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ずっと一緒だよ。~突然過保護のイケメン幽霊に憑かれたら・・・!?  作者: 優奎日伽
5. ニブイにもほどがある!!
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ニブイにもほどがある!! ②

 

 ***



 一週間がこんなに長く感じたのは、人生で初めての事だったと思う。

 このままでは干からびると、いっそ脱走しようかと、正直何度も思っては止まった。

 生半可な気持ちで舞子に縋った訳じゃないだろうと。


 早朝の電車に始まり、各種交通機関を使いまくって二時間。

 ようやく辿り着いたそこは、緑豊かな山の中腹に佇んでいた。

 舞子の居る寺では、宿坊ステイと言うものをやっており、ここに来るまでの道中、一人寂しくといった事にはならず、誰かしらと話しながら辿り着いた。特に年配の夫婦やおばちゃんグループに声を掛けられたのには、少しばかり “何故だ!?” との思いもある。お姉さま方も居たはずなのに。


 別に浮気心とかではない。少し疑問に感じただけだ……断じて、ない。

 しかし。

 一週間が楽しくなりそうだと、ほんのちょっとでも思った自分が馬鹿だったと、このあと嫌でも思い知らされることとなった。




 通された部屋は三畳ほどの板張りで、文机と畳まれた布団があるだけの簡素な部屋だった。如何にも寝るためだけの場所。

 この時の感想は、“独房か?” である。

 実際、それに近い状態だった。


 他の修行体験に来た面々は、それ専用の宿泊施設に泊まっていたようだ。なのに篤志だけは、この寺に立ち寄った僧侶のための部屋だった。

 舞子に言わせれば『篤志くんはお客様じゃないでしょ』と素気無いもので、食事は他の泊り客と一緒だったが、根本的にお遊び気分の修行体験とはかなり違うものだった。


 先ず着いてすぐ、篤志だけ滝行に連れて行かれた。

 この最近少し暖かくなってきたとは言え、春先の滝行は凍え死ぬかと思うくらい水が肌を刺す。

 唇を真っ青にしガタガタ震える篤志を見て、一緒に滝行をしていた住職に『最近の若い奴は軟弱な』と小馬鹿にした台詞と共に溜息を吐かれた。


 この時篤志は滝行衣(たきぎょうえ)と言う白装束を纏っていて、肌に張り付き余計に寒さを感じた。因みに住職は(ふんどし)一丁だ。篤志も褌を勧められたのだが、ビジュアル的に抵抗を感じて、丁重にお断りした。

 座禅に写経に写仏(手本の上に薄い紙を敷き、仏様をなぞり描くもの)を黙々とやらされ、夜が明けきらない時間に叩き起こされると、朝のお勤めと作務をこなす。


 チラッとでも余計なことを考えれば、すかさず説教を食らう。住職の有難い言葉が地獄に感じる時間だった。それと言うのも最初は全く出来なかった結跏趺坐(けっかふざ)のせいだ。股関節が外れるんじゃないかと本当に冷や冷やした。

 修行に来たわけではないのに、小坊主になった気分である。

 頭を丸めろと言われなくて、良かったと尽々思う。


 そして篤志を悩ませたもう一つ。食事だ。

 日々の糧は精進料理の一日二回だけ。最初の二日は空腹で仕様がなかったが、山を下りて買い物に行くわけにもいかず、下りたところでコンビニなどない。篤志はひたすら耐え忍んだ。

 肉を貪る夢を見なかった日はなかったと、一週間を振り返ると涙が出てくる。


 遊んでいる暇などなかった。

 毎日疲れ果て、布団に倒れ込むように寝た。

 頑張った自分を褒めてやりたい。


 最終日、本堂へ呼ばれた。篤志が行くと、そこには白装束に水色の袴を穿いた舞子がピンと背筋を伸ばし、正座をして待っていた。



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