドの上で寝ていた。

 (あれからどれくらいの時間が経ったのだろうか)

 「あら、気が付いたのね! ここは、学校の保健室だよ」

 保健室の先生が横で私の制服と、下着を干してくれていた。

 「先生、私......」

 と言いかけた瞬間、3D酔いでもしたかのような感覚と同時に酷い頭痛に襲われた。

 「何も言わなくても大丈夫よ! それよりも、まだ無理しちゃダメよ! 大体の事は彼から聴いているわ! もう少しだけ寝ていなさい」

 「あの......ありがとう、先生」

 「いいから早く寝なさい!」

 再び私は意識を失った。


 しばらくして、私は気が付いた。

 額には濡れたタオルが載っていた。私のすぐ傍で先生は椅子に座って寝ていた事から、付きっ切りで看病してくれたのだろう。

 「先生......?」

 「......んにゃ?」

 先生は呼びかけると、すぐに起きた。

 「あぁ、赤坂さん、体調はもう大丈夫?」 

 「おかげ様で体調もすっかり良くなりました」

 「それはよかった! 赤坂さん、ひどく魘されて、異常なくらい汗かいていたから心配したよ......」

 「ありがとうございます」

 「いいわよ。礼なら彼にしなさい!」

 先生は照れくさそうにそう言った、その時

 「失礼します!」

 彼が保健室にやってきた。

 「同じ乙女としてアドバイスだけど、寝ているふりをしていなさい!」

 彼に聞こえないように、ひっそりと耳元で教えてくれたので、私は言う通りにする事にした。



 「彼女はまだ目覚めていないわよ」

 「そう......ですか」

 「ところで君は、彼女、赤坂ちゃんのことをどう思っているのかな?」

 (先生! なんてことを!!)

 「赤坂は、その、音信不通になった昔の大親友とどこか雰囲気が似てるんです。」

 「大親友?」

 「あいつとは小学校の入学式からずっと仲良しなんです。途中、転校で離ればなれになっちゃったんですけど、毎晩電話で連絡を取り合っていたんです。同性なのに、まるで彼氏と彼女のような......でも、僕もあいつの事が好きだったんだと思います」

 「でも、彼女はそんな積極的な子じゃないよ?」

 「確かに、大人しいタイプですね。でも、オーラと言いますか......とにかくあいつそっくりなんです!」

 「それで、彼女に心の穴を埋めて貰おうと......」

 「違います!」

 「ほう......というと?」

 「彼女は、"あいつ"なんです!」

 (え......どうしてバレてるの?)

 「そんなわけないでしょ! で、どうしてそう思ったの?」

 「いえ、間違いなく"あいつ"なんです......彼女の家に一度だけプリントを届けにお邪魔した事があるんですが、僕が昔、プレゼントした手作りの花瓶が玄関に飾られていたんです」

 (あ、あの時の事か! それにしても花瓶か......盲点だった)

「世界には同じ顔の人が二人いるって聞くけど?それと同じじゃないかな?」

 「あの花瓶には僕の名前を記しているんですよ!」

 「だとしても、双子とかそういうのじゃないの?」

 「あいつ、いえ、彼女には同年代の従弟が居るとは聞いたことがありますが、従妹は聞いたことがないんです!」

 「なるほど、性転換か!それなら、彼女の行動には納得だわ」

 「僕は、あいつが性転換して、再び目の前に帰ってきてくれたんだと思ってます!だから......」

 「それ以上は本人に直接言ってあげなさい!」

 先生はそういって、ベッドの仕切り用のカーテンを開き、私が寝ている横に椅子を置いた。

 「彼女の手を握ってやりな!」

 そういって、先生は廊下に出て何処かへ行ってしまった。



 『......』  

 (気まずい......「本当は起きてました」なんて言えない__)

 「まさか、お前が性転換までして、俺の前に戻ってきてくれるなんて予想もしなかったよ」

 (性転換したわけじゃないんだけどね......)

 「でも、本当は男だから......バレた時の事を考えてくれてたんだよね」

 (......) 

 「僕は、お前が本当は男だとしても気にしない。僕はお前の事が好きだ」

 (私......今までなんで悩んでいたんだろう__バカみたい) 

 彼のおかげで、彼に本当の事を伝える事、そして好きだと言う事を伝える勇気がわいてきた。

 「......今まで黙っててごめんなさい!」

 彼に抱き着いた。

 その瞬間、彼は鼻から血を勢いよく吹き出し、気絶した。さっきの恥ずかしいセリフを聞かれていた事が知られ、なおかつ、裸の女子に抱きしめられ、状況を理解できなかったのだろう。

 彼を私が寝ていたベッドに寝かせ、服を着た。先生が乾かしてくれていたので、多少の湿気はあるものの、十分に着れる状態だった。

 「......ごめんね」

 今度は私が彼を看病した。


 ____30分後


 彼が目覚めた。

 「ここは......僕はどうして......あ!赤坂さんに」

 「私がどうかしましたか?」

 『......』

 二人とも、沈黙した。

 「あの、さっきの......赤坂さんはどこまで聞こえてましたか?」

 「あなたが保健室に入ってくるところから全部かな」

 「全部聞かれてたのか......」

 「......はい」

 「赤坂さん、君は......赤坂 千早を知っていますか?」

 「......はい」

 「君は、赤坂 千早ですか?」

 彼は責める様に私に立て続けに質問してきた。

 最終的に、私は彼に全てを打ち明けた。 

 「......こんな私だけど、好きでいてくれる?」

 「もちろんだよ!でも、これからは隠し事は無しだよ?」

 「はい」

 「それじゃあ改めて、僕とお付き合いしてください!」

 「...はい」

 その日から、私達のラブラブ生活が始まったのである。

________________________________________________________________________________________

第一話 俺から私になった日

 

 ____時を戻すこと、五年前


 俺は、赤坂千早。ごく普通の中学一年生、男子だ。

 俺には、小学校の入学式に出会った親友がいる。その親友とは残念ながら、転校で離ればなれになってしまったが、別れて三年が経った今でも電話やメールでお互いに近況報告を続けて関係を続けている。

 恐らく俺は彼の事が大好きだったのだろう、会えない日々が辛くて仕方がなかった。

 ちなみに、彼とは高校で再開する事になるが、当然ながら、当時の俺はその事を知る由もなかった。



 「千早、朝ごはんできたわよ~。起きなさい!」

 母がリビングで俺を呼んでいる。

 (まだねむい...もうちょっと寝る)

 二度寝をした。朝は苦手で、いつも二度寝をして母が叩き起こされている。そして、今日も例外なく、いつもと同じ様に母が俺を叩き起こしに部屋に入ってきた。

 「いつまで寝てるの? 学校は?」

 「あと10分~」

 「......」

 (あれ?いつもなら、布団を無理やり取り上げるのに、今日は何もしてこないな・・・)

 「あんた誰」

 「何? 俺、千早だよ」

 いつもは布団を取り上げられてからもなお、目が完全に冷めるまでは駄々っているのだが、今日はすぐに目を覚ました。

 「千早? 嘘でしょ? その声と身体......本当に千早なの?」

 母の様子がおかしい事に気が付いた。というのも、母はそんな頭のおかしい言動はしないからだ。

 「何を馬鹿なことを言ってるの? お母さんこそ寝ぼけてない?」

 「千早で、間違いはないみたいね......」

 俺の言動や性格から、そう判断したらしい。

 「......ちょっと鏡を見てきなさい!」

 「はーい」

 (なんだよ......新手の起こし方か何かなのか?)

 洗面所の前に立って、鏡を見たら俺の身に起きている異変に気が付いた。

 「えっ......、俺、じゃない」

 鏡に映っていたのは、白色で長い髪、透き通るような青い瞳、すべすべの白い肌、なんと、美少女になっていたのである。

 ちなみに、胸はAカップ、身長は155センチでウエストは65センチと細め。声も低音から高音に変わっていたのである。

 (部屋から出た時まで、何も異変なんて感じなかったのにどうして......これは夢に違いない!もう一度寝れば元に戻ってるはず!)

 「お母さん、今日は学校休むわ。夢かもしれないから、もう一度寝てくる!」

 そう言って、俺は寝室に戻り、再び眠りについた。その数時間後、母に起こされた。結論から言おう、夢ではなかった。

 俺は困惑した。世間体を考えれば、これまでと同じ様な生活はできない。突然女の子になっちゃったのだから、その逆、つまり元に戻る可能性も否定できないと思うが、それでも戻れる保証があるわけではない。

 (俺はこの先、どうやって生きて行けば......)

 悩んでいると、母が女子用の下着と白いワンピースを持ってきた。寝ている間に買いに行ってくれたらしい。

 「それを着てみて!」

 母は、どうやらこの非常な状況を楽しんでいるらしい。

 「人が悩んでいる時に......」

 「だって、悩んでいても何も変わらないでしょ? 受け入れて、これからの事を考えた方が合理的でしょ?」

 「確かに」

 とりあえず、母が用意した下着とワンピースを着た。

 それから、母はまず、トイレの仕方について言葉で簡単に教えてくれた。

 「トイレの仕方さえわかっていれば、とりあえず今は困る事はないわ!」

 「お母さん、お父さんにはどう説明するの?」

 「その事についてだけど、既に電話して伝えたから心配いらないわ。驚いてはいたけどね」

 「今日は何時に帰ってくるの?」

 父はいつも朝が早い。朝は4時には身支度を済ませて家を出ている。その代わりに、帰ってくるのは早く、夕方の4時には既にソファーの上で小説を読みふけっている。

 「今日も、いつも通りよ。気になってはいるみたいだけど、仕事ほっぽり出して帰るわけにはいかないからね」

 (恥ずかしいから、今日は帰ってこなくていいよ......)

 「そんな事よりも、病院に行くわよ」

 「病院?」

 「原因はたぶん分からないだろうけど、どこまで女の子になっているのか確認したいわ」

 母と俺は病院に行った。結論から言うと、俺の身体は完全に女子になっていた。当然のことだけど、原因については分からなかった。というのも、事情を説明しても信じてくれなかったからだ。

 (まぁ、それはそうだよね)

 その後、病院から帰って、父が帰ってくるのを待った。

 「ただいま帰ったぞ!」

 『おかえりなさい!』

 「おや、女性が二人いる!」

 それから、母と一緒に事情をすべて話した。朝目覚めたら身体が女子になっていたこと、病院に行って確認してきたこと、これからの事で悩んでいること。

 「結論から言うとな、俺はお前には普通の人生を歩んで欲しいと思っている。例え、女の子になったとしてもだ!そこで考えたんだが、『性転換』した事にするべきだと俺は思う」

 「俺が性転換?」

 「そうだ!だってな、まずは急にお前が居なくなって、変わりに見知らぬ女子が居るとご近所さんが知ったらどう思われると思うか?」

 「どうって?」

 「不審に思われるに決まってる!そしてたぶん、説明してもお前が「千早本人」だと誰も信じないだろう、見た目も思いっきり違うし、あんなに低かった声が、今ではこんなに高い。信じろって言う方が無理があるだろう?」

 「ありのまま説明するのは......?」

 「それもダメだ。もし、国や何かしらの研究組織に知られてしまえば、普通には生きていけないだろう、モルモットにされるオチだ!」

 「でも、元に戻る可能性もあるし......」

 「そん時はそん時に考えれば良い!」

 「でも、手続きってどうするの? 学校は? 俺が性転換したって知られたらいじめられるよ」

 「それについては、俺に任せておけ!」

 「わかった......」

 「四條、さっきからずっと何も口に発してないけど、俺が全部決めちゃっていいのかい?」

 「私? 私は、あなたと千早が良いならそれで異論はないわ!」

 そうして、家族会議は終わった。

 

 今後の計画を簡単にまとめると、まず父と母の二人で学校に「千早が海外留学に行ってしまった」事を説明する。それから、俺の『性転換』手続きを父が進めていく。一方、母はご近所さんに「千早が海外に留学した」と「親戚の子を引き取る予定」という噂を流して、俺が今後、普通に外を歩ける様に環境を整えていく。俺自身はというと......特に、何もすることは無い。ただ、自宅警備をするだけ。というのも、父と母に『絶対に外に出ないように!』と強く言われているからだ。しかし、全く何もしないわけではない。戸籍の変更が終わるまでの4か月間、俺は生理の事、生活の術、女心、それらを勉強することにした。

 突然女子化(女体化ともいう)した『赤坂 千早』の運命はいったいどうなるのでしょうか。1話の冒頭でずいぶんとネタを明かしてしまったので、なんとなくは想像付くとは思います。しかし、その時点にたどり着くまでの、赤坂千早が歩む人生や、運命の王子様と出会ってからの人生についての一切は筆者の頭の中にしかありません。乞うご期待!


____追記

 もし、本作を読み、面白かったり、「続きが読みたい!早く続きを書け!」と思ったら、評価またはレビュー、もしくはTwitterで「#女体化小説」を付けて拡散お願い致します!

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