妹とキャンバス
あの女から妹の部屋に移った。
妹の部屋は、女の部屋よりも広かった。
そして、綺麗だった。
絵は一つもなく、普通の家具しかない。
「はじめまして」
家具たちに挨拶をしたが返事はなかった。
妹は夫と二人暮らしだった。
二人は、朝を起きて、出かけ、夜には戻り、寝た。
あの女とは、違い規則正しいものだった。
ただ、おかしな所は、彼女らは寝るときに、私の前でお祈りをしことだ。
それを毎日、毎日、毎日行った。
旦那は時々さぼったが、妹は欠かさず行った。
二人が一緒にやった後は、何か奇妙な物音がした。
私に描かれた絵はそんなにありがたいものなのだろうか?
そんなある日。
妹の絶叫で目が覚めた。
隣の旦那は妹を抱きしめて持ち上げた。
なんだ?なんだ?
それから、妹のお腹はどんどん大きくなった。
そして、家に帰ってこなくなった。
・・・・・・・・・・・・・・・
ぱたんと叩かれた気がする。
目を覚ますと、旦那と妹と赤ん坊がいた。
赤ん坊は、私を何度も叩く。
止めろ、痛い。
妹が赤ん坊をあやしながら、私から離れた。
どうやら、赤ん坊が生まれたらしい。
よかった。よかった。
しばらくすると、ある女がやってきた。
女は妹に何か頼んでいた。
妹は困っていたが、最後は納得した。
女は妹にお金を渡した。
私は、また、オレンジの布に包まれた。
あぁ、私は売られたのか。
部屋を出るとき。
「さようなら」
と伝えた。
「あうあうあ~」
赤ん坊が返事をしてくれた。
次はどんな部屋にいくのだろうか。