初めての依頼
ここの女神さま出張りすぎなような(;´・ω・)
部屋から出ると同じタイミングでジェリーが向かいの部屋から出てきた。
昨日の見るからに魔法使いみたいな帽子とローブ姿ではなく、
パジャマ姿になっていた。もしかして今起きたのかな?
「おはようジェリー。」
「おはようユート。昨日はよく眠れたかしら?」
「うん。疲れてたみたいで今の時間までぐっすりだよ
ベットもふかふかで疲れもスッキリ。」
笑顔でグッチョブする。ジェリーは少しクスッと笑った。
「そう。それは良かったわ。それだけ元気なら問題なさそうね。」
「自分は硬い床でもぐっすり寝れるタイプだからそこら辺は大丈夫じゃよ。」
「それ、わざわざ宿取る必要なかったんじゃない?
まあ、ユートが払ってるし別に良いけどね。
じゃあ私はシャワー浴びてくるから。」
そう言ってジェリーは一人で受付まで歩いて行った。
この世界にもシャワーとかあるんだ!?ファンタジーなのに進んでるなぁ。
そんなことを考えながら自分も受付に向かう。先についていたジェリーは亭主から鍵を
受け取ると受付の左斜め後ろにあるドアに向かっていった。
「おはようございます。」
「おう、おはよう。」
亭主に挨拶するとそのままジェリーの後を追う。ジェリーの裸にそこまで興味はないが
覗きという定番イベントを発生させなければならないと内なる自分が叫ぶのだ。
当然、亭主に止められた。
「俺の目の前で何しようとしてんだ。」
「覗きイベって定番だと思ったからとりあえず覗いておこうかなと思って。」
「とりあえずでそんなことするな。」
大切なイベントシーンじゃないか!!昨日ジェリーの照れ顔は
脳内に保存したから、今回は脱衣所で偶然を装ってばったりみたいな
感じのシーンを保存しようとしたのに。
「止めないでくれ。男には行かなきゃいかない時があるんだ!!」
「俺が止めなくても、脱衣所のドアに止められるから無駄だ。」
「大丈夫です。こういう時は大抵カギを閉め忘れてるものだから。」
ドアを開けようとしてみるが鍵が掛かって開けられない。
ちくしょう!!何やってんだよファンタジー。お約束が
発生してないじゃないか!ちゃんとしてくれないと困るよチミィ~。
「普通に閉まってるみたいだが?」
「はい。あきらめます・・・。」
亭主は苦笑していた。一応、笑いは取れたので良いとしよう。
「飯はどうする。食べるなら用意するぞ?」
「いえ。あまりお腹は空いていないので大丈夫です。
自分はこのままギルドで依頼を受けくるので
二人にどこ行ったか聞かれたら依頼に行ったと伝えといてください。」
「あいよ。気を付けて行ってこい。」
「行ってきます。」
亭主に挨拶すると、そのまま隣のギルドに向かう。
いきなり一人で依頼を受けるのはどうかと思うが、
ファングボア戦みたいな戦い方を人前でやると化け物認定されそうなので
ある程度まともに戦えるようにしておきたい。
ギルド着くと受付横の大きな掲示板を見る。
今の自分が受けられるクエストで難しそうなのを探す。
自分は死ぬ心配がないので強い敵で訓練しても問題ないだろう。
後は防衛みたいな失敗できないのはやめておこう。
Bランクで張り出されているものを探す。
巨大スライムの討伐にワイバーンの撃退又は討伐、オークの魔石回収etc.
スライムとワイバーンが同じランクってマジ!?この世界のスライムって
そんなに強いの?オークもゲームとかでは下級モンスターだよね。
なんでそんなにランクが高いの?依頼内容を見てみる。
オークの魔石50個回収。うん、数が多いからか。
あんなデカブツを50も相手にするのは流石にきついだろ。
オークの実物見たことないけどね。
とりあえず巨大スライムの討伐にした。ワイバーンは飛びそうだから
単純に戦いずらそう。オークの方は数が多すぎ。一人じゃ無理でしょ。
他のもあったけどオークみたいな回収系だった。そんなに魔石集めて
何に使うんだよ。まあ、そこら辺は依頼者に聞けばいいだろけど
今のところは分からなくてもいいや。
依頼の紙を剥がして受付に持っていく。
昨日は夕方ぐらいに到着して結構混んでいたが、
朝は割と暇らしく受付嬢が欠伸をしている。
「おはようございます。この依頼を受けたいんですが。」
声をかけると受付嬢は慌てて口を隠しながら欠伸を誤魔化した。
それくらいなら気にしないけどね。一応、体裁の問題なんだろう。
触れないでおこう。
「お、おはようございます。カードの提示をお願いします」
「はい」
ステータスカード渡す。受付嬢は受け取ると素早く目を通し
こちらへ返す。
「確認しました。ただいま手続きをしますので
少しお待ちください。」
少し待つと手続きが終わったらしく、受付嬢が一枚の紙を
渡してきた。
「こちらが依頼状です。紛失すると報酬が受け取れないので
注意してください」
依頼状を受け取る。これがないと報酬が貰えないのか。
面倒だな。魔石を回収して渡して報告終了みたいなら楽なのに
まあ、誰がどの依頼を受けたとかを管理しなきゃいけないから
ギルドの負担が増えるか。
「一つ聞きたいことがあるんですが良いですか?」
「はい?なんでしょう」
「今の時間でも空いている道具屋ってどこにありますか。」
地図とかないと絶対迷うし、第一、討伐対象の出現ポイントに辿り
つける気がしない。後は必要ないかもしれないけど、ポーション?とか
も一応持っておいた方がいいだろう。この世界にもゲームと同様に
ポーションとかがあればの話だが。
「今の時間ですと何処も開店前だと思います。
ギルドにも小さいですが売店があるのでそちらをご利用ください」
受付嬢の手を向ける方向を見てみると小さな売店があるのに気づく。
地味すぎて気づかなかった。
「ありがとうございます。」
受付嬢にお礼を言うと隅っこにある売店に行って
地図、コンパス、ポーションを買った。後、小型の投げナイフを10本と
冒険者用の収納魔法が掛かったカバンを買った。
高ランクの依頼の場合は色々必要になるらしくカバンが無いと不便らしい。
合計で金貨5枚と中々お高い。必要経費だと思おう。
準備が出来たのでギルドを出て町の入口から目的地に向かう。
地図によると町から大体4~5キロ程度みたいなので1時間もあれば
着くだろう。それまでに小型の魔物に遭遇すれば準備運動くらいには
なるかな。何かに遭遇しないかなぁ~。
何も遭遇しないまま目的地の洞窟に到着してしまった。
やっぱ普段人が通ってるような道は魔物も近づかないか。
洞窟の着く少し前に小さな森を抜けたけどそこにも魔物はいなかった。
普段もこんなに静かなのか?疑問に思ったけど面倒だから考えるのはやめよう。
ある程度、戦う感覚をつかんでおきたかったが仕方ないか。
討伐対象に遭遇するまでに他の魔物に遭遇するだr、、、
フラグを立てる暇なく対象に遭遇した。一目見ただけで分かった。
尋常じゃないでかさだと。昨日のファングボア並みにでかいんじゃない?
スライムだからドラ○エみたいなのを想像したが、全然イメージと違う。
どちらかといえば、ポケ○ンのベト○ターが緑色になって顔がなくなった感じだ。
ペル○ナにそんなのいなかったっけ?まあいいや。
こいつ斬撃とか効くのかな。相手はこちらに気付いて向かってくるけど
すごい遅いから問題ないだろう。何回か隙を見て切ってみよう。
相手の攻撃は単調な体当たりと体の一部を飛ばして溶かす攻撃の2種類みたいだ。
おまけに予備動作が分かりやすすぎて欠伸が出そうだ。
体当たりの時は少し止まって力をためてからこっちに向かってくるし、
溶かす攻撃は少しずつ体を揺らすので5秒程度隙が生まれる。
どちらも攻撃した後に少し停止する。はっきり言って隙だらけじゃない?
これでワイバーンと一緒の難易度なのが謎だ。まあ、楽だからいいけど。
スライムが体を揺らし始めたので、切りかかってみる。
全く手ごたえがない。やっぱ効いてなさげだ。斬撃が効かないのか、
攻撃が通る部位があるのかは分からないので、とりあえず魔法を試してみることにした。
えーとどんな魔法だったけ。貫け!ウォーターレーザーだっけ?とりあえず撃ってみよう。
ジェリーは杖こちらに向けてたし、武器を持ったままでもいいのかな。
スライムから少し距離を取ると、剣を向けて呪文を唱える。
「貫け!ウォーターレーザー」
剣の先から高圧の水が噴き出る。スライムに当たって貫通したが効果は無さそうだ。
やっぱり攻撃してる部位がだめなのかな。もう一度よく観察してみると
体の中を移動している直径10センチ程度の核っぽいのを見つけた。
あれを攻撃してみよう。そこであることをひらめく。
剣からも魔法が撃てるなら手のひらからも普通に撃てるよね。それなら!!
「くらえ!!か~め~は~○~波!!」
勢いよく両腕を前に出し魔法を使ってみた。すると先ほどの魔法とは違って
水ではなくよくわからない光線に変わっていた。マジで撃てちゃったよ!?
亀○人から教わらなくても撃てた!!さてさてスライムどうなってるかなぁ。
もし倒れてなかったら今度は元○玉を撃ってやる。
スライムは核を破壊されドロドロと解け始めた。辺りを溶かしながら。
ちょ、周りとかしながら消滅するなし!!まあ、倒せたからいいか。
戦い方の練習にはならなかったけど。
しばらくするとスライムがいた場所に魔石が落ちていた。魔石は溶けずにも残るんだ。
魔石を回収してカバンに入れておく。落としたりしたら怖いからな。
さっきの魔法はどうなってるんだ?イメージ通り技になっちゃったけど。
もしかしたら、魔法は呪文とかでイメージを固定させて撃ってるのかも。
適当にそれっぽいを唱えてみよう。
「サンダー!」
雷が出る。イメージで魔法が使えることが証明できた。
次にあやふやなイメージのまま唱えてみよう。
適当に技っぽい言葉で発現するかの実験。
「ローリングサンダー!」
・・・何も出ない。恥ずかしい。まあでも、あやふやなイメージでは
魔法は発現しないのが分かった。結論、イメージさえハッキリ想像できれば
想像通りの魔法が出る。スライム相手の戦闘訓練はイマイチだったけど、
魔法の発現条件とかが分かったから良しとしよう。
とりあえず終わったから帰ろう。
洞窟を後にして元来た道を引き返す。小さな森に入ったところで
女性の声がした。
「あれ?こんなところに人間?珍しい~」
声の方に向いてみると際どいハイレグみたいな衣装の女性が
木の上からこちらを見下ろしていた。
「まあ、あたしとしては食料が来てくれてラッキーなんだけどね。」
痴女さんは背中から翼を生やすとゆっくりと降りてきた。
地面に着くとゆっくりとこちらに近づいてくる。
この格好に背中の羽、人間を食料呼ばわりする辺りから想像するに
サキュバス?一応、確認をしてみよう。
「えーと。もしかしてサキュバス?」
「そうそう。正解♪」
笑顔で拍手をする。わーい正解だ、ちくしょうめ!!
どうする走って逃げる?ここで撃退する?
答えは逃げあるのみ。サキュバスのいない方向へ走る。
「ざんね~ん。君の行動なんてまるわかりだよ」
しかし回り込まれた。だんだんと近づいてくるサキュバス
どうしようかと頭を悩ませている間にすぐ近くまで来てしまった。
サキュバスはこちらを観察するように全身を見みている。
「若さと見た目、精力ともに問題なし。食べごろね♪
私、リリム。君は?」
「ユート」
「ユートね。覚えたわ。
じゃあユート、これから私と気持ちいいことしよ!」
どうなっちゃう自分?
現在のステータス
真嶋勇人 Lv.35 ランクB
HP357/357 MP238/238
STR 175 INT 160
DFE 175 TEC 130
SPD 150 LUK 90
所持スキル
異世界語翻訳 Lv.1/1 身体能力向上 Lv.10/10
状態異常無効 Lv.10/10 家事 Lv.7/10
嘘つき Lv.5/10 魔法使いの素質 Lv.20/30
SM体質 Lv.10/10 九死に一生 Lv.10/10
女神の加護 Lv.1/1 変身魔法 Lv.1/1
五体満足 Lv.1/1 踏ん張りLv.10/10